慰安婦問題で日本を批判し続けている韓国で、ある問題が物議を醸している。ベトナム戦争に派兵された韓国の兵士たちがベトナム人女性をレイプし、「ライダイハン」と呼ばれる混血児が生まれた問題だ。



 きっかけは、韓国の元慰安婦支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」や女性団体が今月14日から始めたデモだった。彼らは「日本のように戦時の被害者を否定してはいけない」との理由から、駐韓ベトナム大使館の前で「ベトナム政府とベトナムの人々に韓国国民として心から謝罪します」と書かれたプラカードを掲げ、謝罪デモを開始。毎日交代で10月31日まで行い、11月にはベトナムで“謝罪行脚”も予定しているという。

 韓国メディアもこのデモについて大きく取り上げており、「慰安婦被害のおばあさん“韓国人としてベトナム女性たちに謝罪します”」「挺対協、ベトナム大使館の前で“謝罪“1人デモ」「慰安婦被害者たち、ベトナムに謝罪“韓国軍が犯した…”」といった見出しが並んでいるが、韓国兵士によるレイプについて詳しく説明するメディアは見られない。

 さらに、追い討ちをかけるようにイギリスの民間団体「ライダイハンのための正義」が正式に設立され、世界的な注目も集まっている。同団体は今後、在ベトナム韓国大使館前などに、等身大のライダイハン像を設置する予定だというから穏やかではない。


 慰安婦問題では、2015年の日韓合意後も対日批判を続けている韓国だが、このライダイハン問題ではいまだ正式に謝罪も賠償もしておらず、政府にとっては耳の痛い話。

 韓国ネット民たちも突然の出来事に動揺を隠せないようで、「歴史的事実を認めればドイツのようになり、なかったことにすれば日本のようになる。選ぶのは国民だ」「日本軍慰安婦のことを思えば、ベトナムの国民たちに苦痛を与えたことにも思いをはせるべき」「ベトナムでの過ちを歪曲すれば、私たちもチョッパリたちと同じになるぞ」といった具合だ。

 中には、「謝罪はしなければいけないけど、政府が組織的に行っていた日本の犯罪とは規模や性質が違うから、同一線上に並べるべきものじゃない」「挺隊協が慰安婦問題の解決を難しくしているんだよ」といった意見もあった。

 また、一方で「韓国の利己的な素顔が、そろそろ露呈し始めるときだ」「謝罪だけじゃダメだろ、お金をあげなきゃ」「だから国力を上げなきゃいけないんだ。国が弱いと、ほかの国の奴隷になるんだよ」「(ベトナム戦争では)米軍として戦ったんだが」といったコメントもあった。


 いずれにしても、慰安婦問題で日本を批判してきた韓国にとって、「ライダイハン」問題は強烈なしっぺ返しを食らったようなものだが、果たして韓国社会にはどのような影響を与えるだろうか?
(文=S-KOREA)