日本人女性に「自分と他人を区別できない人」が多い意外な理由の画像はこちら >>

誰だって、好みや価値観は違うもの。そのため、自分の好きなものが、他の人にとっても好きなものとは限りません。

にもかかわらず、誰かが好きなものを「あんなの好きなの? 信じられない! 私は好きじゃないわ~」などと否定する女性、結構多いと思いませんか?

違って当たり前なのに、「私は違う。あなたはおかしい」「それは普通じゃないよ」なんて言われても、困ってしまいますよね。

こういった「私とあなたは同じで当然」と考える日本人女性は、少なくありません。

精神科医・水島広子先生は、その理由を著書『女子の人間関係』で、「社会全体が女性という存在に”察すること”や”お母さん”のような役割を期待しているから」と分析しています。

言われてみると「確かに!」と思いませんか? そこで、以下から詳しく説明していきます。

■自分と他人を区別できないと起こる恐ろしい弊害

そもそも、「私の考えが正しいんだから相手も同じはず」と思い込むと、どんな困ったことが起こるかわかりますか?

「”自分は自分、相手は相手”と線を引くことは、健康な人間関係の基本です。

これができないと、思い込みから行動して相手に煙たがられたり、相手の問題なのに勝手にイライラしたり、という”相手の領域の侵害”が起こってきますし、自分のことについても”顔を見ればわかるでしょう”というような態度をとって相手を困らせたり人間関係のトラブルを招いたりしてしまいます」

「見ればわかるでしょ」みたいな態度も、女性はやりがちですよね。しかしこれも、「自分と他人は一緒」と思っている証拠だったんですね!

このような状態を、水島先生は「”自分の領域”と”相手の領域”の区別の欠如」と解説しています。区別できない人はコミュニケーションしにくいので、なかなか人とうまくやりとりできなさそうですね。

■自分と他人を区別できない日本人女性が多い理由

この領域意識の欠如が、女性に多いのは一体なぜなのでしょうか? 水島先生によると、社会全体の期待だそうです。

「なぜ、自分と他人の区別をしにくいのか、なぜ相手の領域にまで入り込んで決めつけたり助言したりしてしまうのか、ということを考えてみると、女性はそういう役割を求められてきた、ということに行き当たります。

(中略)

つまり、”女性らしさ”として求められているものの一部は、”相手の領域”を侵害する性質のものだと言えます。

そういう意味では、社会全体が、女性という存在に”察すること”を期待しているとも言えます。

職場などでも、未だに、細々とした問題の後始末は”女性がやってくれるだろう”と期待されている場面を多く見かけますし、まるで女性が社会の”お母さん”のような役割を期待されていることが多いのです」

相手に共感したり、気遣ったり、何か先回りして用意してあげたりすることを”女性らしい”と思われている。だから、どうしても「相手のことは私が一番よくわかってる」となり、自分と他人の区別がつかなくなるんですね!

女性らしさは大事ですが、あまり高すぎるのもよくないことがわかりましたね。もしあなたが今まで自分と他人が一緒だと思っていたら、気を付けていきませんか?

さらに、今後このような女性に「同意できない」と言われたときは、「色々な感じ方があるんだね」とぜひ返すといいです。詳細が気になったら、ぜひ『女子の人間関係』を読んでみてください!

【参考】

水島広子(2014)『女子の人間関係』 サンクチュアリ出版