10月24日発売の「an・an」が、またやってくれました。
表紙は「美乳は、大きさではなく高さでした!」で、まあこれはこれでぼくも死ぬほど興味ありますが、今回はそこではなく。
いいよね美乳。
問題は第二特集ですよ。
「働く女子のガンダム 恋する女子のマクロス」
これを見たエキレビの編集(マガジンハウス出身)はこう言っていました。
「わたしがいたころは「アンアン」にはアニメもマンガも存在しないことになってたのに……」
でしょうね。ぼくもびっくりです。セックス特集じゃなくてガンダムなんだ。
ほえー。
 
で、本文を見て目に入った文字がこれ。
『あなたの会社の”シャアな男”にご用心。』
なん……だと……?
謝れ! シャアに謝れ!!(シャアが憧れだった系男子
なんて記事を書くんだプンスカ!と思っていたのですが、とりあえず読まないことにはね、と思って読みました。
そうしたら、なるほど納得。
この記事が載っているのは女性誌『an・an』ですが、これ、男が読んだ方がいいんじゃないの?
特にガンダム特集。
ガンダムと言ってもファーストガンダムがメイン。あとちょっとだけZくらい。最近のはないです。
ガンダムの世界に出てくる登場人物は、非常に人間味あふれるキャラクター揃い。
それを、会社という組織に当てはめた場合、どのような立ち位置になるか、どう接すればいいかをシミュレーションしているんです。
つまり、男性諸氏は女性に、そうシミュレーションされていると思いながら読むと、これがもう面白い。

 
「働く女子のガンダム」というページでは、会社組織で働く時の人間関係で、どう立ち回ればいいのかをガンダムキャラを例にあげて詳しく解説しています。
先に言っておくと、ほぼ全キャラの悪いところを先にあげているんですよ。
でもこれ、最初「えっ」って思ったんですが、違うのね。
人間、悪いところもいいところもある。なら先に悪いところを見ておいて、うまく接していけば、よりうまくやっていけるじゃないか、ってことなんですよ。
確かにこれを実在の人物でやるのは難しいですが、アニメキャラなら「そういう面もあるかもねー」と笑って済みますもんね。
うまいなあ。だから決してけなしているわけじゃないんですよ。
そもそも、この記事読む人ガンダム知っていて好きなわけですし。
 
例えば、職場のシャレが通じない人、カタブツゾーンは、アムロ、ブライトさん、ガルマ・ザビ。あーそうね、そうだね。
アムロは「天才肌だけど他人に興味がなく、自己顕示欲や出世欲もほとんどない。
典型的なオタク系技術者タイプ」
と解説されています。
いやはや、うまいこと悪い言い方で置き換えてますね。否定はできない。確かにナ。
じゃあどう接すればいいのか?
「自己アピールが苦手なので世話好きタイプと組ませると○。」
この「○」がなんだか女性誌っぽいですね。でも納得しちゃうなこれ。
うん、確かにアムロは大好きだけど、彼が部下ならば、そうするだろうなあ。フラウと一緒に働かせるとか。
一方ブライトさんは「責任感は強いが生真面目で融通が利かないタイプ。放おっておくとあれもこれも一人で抱え込んでしまう。」だってさ。
わかる! ブライトさんいい人すぎるもん! 
サービス残業とか超しそうだよ!
しかし「良い人」を言い換えると、こんな言い方になるんですね。驚きだわ。
「上司がこのタイプだと、彼がテンパった時に多少理不尽なことを言われがちだけど、へたに口答えせずに受け流したほうが賢明。その分貴重な経験を積ませてくれる。」
あ。褒めてる。
人間関係を、まず悪い側面、難しい側面から見て、どう接するかを学んでいけば、いいところがこうやって出てくるのをうまいこと説明しています。
その他にも「部下思いだが仕事が古い人」ランバ・ラル、「ゴマすり上手だけどツメが甘い人」マ・クベ、「すぐ開き直る手抜き上手な人」カイ・シデンと、いやはや心くすぐってきます。
こんな感じで終始切り口は辛口なんですが、それらの人とうまくやっていく方法、絆を作っていく方法が解説されていてなかなかユニーク。
こんな風にガンダム見たことなかったなー。
男性ならば「自分はどのタイプだろう?」と考えながら読むと、面白いですよ。
 
そして、『an・an』らしく「モテ」も特集されていますが、そのモテ特集のヒロインになっているのが、セイラさんでもフラウ・ボゥでもなく、なんとミライ・ヤシマ
えーっ!?
と思ったら、杉江さんが「ミライさんは当時から魔性の女扱いでしたよー。「点眼のくせに!」と思ってました、私は」と言ってました。そっかー、魔性の女だったのか……。
確かに子供の頃って、セイラさんみたいな高嶺の花美人キャラや、かわいらしいフラウや、かっこいいマチルダさんが眼について、ぐっとひかれるものです。
けれども、大人になった今ならわかる。
ミライさんは、いいオンナ。
「ミライは上品だけど適度な野暮ったさがあって、僕がアタックしても大丈夫そうな、ちょうどいい位置にいる。生まれ持った本来の素質、”静のモテ”といえるでしょう」
わー。わかる、わかるよ。
それでいてオンナを見せられるとグラっとくるもんね。
これも職場として見た場合、一般職派遣社員なフラウ・ボゥ、キャリアウーマンセイラ・マス、女性管理職マチルダ・アジャンと、なるほどぴったり。
 
さて問題の「あなたの会社の”シャアな男”にご用心」の記事。
最初はそのタイトルにモヤ!っときたんですが、ここまで読んできてわかりましたよ。
シャアって、若者にとってのかっこいい男なんです。
野心家で、強くしたたかに生きていて、才能もある。かっこいいですよ。かっこいいんですよ!
でも、30代になってみてどうだろう。
「若いうちは仕事ができる男=いい男だと思いがちですが、仕事ができるカリスマ系男は”仕事しかできない男”であることのほうが多い。現実ではそこを冷静に見極めたいもの」
なんか、シャア大好きっ子としては、ストンと受け入れるのには抵抗があるんですが、でも……そうだよなー!
そうなんですよなー。「幸せは仕事ができることだけじゃない」んだよなあ。
でもぼくはシャア好きだよ! だけど、「じゃあシャアみたいな生活したいですか?」と言われると、うーんとなってしまう。
痛いところついてきますね。
 
一方、「恋する女子のマクロス」では、初代マクロスと、マクロスFの二作品から、三角関係の在り方と、「男性・女性の理想の女の子像」が解説されています。
初代なら、一条輝を中心に、リン・ミンメイと早瀬未沙。
ぼくは断然リン・ミンメイ派です。私の彼はパイロット。
マクロスFでは早乙女アルトを中心に、シェリル・ノームとランカ・リー。
僕は断然ランカ・リー派です。
ご存知、ないのですか!? 彼女こそ、代役からチャンスを掴み、スターの座を駆け上がっている、超時空シンデレラ、ランカちゃんです!
ランカちゃんです!

このへん、「どっちが好き?」という会話が一番楽しいんですよ、男も女も。
でもただ「アニメキャラとしてどっちが好き?」と「生まれ変わるなら」「自分に似ているのは」、「恋人にするなら」「結婚するなら」で現実味ががらりと変わります。
真剣に考えてみてください。
リアルにつきあうとして、恋人にするならリン・ミンメイと未沙どっちがいい?
女性が恋愛の際、自分に似ているのはシェリルとランカ、どっち?
このへんの統計がすごい興味深く「あーそうか、わからんでもないなー」と思わせてくれます。
例をあげてみると、男性に聞いた「恋人にするならどっち?」では、シェリルが54%、ランカが46%だそうです。
好きなのは男性だと、ランカ50%のシェリル50%。女性だと、ランカ42%のシェリル58%!
美人と清純派の二極化、面白いですね。女性はどちらを目指しているのか、男性はどちらが好みなのかちょっと浮かび上がってきます。
 
というわけで、ガンダム(特に初代)とマクロス好きな人は、男女ともにオススメな『an・an』。
納得できるできないはあると思いますが、なんといってもこれをネタに話をするのがめちゃくちゃ楽しいです。
友人と話していて出てきたのは「あなたの会社の"カテジナな女"にご用心」でした。
こわいね。

(たまごまご)