菅官房長官が“裏取引”で露骨なメディア封じ? 政権と結託する記者クラブは自殺行為に等しい!

「大手マスコミと権力側のもたれあいの構図が日本の政治を劣化させている大きな原因のひとつ」と批判する古賀茂明氏
最近、めっきりニュースにならなくなった菅官房長官の会見シーン。

これに関し、『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏は、菅長官と記者クラブが「裏取引」をしていると批判する。

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『週刊プレイボーイ』41号で、ジリ貧続きの民進党に残された道はもはや解党しかないと書いた。だが、もうひとつ解体すべきものがある。それは「記者クラブ」だ。

記者会見の席上で、東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者が菅義偉官房長官とバトルを繰り広げていることをご存じの読者は多いはずだ。

望月記者は「政権に都合の悪い質問はなるべくしない」という記者クラブの悪(あ)しき慣習に抗い、森友・加計学園スキャンダルなどについて厳しい質問を連発。政府の姿勢を粘り強く問いただしてきた。



そして、この質問攻勢を封じるため、内閣官房は東京新聞に異例のクレーム文を送りつけるなどの圧力を加えてきた。しかし、望月記者はそれでも追及の手を緩めようとはしない。

そこで内閣官房は、菅官房長官の公務が多忙という理由で、記者クラブ(内閣記者会)に時間短縮を要請。9月12日以降の会見からは広報官が「質問は1問で」と発言するなど、露骨な質問封じを講じるようになったのだ。

これによって、菅官房長官の会見シーンはめっきりニュースにならなくなった。掘り下げた質問もできず、長官コメントを垂れ流すだけの空疎な会見ではニュースバリューに欠け、報道されなくなってしまったのだ。



見逃せないのは長官会見を主催する記者クラブの対応だ。これまで長官会見は記者が挙手しているかぎり、続行というのが長年の慣例となっていた。その慣例が一方的に覆されたのだから、記者クラブとしては抗議するのが当然だ。

ところが、そうしない。それどころか、幹事社の記者が自ら広報官と一緒になり、追及を続けようとする記者に「もう、よろしいでしょうか」と質問を遮(さえぎ)ってしまうのである。



ある記者から聞いた話だが、記者クラブ内にある世間の注目を浴びている望月記者に対する嫉妬がものすごいのだという。

また、菅長官は一時中断していたオフレコ取材を“記者クラブの記者限定”で無制限に受ける代わりに、会見での質問時間を制限するという「裏取引」を持ちかけ、記者クラブはそれに簡単に応じてしまったとのこと。

政治部記者にとって、オフレコ取材は公的な会見以上に重要な情報収集の場で、会見では聞けなかった政治家の生の声や本音を聞き出すことができる。そのエサに釣られた記者たちが内閣官房と結託して、“目障りな”記者の発言機会を奪おうとしているのだ。

だが、この行為はメディアにとって自殺行為に等しい。国民の「知る権利」に応える使命を自ら放棄しているからだ。それではメディアは存在する意味も価値もなくなってしまう。

記者クラブに加盟できるのは大手マスコミだけである。そのため、大手マスコミの記者は大した取材努力をしなくても、記者クラブにふんぞり返っているだけで政権側から情報をもらえる。だから、ネタの取りこぼしもなく、高い給与を保証してくれる会社に安寧としていられる。

その見返りとして、記者クラブは権力側が困らない範囲でしか質問しない――そんなもたれ合いの構図が見える。日本の政治を劣化させている大きな原因のひとつだ。

断言しよう。こんな記者クラブなんて、もういらない。即刻、廃止すべきだ。

●古賀茂明(こが・しげあき)









1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して11年に退官。新著は『日本中枢の狂謀』(講談社)。ウェブサイト『Synapse』にて動画「古賀茂明の時事・政策リテラシー向上ゼミ」を配信中

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