月~金曜の午前10時~11時台の民放各局の“情報番組戦争”は熾烈を極めるばかりだが、今秋の改編で、てこ入れを図った日本テレビテレビ朝日は、共に厳しいスタートとなった。

 この時間帯で、視聴率トップを走るのは、ホンジャマカ恵俊彰が司会を務めるTBS系『ひるおび!』で、バナナマン設楽統がメインキャスターのフジテレビ系『ノンストップ!』がそれを追走。

この2強を、テレビ朝日系『ワイド!スクランブル』第1部、日本テレビ系『PON!』が追っている状況だった。

 視聴率3冠王を誇る“王者”日テレは、同時間帯が弱く、ビビる大木と、ますだおかだ岡田圭右が司会を務めていた『PON!』を視聴率低迷のため、9月いっぱいで打ち切り。10月から、新たな情報番組『バゲット』をスタートさせた。

 同番組の司会を務めるのは、青木源太アナと、“ポスト”水卜麻美の呼び声も高い尾崎里紗アナ。ゲストでタレントが登場することもあるが、基本的に出演者は局アナのみ。バラエティー色が強かった『PON!』とは打って変わって、生活情報がメインとなっている。


 内容的には激変した印象となった『バゲット』。それでも視聴率が上がってくれれば問題はないのだが、10月第1週の週平均視聴率は2.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と低調。『PON!』の最終週の平均3.5%から、0.8ポイントもダウンしてしまった。本来、てこ入れのために新番組をスタートさせたはずだが、逆に散々な結果になってしまった。

 一方、『ワイド!スクランブル』は、4年半にわたってメインキャスターを務めてきた橋本大二郎氏が9月で降板し、系列のインターネット局AbemaTVから帰還した小松靖アナが後任となり、アシスタントから昇格した大下容子アナと新コンビを組んでいる。

 その10月第1週の平均視聴率(第1部)は4.6%で、9月最終週の4.8%から微減となり、“メンバーチェンジ”の効果はなかった。
しかし、小松アナ自体が地味な存在で、橋本氏の時代より、数字が下がるのも致し方なさそう。

「日テレも、テレ朝も“てこ入れ”をしたはずなんでしょうが、いずれもヤル気が見えません。タレントを切って、局アナ路線に転じた日テレは“経費削減”にはなったでしょうが、番組自体に華がなさすぎて、『バゲット』で視聴率上昇は難しいでしょう。テレ朝も、元NHKキャスターで、高知県知事も務めた著名人の橋本氏の後任が、地味な小松アナでは、そう簡単に数字が上がらないのはわかっていたはず。こちらも橋本氏に払っていたギャラ分が浮くメリットはあったでしょうが……。両局共、ことこの時間帯に関しては、『ひるおび!』には、とても勝てないため、『勝負を放棄した』と言われても否定できないでしょう」(テレビ誌関係者)

 どうにも、ヤル気が見えない日テレ『バゲット』と、テレ朝『ワイド!スクランブル』。
この2局が本腰を入れて、てこ入れを図らないかぎり、この時間帯は『ひるおび!』のさらなる独走を許すことになりそうだ。
(文=田中七男)