漫画村など横行する「違法漫画サイト」 現役作家が描いた辛すぎる現状
成田成哲さん Twitterより。

1月20日、漫画アプリ「少年ジャンプ+」で「マッチョグルメ」を連載していた漫画家・成田成哲さんが、無断で漫画を転載するサイトについて自身のTwitterで言及。ファンからは同情の声が相次いだ。

成田成哲さんが違法漫画サイトへの本音を吐露


成田さんは「違法漫画サイトに関しての作家の嘆きを漫画にしました」というコメントと共に、3本の4コマ漫画を投稿。漫画が著作者に無断でアップロードされているWEBサイトに対する、作家の本音をつづった。



同漫画にはファンと漫画家の2人が登場する。ファンは漫画家に「笑えるし泣けるし凄く感動しました」と告げ作品を絶賛。だが、漫画家が雑誌か単行本かどれを読んだか聞くとファンは「無料で漫画が読めるサイト」で読んだと告白する。しかも、それが違法だということに無自覚で「え、違法? でもサイトには『違法じゃない』って書いてありましたし」と語る。

すると漫画家は「漫画業界では作品の存続って単行本の売り上げで決まるんですよ」「違法だとか違法じゃないとか関係ないんですよ」と本音を吐露。さらに「アナタのように『面白い』と言いつつ違法サイトの運営だけに広告費を供給する人々が、無自覚のうちに作品と作家を殺すんですよ」と言い放つ。

現役作家の本音を描いた同漫画はたちまち大反響になり、SNSなどでは「ほんと違法漫画サイトは全部消滅してほしい」「ユーザー側に罪の意識がないことも問題だと思う」「たまに“無料で読んだ”ってことを誇ってくる輩もいて驚くばかり」と賛同の声が。

一方で「違法サイトで漫画を読むことはもちろん悪いことだけど、利用者に訴えても無駄だと思う。やっぱり大もとの違法サイトを潰さないと」との意見も寄せられている。

次々と閉鎖するもなくならない違法漫画サイト


今回成田さんが訴えたように、ネット上には数々の違法漫画サイトが存在しており問題視されている模様。中には閉鎖するサイトもあり、2017年5月には「フリーブックス」というサイトが閉鎖。そして2017年10月には「はるか夢の址」が摘発されて、作品をアップロードしていた人や運営者が逮捕された。

しかし違法漫画サイトは次から次へと登場しており、近年「違法なのでは?」と注目されているのが「漫画村」というサイト。同サイトには「違法ではありません」という記載があるのだが、1月22日現在で根拠として記載されているのは“文化庁”へのリンクのみ。しかし以前はサイト上で「漫画村は国交のない・著作権が保護されない国で運営されてるんだ」などと説明していた。

ちなみに2017年の12月には、「ドメスティックな彼女」の流石景さんが、「漫画○」と名前を伏せながら「漫画、出版界を衰退に追い込む巨悪だわ」とTwitterで怒りを滲ませている。