TBSの火曜ドラマ『きみが心に棲みついた』が本日10時よりスタートする(初回は15分拡大)。吉岡里帆の連ドラ初主演作だ。
1年前は『カルテット』で脇役だった吉岡が、主役となって同枠に帰ってきたことになる。

吉岡が演じるのは自己評価が異様に低く、他人の前で挙動不審になってしまうため、「キョドコ」というあだ名がつけられた主人公・小川今日子。彼女が、桐谷健太演じる誠実な熱い男・吉崎と、向井理演じるサディスティックな元カレ・星名の間で揺れ動く三角関係を描く。

予告では「私、生まれ変わります!」「私、変わりたいんです!」と前向きに宣言する吉岡の姿が強調されており、明るいラブコメ風のドラマという印象を受けるが、実際はそうはなっていないと予想する。軽い気持ちで見ると大ヤケドしそうなので要注意だ。
衝撃!吉岡里帆強制ストリップ「きみが心に棲みついた」は火曜10時を揺さぶるのか。本日スタート
天堂きりん『きみが心に棲みついた』1巻/講談社

「サイコホラー系」「絶対嫌な気分になります」


原作は女性向けコミック誌『Feel Young』で連載中の天堂きりん『きみが心に棲みついた』『きみが心に棲みついたS』。
脚本は同じく火曜ドラマの『ダメな私に恋してください』『あなたのことはそれほど』を担当した吉澤智子。同枠への登板は今回が3回めとなる。火曜ドラマのクイーンの座を進呈したい。

天堂きりんの原作はポップで可愛らしい絵柄だが、内容はドロッドロ。アマゾンレビューには「サイコホラー系の漫画」「深刻な内容」「絶対嫌な気分になります」「イライラしっぱなし」という評価が並ぶ(けなしているのではなく、高評価)。

ドラマの第1話では、学生時代の今日子が「だったら見せてよ、キョドコの本気」と星名に言われて、男たちの前でストリップを披露する衝撃のシーンがある。
吉岡が体当たりで演じており、記者会見では吉岡、桐谷、向井の3人が揃って「印象に残ったシーン」として挙げていた。

しかし、星名がやらせていることは“ドS”とか“意地悪な元カレ”のレベルをはるかに超えている。女性の自尊心を完全に破壊する犯罪的な行為だ。それでも、そんな男に依存してしまうのが今回の主人公なのである。ちなみに原作ではストリップではなく、星名に言われるがまま他の男に抱かれている。どっちも酷い。


記者会見で「日本中のみなさんの心を揺さぶっていきたいと思います!」と言い切った吉岡だが、キョドコの行動に対しては「イライラする」「応援したい」「自分と同じだ」「こんな女ありえない」と賛否両論が渦巻くことになるだろう。

ある意味、問題作の原作をどう料理するのか? 吉岡が言うとおり、日本中の人々の心を揺さぶっていけるのか? 注目の第1話は今夜10時から。
(大山くまお)