即興のラップバトル番組『フリースタイルダンジョン』、ついに4thシーズンのスタートだ。

チャレンジャーが5人のモンスターを倒せば賞金100万円獲得の即興のラップバトル番組。

即興で、韻を踏みながら、言葉とリズムを相手にぶつける8小節3ターンの勝負だ。
3本勝負、2本先取で勝利。
ただし、判定が全員一致するとクリティカルとなり即勝利確定である。

4thシーズンから、ラスボス般若を除いたモンスターが総入れ替え。
その初回だ。
「フリースタイルダンジョン」新章突入、呂布カルマ「いらない所でフリースタイル垂れ流してるヤツ大嫌い」
フリースタイルイラスト/小西りえこ

ルールが変わった。

まずチーム戦ではなく、シングルマッチに戻った。
1対1のタイマン勝負だ。これは嬉しい。
そして、追加されたルール。
対戦相手へのボディタッチは1点減点。
これは、前シーズンの晋平太とT-PABLOW戦で盛り上がりすぎてボディタッチがあったからだろう。


DJも新たなメンバーに。
ヒップホップユニットSOUL SCREAMのメンバーDJ CELORY

第1試合のチャレンジャーは、G-HOPE
ネットの掲示板で8小節の文章で戦うネットライムでMCバトルをはじめた17歳。

対するモンスターは、裂固
第9回高校生RPA選手権、決勝戦でLick-Gを倒し優勝した20歳。

「韻はタイトに踏みたい。韻と韻と韻で文章ができる」と語る。

このふたり、2016年バトルイベントROARで、1回戦第1試合で対決している。
このときは、再延長のすえG-HOPEが勝利した。

裂固のディスがガッチリ韻を踏み冴えわたる。
「お前みてぇな棒立ちのヤツは用なし」
「性能が低下 ていうかコイツ元々低能じゃねぇか」
ニヤリと笑い言い放つ。


G-HOPEもタイトに韻を踏み、アンサーを返す。
「舵をコントロールしに来た本物の男がどん底からど根性見せに来た」
が、内容的に押されぎみ。
裂固のモンスターになった自信と責任感からくる余裕がまさった。
「俺の方がカッコイイ 作り出すハーモニー」

裂固、ROUND2で
「お前 相変わらず安い韻ばっかだな 俺が踏んでる韻 見習え お前は屍」
とかまし、さらに、
「お前の安い韻には哲学が欠落してんだよ」
とディスる。
G-HOPEがアンサーする。
「「哲学が欠落してる」とか言っちゃってるけどさ 俺に負けて切なく結末になるのはどっちかな」

裂固の勝利。


第2戦のチャレンジャーは、FRANKEN
築地市場で働く34歳。

対するモンスターは、呂布カルマ
フリースタイルダンジョン3rd SeasonのRec5-7でR-指定と神バトルを繰り広げた男だ。( 神回「フリースタイルダンジョン」呂布カルマ×R−指定、審査員驚愕、会場騒然、壮絶な幕切れ
煽りVで、
「いま流行ってる韻の踏み方、踏むぞ踏むぞってケツでポンポン踏むとか芸能人の名前で踏むとかクソダサイ」
と、安い韻は踏まないと語る。

めちゃくちゃ早口でまくしたてる先攻のFRANKENに対して、呂布カルマ、最初のひとこと。

「FRANKEN、クソつまんねぇ」
独自のテンポもあって、ドストレートなフレーズがぐっと強く響く。
「お前が24時間かけてやるフリースタイル 俺たった一小節に凝縮」
FRANKENは、自分のスタイルを曲げない。
早口を叩き込む。
呂布カルマは、ぐっと溜めを入れながらゆっくり言葉を放つ。
「お前 韻さえも疎かで音もとれてない ただの早口」
ふたりの対照的なテンポ。
「俺いらない所でフリースタイル垂れ流してるヤツ大嫌いなんだよね」
呂布カルマの本当に思ってることをストレートかつタイトに言葉にするスタイルが、エグい。
「お前 築地と一緒にどっか移転しちまってくれよ。痛てぇラップ いつまでも続けてんじゃねぇよ」
移転と痛てぇ。一緒、移転、痛てぇ、いつまでも、と頭を「い」で揃える。
無理のない韻がリズムを生む。

宣言通り安い韻は踏まず。
呂布カルマ、クリティカルで勝利。

いよいよはじまった4th Season。新モンスターも強者揃いで楽しみだ。(テキスト/米光一成 イラスト/小西りえこ