韓国で、聖職者による性暴力が相次いで摘発されている。
最近話題となっているのは、テレビ番組でも取り上げられ、「小僧のアボジ(お父さん)」というニックネームで親しまれている僧侶・A(62歳)が起こした性暴行事件だ。
Aは1995年から全羅南道の施設で、シングルマザーの子どもなど親の保護を受けられない子どもを小僧として育てていた。しかし、2008年に児童福祉施設を無許可で運営していた疑いで摘発される。その後、施設の子どもたちは生みの親の元や保護施設に送られたが、Aは引き取り手がいない22人の子ども(男19人、女3人)を自らの子どもとして養子縁組した。
一度は摘発されたものの、恵まれない子どもたちを育てるAを称賛する声は少なくなく、韓国社会では名僧として人々に知られる存在だった。ところが今回、戸籍上自分の娘であるBさん(17歳)に、11年から複数回にわたり性的暴行を加えていた事実が明らかになり、逮捕となった。今月14日、検察はA氏の親権を剥奪し、性犯罪者用の位置追跡電子装置(電子足輪)を装着することを求め、また懲役12年を求刑している。
一方、10月に入り、2人のキリスト教系牧師が強制わいせつの容疑で有罪を言い渡された。相手は、それぞれ10歳と11歳の少女だった。そのうち10歳の少女Cさんにわいせつ行為を働いた京畿道の某教会の牧師については、犯罪内容が詳細に報じられている。Cさんは親の離婚騒動の間、しばらく同教会に預けられていた。牧師は、悩むCさんに言い寄り、服を脱がせた後、口を使って強制わいせつを繰り返したという。
Cさんは警察の調査で「牧師が朝の祈祷を捧げる前にやってきて、毎日のようにわいせつな行為をされた」と証言している。
「韓国は、国民の半分が信仰を持つ宗教大国。宗教団体の数も、星の数ほどあります。当然、頭のおかしいカルト宗教団体も多いですし、聖職者の皮をかぶったエセ宗教人も少なくありません。事実、カルト宗教団体やエセ宗教人が、性犯罪を頻繁に起こしています。そればかりか、彼らは殺人、暴行、労働力の搾取、家庭崩壊、離婚、家出、多額の献金など、社会的問題の温床とさえなっています」(宗教専門メディア関係者)
2つの事件は強制的に暴行されたケースだが、写真のように完全に洗脳されてしまい、自ら体を差し出す女性信者も少なくないといわれている。
(取材・文=河鐘基)