車の事故はご存じのとおり日没から深夜にかけて多発している。特に暗い道での運転はドライバーが遠くの歩行者や自転車をできるだけ早いうちに認識することが重要となり、それにはライトを上向きにするハイビームが有効である。
しかし中国でそれを安易に行えばこんな罰が待っているそうだ。

広東省の深セン市で11月1日に撮影されたという興味深い写真を『english.cri.cn(英聞天下)』が伝え、注目を集めている。暗い道をハイビームで車を運転していると警察に呼び止められ、「まぶしい!」と説教された上にとんだ罰則を受けるもよう。違反のあったドライバーはパトカーの正面に置かれたイスに座り、そのヘッドライトが放つ強烈なハイビームを直視するよう命じられるのだ。

文字通り「目には目を」というこの罰則。「よくぞ懲らしめてくれた。
警察よ、いい仕事をしているね」との声がある一方で、「人権侵害に等しい野蛮な方法。見せしめとはいえやり過ぎだ」との批判の声もあがっている。その道路でハイビーム走行が適切か不適切かはドライバーの判断によるところが大きいが、振り上げた腕は下ろさないのが中国の警察。問答無用のうちに違反ドライバーの免許証には違反歴が1つ加わり、4,600円ほどの罰金が科されたという。

一方、眼科医の立場で警察に「強い光の刺激を網膜に与え続けることは危険です」と警告しているのは同市の「羅湖区人民病院」で眼科部長を務めるWang Yuangui氏。「罰則とはいえ、警察はそれを10秒以内で終わらせるべき」と説明し、同様に良識の範囲内で上手にハイビームを使うようドライバーも心掛けるべきだと語っている。


ちなみに日本では「ハイビームを多用して」と警察庁が方向を転換した。夜間に起きた人身事故の90%以上においてライトが下向きのロービームであったというのがその理由だ。これまでの強い光で対向車の運転手の目を眩惑させてはならないという認識について、都道府県によって差はあるものの「遠慮は要らない。暗い道はハイビームを基本とし、市街地においてはハイビームとロービームをこまめに切り替える、ゆっくり走るなど事故を起こさないよう努めてほしい」と呼びかけられている。

出典:http://english.cri.cn
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)