連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第20週「始めたい!」第119回 8月17日(金)放送より。 
脚本:北川悦吏子 演出:土居祥平
「半分、青い。」119話。カンちゃん役・山崎莉里那は女えなりかずきのような名子役だ
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8月22日発売

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119話はこんな話


仙吉(中村雅俊)の死を理解できないカンちゃん(山崎莉里那)に鈴愛(永野芽郁)は死について教える。

高瀬アナ、夏休み中


「おはよう日本」関東版では高瀬耕造アナが夏休み中。代わって三條雅幸アナが「少し話してもいいですか?」と断ったあとに、仙吉さんについて「ひと晩経っても心の整理がつきません。
今日からは見れなくなってしまうんでしょうか」と朝ドラについて語った。
朝ドラについても高瀬アナの代わりをつとめようとがんばってみた感じが好ましい。
NHKに入ってアナウンサーになったとき三條アナは、まさかこんなことを言うとは思ってなかったのではないだろうか。
有働由美子先輩、高瀬先輩と、NHKアナウンサーは朝ドラ受けや送りが巧いことできるようになってナンボ、と登竜門になる日も近い(か?)。

カブトムシとお爺ちゃん


ブッチャーとその父母、菜生とその父母などなど、フクロウ商店街の人はお通夜に参列しないのか? キミカ先生はどうした? 農協の西村は? 俳優のスケジュール事情で仕方なしか。ちなみに、西村役の酒向芳は映画「検察側の罪人」で大活躍しているという噂(わたしは未見だが予告編では確かにインパクトあり見るのが楽しみだ)。

いる人たちだけで仙吉のお通夜がしめやかに行われるなか、カンちゃんが行方不明とひと騒動。

仙吉の眠る布団のなかに潜り込んでいた。
ゴーンと鐘の音と「ふぎょぎょ」と律の驚いた声で、お通夜が志村けんのコント番組みたいな感じになって、オープニングへ。

カンちゃんは仙吉がもう起きてはこない事実がわからない。
以前カブトムシが死んだことと同じだと言い聞かせる鈴愛を見て、晴(松雪泰子)はカブトムシと同列に語るとは・・・と顔をしかめる。

お通夜は続き、健人(小関裕太)が大泣き、宇太郎(滝藤賢一)は泣けなくなって苦笑い。
カンちゃんが「健人、仕方ないぞ。
カブトムシも死ぬからな」と慰めると、仙吉が笑ったかのように見える。

劇伴は「Rain Drops」(サントラ1に収録)で、その晩は雨、庭にはカエルが二匹に増えていた。

カンちゃん役山崎莉里那がすごい


お通夜はあえて故人のおもしろおかしい話で盛り上がったりすることはままある。

「死ぬのは怖くない」と鈴愛はカンちゃんに言う。
死は人間であろうと虫であろうと等しく訪れる。「半分、青い。」の死生観は少し乾いている。
と同時に「死んでも人の思いは残る」と救いも残してある。


ヒトは死ぬものと学んだカンちゃんだったが、センシティブになって、ぐずりだす。
山崎莉里那がすごい。
「あっという間に来てといったらあっという間に来て」と弱ってわがままを言うところと、それまでの元気っ子との雰囲気がぜんぜん違うのは、髪型(ふだんはふたつに結んでいるのが、おろして)のせいだけではあるまい。
肩を落として所在なさげに歩く背中の風情など名優の片鱗すら感じさせる(ちょっと大げさ)。
寝ながら、鈴愛と話すところもまた違った表情を見せる。
自分のもつ“子ども”らしさ、愛らしさを最大の武器として勝負するのではなく、いろんなタイプの子どもを求められるまま瞬間瞬間切り替えていく能力の高さは注目に値する。
調整能力が高そうな点において、女・えなりかずきとでも呼びたいくらいだ。

二号店、間もなく完成


律に連れられて和子が線香を上げにくる。心臓病の設定なので、はあはあ息がつらそう。
その頃、鈴愛たちは新店舗を見に行っていた。来月には出来上がると聞いて、「私も誰かとなにか始めてみたい」とうらやましそうな和子。

さて、二号店開店にあたって、店の名前を決めないといけない。

カンちゃんは、仙吉から二号店の名前を聞いていたが、内緒と約束したとかたくなに答えない。
鈴愛は律から聞き出してもらおうとする。
(木俣冬)