ピンク色も発表され、カラーバリエーションがだんだんと増えてくるであろうニンテンドー3DSLL(以下3DSLL)。今までのニンテンドー3DS(以下3DS)と比べて画面が大きくなっただけじゃないの? と思う方も多いと思います。
でも実は、色々なところがパワーアップしているのですよ!

というわけで、3DSLLは3DSと比べていったいどう違うのか? というところを解説していきましょう。

■画面は1.9倍に!

最大の売りはやっぱりこれですね。箱にも「ニンテンドー3DSより約1.9倍大きな画面になりました」と書いてあります。やっぱり大きくて気持ちいいです。

エキレビでは多根さんもこちらの記事で「今までの3DSはHD画質を古ぼけたブラウン管で見ていたとすれば、3DSLLはハイビジョンぐらいの違いを感じる」と書いていますが、まさにそんな感じです。大きいことはいいことだったのですね。


■改良されたボタン類

3DSで最大の不満点と言えば「押し易すぎる電源ボタン」と「押し難すぎるHOME、START、SELECTボタン」でしょう。

3DSではゲームを中断して別のゲームに移る時には「HOMEボタン」を押します。このときにゲームはあくまで「中断」なので、そのままHOMEボタンをもう一度押すとゲームを再開できるようになっています。なので、ゲームに夢中になっているあまりHOMEボタンを押してしまったとしても安心なのですね。

電源ボタンは押すとスリープに移行します。ゲームとかを起動していない状態でスリープになるため、省電力状態のまま「すれちがい通信」や「いつの間に通信」を楽しむことができます。


ここで何が問題になるかというと、電源ボタンを押すと一切の確認が無く、ゲームがそのまま終了してしまうのですね。しかも、今までのDSシリーズではスタートボタンやセレクトボタンのあったところに電源ボタンがあるので、ゲームを中断のつもりで無意識に電源ボタンを押してしまい、今までのゲームの進行がパーになるということが続発したのです。

さらに、HOMEボタンやSTARTボタンが全てボタンっぽくない形状で押し難いのに対し、電源ボタンが本体部分から出っ張っていてかなり押し易いものになっているのも問題でした。3DS最大の不満点と言ってもいいんじゃないでしょうか。

そのボタン類が、3DSLLでは改良されているのです!

SELECT、HOME、STARTボタンは独立したきちんとしたボタンになってどこを押せばいいのかわかりやすくなりました。さらに、電源ボタンは本体と同じような高さになったので、ちょっと触れただけでは押せないようになっています。
これはすばらしい!

過去にゲーム中断/終了問題で苦しんだ人は、これだけでも買う価値があるんじゃないかというぐらい大きな改良点と言えるでしょう。

■3D液晶まわりのパワーアップ

3D液晶(上側)でパワーアップしたのは画面が大きくなっただけではありません。まず、3Dスライドスイッチが改良されています。

3DSは液晶の横についているスライドスイッチを使って3Dの強度を変えたりオフにしたりするのですが、目が疲れたときには3Dをオフにして遊ぶ人も多いでしょう。ところが3DSではこのスイッチがうまく固定できずに自由度が高かったため、例えばオフにして鞄にしまい、また鞄から取り出すといつのまにか3Dがオンになっているということが起きたりしていました。

ところが、3DSLLでは3Dのオフのところでカチッと固定できるようになっているのです。
ノン3D派には非常にうれしい改良点ですね。

あとは、3D液晶の角度の固定が一段階増えています。今までは最大に開いたときと、そこから少し起こしたときだけカチッと固定できるようになっていたのが、もう少し画面を起こしたときにも固定できるようになっています。これがちょうど、机の上に3DSLLを置いたときに見やすい大きさになっているのですね。おそらく鬼トレなどのゲームを固定して遊ぶときに見やすい角度で固定できるようになったということだと思われます。

さらに、3DSでは本体を閉じると、タッチ液晶のフレーム部分が3D液晶の枠の中に当たり、保護シートに線が入るという状態になっていたりしました。
ひょっとしたらこれは保護シートの厚みのせいで起きる現象で、保護シートが無いと微妙に当たらないのかもしれませんが、やっぱり液晶が傷つくんじゃないかと思うと少し不安になるのも確かです。

3DSLLでは3D液晶上部にゴム足がつくことによって、液晶にフレームが直接当たらないようになりました。目立たないけど、これも大きな改良点でしょう。これで安心して本体を閉じて持ち歩けます。

■タッチペンの収納場所が横に!

3DSで不評だったのが、タッチペンが本体の後ろ側に収納されていたところですね。ゲームを遊んでいて、急にタッチパネルが必要になったときには取り出しにくい位置だったのでした。


これが3DSLLではDSやDSiなどと同じように、本体の右側に収納されております。しかも、伸縮式じゃないタッチペンが入っているので、とっさに必要になったときもストレス無く取り出して使うことができるようになっています。

なお、本体右側に隙間を作るためか、SDメモリの収納場所が本体左から本体右になっています。さらに付属しているSDメモリは従来の2GBメモリから4GBのSDHC形式となって、さりげなくパワーアップしています。高速なSDメモリを使うとモンスターハンターのようなセーブ時間が長いゲームでは大きな差が出てきますので密かにうれしいポイントと言えるでしょう。

■電池は持つの?!

本体が大きくなったことで、多くの人が気にしている点は「電池が持つのか?!」ということではないでしょうか。3DSはお世辞にも電池が長持ちするとは言えず、スマートに充電できるよう本体にクレードルが同梱されていたぐらいです。

3DSLLは本体が大きくなった分、電池も大きくなったせいか、結構電池が長持ちする印象です。まだ買ったばかりで、電池を使い切るまで遊んでいないのですが、少なくとも3DSではそろそろ電池のライトが赤くなる(残量が少ないサイン)なーというところでも赤くなっていなかったので、3DSよりも少し長持ちという感じです。

■不満点はあるのか

改良されている点ばかりをアピールしてきましたが、不満点も無いわけじゃありません。まあ、重い……のは仕方が無いとして。個人的にここはもうちょっと何とかならなかったかな? と思うのがボリューム調整ボタンです。

従来の3DSのボリュームつまみよりも、3DSLLのボリュームつまみは大きく、触りやすくなっています。そのため、遊んでいると不意に触ってしまいボリュームが変わってしまうということが結構起きていたりします。

特に、仰向けに寝っ転がって遊んでいるときには、本体を顔の上に落とすと大惨事ですからちょっと本体を強く挟むような形で持ちます。そうすると、手のひらでボリューム調整つまみを押しちゃうことが多いのですね。ここはもうちょっと固く、抵抗があるようにしてくれたらいいなーと思う点でした。

あと、イヤホンジャックが真ん中から左下に移動したので、ちょっと左手に当たる時があるのがマイナスです。真ん中のままで良かったのに……


■買った方がいいの?

さて、買った方がいいか、買わない方がいいか。これはもう、圧倒的に「買い」です。重さに抵抗がある人でない限りは、3DSLLの方が完成度が高いため、買った時の満足度が大きいでしょう。特に本文でも書いたとおり、画面の大きさよりも3DSで不満だったボタン周りのほとんどの部分が改良されている点が大きいです。ストレスの軽減の効果はめちゃめちゃ大きいです。

反面、やっぱり大きいし、重いです。3DSもDSiと比べて重かったのですが、それに輪をかけて重くなったという感じです。なので、重いものはどうしても嫌だという人には向いていないでしょう。

でも、重くなった部分を補ってあまりあるパワーアップだと思います。実際、周囲の友人でも触ってみてから「これは画面が大きくなっただけではない。大きくパワーアップしている!」と言う人がほとんどです。3DSのボタン類にちょっと不満を持っている人は、是非一度触ってみてください。きっと欲しくなるでしょう。
(杉村 啓)