星間氷を模した氷は、–220~–120℃で液体のようにふるまう - 北大

北海道大学(北大)は10月2日、星が生まれるガス雲中の星間氷を模した氷が–220~–120℃で液体のようにふるまうことを発見したと発表した。

同成果は、北海道大学大学院理学研究院 橘省吾准教授らの研究グループによるもので、9月29日付の米国科学誌「Science Advances」に掲載された。

星間氷は、その表面で多様な分子が生成されていることや、紫外線の照射によって氷内の分子の結合が切られ、それらの分子を材料に複雑な有機物がつくられることが知られており、これらの複雑な有機物が、彗星や地球外物質中に発見される高分子有機物の起源と考えられている。しかし、星間氷そのものの性質についてはよくわかっていないことが多い。

今回、同研究グループは、-263~-258℃まで冷やした基板の上に水、メタノール、アンモニアの混合ガスを吹きつけ、紫外線を照射することで模擬星間氷を作成。温度を上げながら氷の状態を顕微鏡観察し、昇華してくるガスを四重極型質量分析計で分析した。



この結果、-210~-120℃で、沸騰する水のように氷が発泡する現象が見られた。発泡時に放出されるガスは水素分子であることがわかっている。これは氷への紫外線照射によって、メタノールやアンモニアの分子が壊れ、氷中に蓄えられた水素からつくられた分子であると考えられるという。この発泡現象は、氷が液体状になっていることを示すものとなる。

また、同研究グループは、純粋な水からなる氷も紫外線照射により-220~-130℃で液体状になることも発見。紫外線照射で現れる液体的なふるまいが、水氷に特徴的な現象であることが明らかになった。

液体は化学反応を促進するため、星間氷の液体的なふるまいは、生命材料有機物にも関連する
複雑有機物の形成を手助けしている可能性があるという。また、液体状の氷の存在は塵の効率的な付着を助ける可能性もあることから、同研究グループは、惑星形成の第一歩である塵の集積過程の理解にもつながると説明している。

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