小さいイソギンチャクみたいなものが2つ、1mmほどの細いプラスチックの紐でつながっている。イソギンチャク部分が花粉をブロック、鼻水が垂れるのを防いでくれるらしい。
マジか。
花粉情報サイトによると、スギは5月前半、ヒノキは5月末頃まで、もうしばらく飛び続けるらしい。やだなー。いくら高性能でも、温かい時期のマスクは煩わしいんだよな。ならば鼻の穴を塞いでしまえ!ということで、鼻栓「ピット・ストッパー」
鼻の穴に注目した花粉対策グッズと言えば、穴の内側に塗るジェルも試したけど、単品ではほとんど効果がなくて、鼻をかんだら台無しだった。
鼻栓と言っても、シンクロ用の、鼻を完全に塞ぐものとは違う。鼻の穴に入れるフィルターという感じで、1日使い捨て。
装着前にちょっと水に浸して、ズボッと突っ込む。「ズボッ」とか書いてみたけど、異物感はそんなにない。すぐ慣れる。見た目も、全然目立たない。
顔を数十センチまで近づけると、鼻の下に何かあるなーってくらいで、鼻の穴を真下から覗きこまなければ見えない。逆に、覗きこむと妙な色の物体が見えてギョッとする。ここは本体部分を黒くするとか、もう少しどうにかして欲しかった。とはいえ、見た目の問題はほぼクリア。
マスクから開放されて、いざお出かけ……!というのは怖かったので、まずはオフィスでデスクワーク中に使ってみた。対花粉性能はOK、顔が鼻息で熱くならないし、かなり快適!だったんだけど、鼻息の音がデカくなる。
ずっと寝息を立ててるみたいで、静かなところでは気になるかも。
装着したまま飲食できるのはありがたい。何か飲む度に、マスクをずらす動作から解放される。でも、食事してるとだんだん下がってくるから、そのときは落ち着いて、鼻の穴に指を突っ込まず、紐部分を押して戻そう。意外とちゃんと戻る。
室内では概ね良い感じだったので、外出してみた。
オフィスでは気にならなかったけど、階段などで息が乱れると、結構苦しい。それ以外は問題ない、十分マスクの代わりになる。
値段はどうか。14個入りのお徳用でも、1つあたり100円ほど。洗って何度か使えないか?と思いきや、1日使い終えたものを見て、使い捨てたほうが衛生的だと判断した。マスクと両方用意しておいて、その日のシチュエーションで選ぶのがベターか……。

後日、洗って繰り返し使えるタイプも発見した。「鼻挿入型マスク ノスク」だ。「ピット・ストッパー」が米国・韓国で特許取得済みなのに対し、「ノスク」は「国際連合採用品」と銘打つ。国連に、鼻栓を採用するかどうかを決定する部署があるなんて……!
基本的な構造はピット・ストッパーと同じ。フィルター部分がペラペラ(それでも3重フィルター)なのと、紐部分がしっかりとしたビニール製で2mmほどあるのが大きな違い。装着してみると、ピット・ストッパーより呼吸も楽だし、異物感はさらに控えめだけど、紐部分がかなり目立つ。
しかも「あくまでも簡易用」とあって、マスクの代替品とまではいかない。マスクだけじゃどうしょうもない時に併用するか、逆に花粉が少なくて、人と接近しないときはこっちでいいという感じ。
今後も、花粉対策グッズとしての鼻栓業界を見守り、面白そう……快適そうなものがあればズボズボ行こうと思う。
(芹沢たすく)