いくつになってもモテる男なんてそうそういない。容姿や稼ぎ、性格といったアピールポイントがあるなら別だけど、年齢を魅力に変えるというのは簡単なことではない。
だからこそ、年を取り「おじさん」になった自分を受け入れられない人も、この社会には大勢いる。(文:松本ミゾレ)
「朝起きると『あー、死にたい』と思う」 理由は「彼女がいないから」?
先日、はてな匿名ダイアリーに「独身男性の皆様、どうやって生きてるの?」というエントリーがあった。この日記を書いた男性は現在独身の31歳。おじさんに片足を突っ込み始めた時期だが、友達と飲んだり、家でダラダラしたりしていると、ふと「あー。死にたい」と思うそうだ。
その理由を本人は、独身で彼女がいないことにあると分析する。
「煽りでもなんでもなく、どうやって生きることへのやる気を保ってます?」
と問いかけていた。
「彼女ができなさすぎてこうなってるのか、それとも彼女ができてもこうなのかはもはや分からない」と書いてもいるけれど、正直、これってやっぱり贅沢な話だと感じる。
30代以降で彼女を作るってなかなかしんどいだろうけど、でも、まだ可能性はある。借金とか重い持病といったビハインドはなさそうだし。
「生きる意味なんて無いと思う。割とマジで」
他にもコメントでは、独身男性の何人かが身の上を語っているんだけど、そこから、独身男性に蔓延する虚無感や諦観が垣間見える。
「別に生きてないよ。そりゃ死んではいないけど生きてるとも言えない」
「アイドルとかでかわいい子見つけて貢ぐことがいきがい 好きな人のために生きるという以外に、生きる意味なんて無いと思う。割とマジで」
「死ぬ勇気がないから惰性で生きてる」
ポジティブな意見もあるにはあったけど、全体を俯瞰するとこういう雰囲気の書き込みの方が多かった。
そりゃそうだ。おじさんになってしまうと、もう若い頃のようなキラキラした日常を楽しみたくてもなかなか難しくなる。体は確実に衰えていくし、気持ちも付いていかなくなる。
色んなことがめんどくさくなるし、ときには趣味すら億劫になっていく。そして、この生きることへのだるさを根本的に解決する手段もそうそう見つからない。
まあ、人生を満喫できている人なんかそんなにいないんだけどね。結婚を後悔するおじさんはいくらでもいる。彼女がいても、死にたいと思ってしまう贅沢なおじさんもいる。結局何をどうしても、人は虚無感と向き合うのをやめられないのだ。