「温泉に入るとキレイになると、昔からいわれていますね。温泉には大きく分けると『物理的作用』『転地作用』『薬理作用』の3つの美容効果があるんです」
こう語るのは、年200日、温泉地を旅して取材執筆している温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリストの石井宏子さん。
【1】物理的作用
「温泉で体が温められると血行や代謝が促進し、疲労回復につながります。温泉に含まれている成分によって、さらにこの温熱効果が増すのです。美肌にとって、血行や代謝の促進はとても重要ですから、まさに温泉は“美人の素”の宝庫なんです。
【2】転地作用
「日常生活から離れることで、ストレスから解放され、心身共にリフレッシュすることができるのです。心を解き放つことは美容効果を高めるためにとても大切なことです」
【3】薬理効果
薬理効果とは、温泉に溶け込んでいる成分から得られる作用のこと。
「ひと口に美肌といっても、温泉によって、その効果は異なります。それはお湯に、主に多く含まれている成分“泉質”が異なるからです。化粧品でもクレンジング、美白、保湿など、それぞれ目的が違うように、温泉も泉質によって美容作用が違います。
ちなみに、山梨県奈良田温泉の白根館のHPを見ると、《泉質 含硫黄—ナトリウム—塩化物泉》といった表記が。
そして、石井さんは温泉選びの重要なポイントとして、次のことをあげる。
「チェックしたいのが、源泉と宿の距離です。湧出地が宿の敷地内にあるのか? それとも遠くの湧出地から引いているのか? 湧出地が宿に近いほどフレッシュなお湯を楽しめる可能性が高くなります。また、加水しているかどうかも重要なポイントです」
源泉掛け流しは、一般的には源泉をそのまま湯船に注いでいる温泉であり、泉質の効能が薄められることなく、入浴することができる。
「加水によって、違う温泉になってしまうわけではありませんが、温泉分析書に記載されている成分よりは薄まってしまいます。また、循環ろ過などにより成分が薄くなっていくこともあります」
温泉は“美人の素”の宝庫! まずは泉質や源泉と宿の距離を調べよう。