“平成の歌姫”として一世を風靡したアーティスト・浜崎あゆみ。しかしここ数年話題となるのは、激太りや歌唱力の低迷、過剰な画像修整疑惑に迷走する恋愛など、本業とはかけ離れたことばかり。

挙げ句には、ともに一時代を築いた安室奈美恵の引退表明を受けて「芸能界にしがみついている」とまで言われてしまうほど、今やすっかり“オワコン”扱いされている。

 しかしその一方で、それでもなお自分を貫くあゆの姿を、常日頃から熱心にチェックしているウォッチャーたちがいる。今回は、「私たちは、決してアンチではありません」と語るあゆウォッチャーを集め、彼女の魅力や面白さについて語っていただいた。

A……20代半ば女性。あゆの全盛期はあまりよく知らないが、ネット炎上を目にするうち、興味を持つように。「最初はちょっとアンチ目線だったが、一周回ってファンになった」とのこと。

B……30代前半女性。小学校高学年の頃にあゆがデビューし、青春の思い出は全て当時のヒット曲とリンクしている。しかし「全盛期より今の方があゆに夢中です」。
C……30代後半女性。今回のウォッチャー3人中で唯一のコアなファン。ブーム衰退とともに一度ファンを離れたが、5年ほど前から再びドハマり。
あゆの生き方についても考察を繰り広げる。

■あゆは致命傷を負ったディーバ

A 私は「rollin’」(2009年発売のオリジナルアルバム『NEXT LEVEL』の収録曲)のライブ映像をネットで見て、あゆに落ちた(笑)。ネットだと「ローリン音頭」って言われてるよね。楠田枝里子みたいな金髪のボブで、アンドロイドのような動きを見せるダンスが本当にツボ。あと、あゆ本人が「私は最先端のパフォーマンスをやっている」って表情をしているのも笑ったなぁ。ああいうあゆのダサさが、たまらなく好き。


B 出た、ローリン音頭(笑)。私的には、Perfumeときゃりーぱみゅぱみゅを、あゆなりに解釈したらああなったのかなって思ってる。ネットで有名な“糸巻きぐるぐるダンス”は、12年のツアーで披露した「Boys&Girls」(1999年発売のシングル)の曲終わりに、客席を煽ってる振りなのよ(笑)。それから、“宙吊りパフォーマンス”も「ボンレスハムみたい」って笑われてたなぁ。あゆって“ギャルの孤独”を歌うようなバラードのイメージが強かったのに、ここ10年で完全に迷走しちゃった。世間では「歌唱力で勝負できなくなった」って言われたり、「ボイトレしろ」とか叩かれたりもしているけど、あゆ自身はどう思ってんだろう。


C あゆはもう、歌うことに興味ないと思うよ。実は昨年、今やってる『Just the beginning -20- TOUR 2017』の第一章を見に行ったの。ライブだと歌よりショーの方に目がいくし、あんまり“歌を聞きに行った”という印象がなかった。そもそも音響も大きいから、テレビほど歌のヘタさが目立たないよね。でもやっぱり高音は出なくて、がなる感じで歌うからドスが利いちゃって、楽しい歌も怖く聞こえた(笑)。あゆは、今回のツアーの第二章で、会場をアリーナからホールに移したわけだけど、バンドを削ってダンサーを残したでしょ。
本人も「ショーを見せたい」って言い切っているし、歌で勝負する気はもうないんじゃないかなぁ。まあ、ショーっていっても、“イエスマンたちに囲まれたあゆが、楽しそうにしている様子”を見せられている感じなんだけどね。

A “おはま一座”だね(笑)。 ライブに行ったファンが「ダンサー邪魔」って嘆いているのをよく聞く。セクシーかつキュート、それでいて強い女性であることを誇示したいのか、パフォーマンスでも男性と絡みたがるよね。崇められたい欲求が強いのかも。


B でも、それがかえって笑いのネタになっているという。そうそう数カ月前に、山梨公演映像のネット流出騒動があったじゃん? その映像に映っていた、あゆがダンサーに手を引かれている姿が、ネット上で「介護」っていわれてた(笑)。ステージ演出もお粗末だなぁって思ったし、曲自体も高音が出ないから変な抑揚をつけて歌っててさ、なんともいえないシュールさだった。私、あの流出映像、100回は見たね!! 消されちゃったのが残念すぎる。

A ライブといえば、「衣装もダサい」って叩かれてる。全盛期のままで時代錯誤だって。それを「最高にオシャレ」と思って着ていそうなあたりが、あゆの面白いところなんだけど。

C 私が行ったライブのアンコールの衣装も、パフスリーブTシャツにミスカート&ニーハイだった……。しかもかなり太っていた時期だから、本当にキツかった(笑)。でも、あの体形で、堂々と露出度の高い衣装を着ちゃうあゆは、最高に素敵だと思う。

B あゆは体形の変化に屈せず、常に攻めた衣装を着ているよ。しかも、「アラフォーなのに年甲斐のない」といわれそうな衣装を着ることに、一切エクスキューズがない。思い切りの良さが最高。

C そうそう。逆にオシャレになっちゃったら、あゆの魅力半減だよね。この珍妙さがいい。「周りは『ダサい』と思っているのに、あゆには言えないんだな……」とか、妄想も広がる(笑)。

A よく指摘されてるけど、あゆは自意識が“ディーバ”なんだよ。やっていることブリトニー・スピアーズとか、マドンナの真似。でも、「歌唱力がそんなにない」というディーバとして致命的な欠点を負っているからこそ、これだけ面白い存在でいてくれるんだよね。

■あゆの画像修整は「エイベックスの忖度」説

B ただ、私は1つ解せないことがある。インスタグラムの本人画像をえげつないほど修整しているんだよね。映像と写真で、まるで別人なんだもん。普通タレントって、ネットで叩かれるから、別人レベルの修整ってしないのに、あゆは潔すぎる。頭身から違うからね。しかも、修整を指摘されても、藤原紀香みたいにこっそりすり替えたりしない。

C インスタの画像は修整しまくるのに、あゆはファンにライブ中の写真撮影をOKしてるから、修整なしの画像もいっぱいネットに散らばってるじゃん。それはいいの? 本当に意味がわからない。本人が望んでいるのか、エイベックスの意向なのか……。そもそも誰が画像修整しているのか。謎が深すぎて、考えるほど楽しくなる(笑)。

A ネット上では、自己顕示欲であゆ自身が修整しているってもっぱらのウワサだけど、エイベックスの可能性も高い。あゆがショックを受けないように気を使ってるのかな。でも、あゆ本人は、ファンに“ありのままの自分”を見せたいから、ライブの撮影を許しているとか?

C あり得るよね。太り始めた頃、雑誌のインタビューで「重力に逆らうためには、ワークアウトで筋肉をつけて、食べたいものを食べた方が、髪もつやつやになるし、肌にもいい」みたいなことを言ってて、食べなかった頃の自分を否定しているのよ。だから、あゆ自身は体形を気にしてないのかも。この間も、インスタにお菓子の大量買いをしているストーリーを載せていて、「痩せる気ねーだろっ」っていうツッコミ待ちなのかと思ったもん(笑)。

B だとしたらなおさら、なぜこんなに画像修整をするのかが謎。永遠の謎。でも、謎すぎるから味わい深い。

A あゆが某雑誌の表紙を飾ることになったとき、自ら印刷所まで行って、写真に修整指示を出したことがあるっていう話を聞いたことがある。あと、あゆがあまりに鬼のような修整指示を入れてくるから、デザイナーが混乱しちゃって「もう目の位置すらわかんない」と漏らしたとか……あゆにはいろんな都市伝説があるよね。10年後くらいに、あゆに仕える“修整職人”が暴露本とか出してくれないかな。

■L.A.住まいの頃が、あゆのイケイケ全盛期

B あゆのインスタって、写真に“一行ポエム”を添えるよね。「泣かない夜を過ごせたかな。しい日を送ってね。」とか「人を求め、人を憎み、人を信じた傷と一緒に生きていく。」とか。あゆの全盛期にはやった、女子高生が自分の不幸な生い立ちとかを綴る“ケータイ小説”を彷彿とさせる雰囲気がある(笑)。ケータイ小説は廃れたのに、あゆの中ではそのまま生きている感じ。「これはどこに響いているんだろう?」と感じさせる、自己満足的なメンタリティがたまらない。

C あの一行ポエム、曲の歌詞を一部抜粋してるパターンもあるのよ。まぁ、あゆは自分大好きだよね。あゆって自宅写真を公開してるんだけど、それを見ると、至るところに“A(あゆ)マーク”を飾ってるの。それこそイスの背面に「Aマーク」が入ってたり。そのセンスに「NO」と言える人が周りにいないんだろうけど、発想がディーバだよね。もっとやってほしい。あ……余談だけど、私、とある不動産会社のサイトに、あゆが以前住んでいた家の間取り図が載っているのを見つけて、プリントアウトしたものを今も持ってるの。その間取り図と、あゆの自宅の風景写真を照らし合わせて、「どんなふうに暮らしていたんだろう?」って想像するのが好きなんだよね(笑)。

A Cさん、すごい趣味(笑)!! しかしやっぱ、あゆはいいよね。「これが日本人の美徳よ!」とばかりに謙遜するタレントが多い中、あゆは「今の私がいちばんイイ!」ってスタイルを貫いているところも最高。

B あゆはいつだって“お姫様”。オーストリア出身の俳優マニュエル・シュワルツに続いて、アメリカ人医大生ともスピード離婚しちゃったとき、世間では「さすがにおとなしくなるかな?」っていわれてたけど、それでも今なお、あゆ本人は「絶好調!」って感じだもん。

C そういえば、医大生と結婚したのって、ちょうどL.A.に住んでた頃だったよね。金髪で、バイブスがどうとか英語交じりでしゃべったりして、まるで海外スターみたいだったなぁ。あの時期が、私の中でのあゆ全盛期。過去の自分を否定しながら「今の私がいちばん!」って、イケイケだったの。でも15年に日本に帰国した当初、あゆは髪を黒くして、毒にも薬にもならないことばかり言ってて、日本人に媚びている感じがして嫌だった。もう一度、L.A.時代のあゆに戻ってほしい。

■マダムあゆ”は、若い男を囲うべき

A ネット上では、「TOKIOの長瀬智也と付き合っていた頃が、あゆは一番幸せそうだった」っていわれてるよね。「美男美女カップル」なんて呼ばれて、若い子のあこがれだったんでしょ。あ……そういえば、あゆのバックダンサーだったマロ(内山麿我)とも付き合ってたね。交際宣言までしたのに、離婚調停中の妻がいて、しかもまた別の女性との間に子どもまでいたことが発覚してさ……。でも、男運がないところもディーバっぽいのかも(笑)。

C あゆ、騙されやすそうだもんね。あゆって、自作の歌詞を見ていると、もともとは根暗な女だろうなぁって思うのよ。だから、マロみたいにポジティブワードで夢を語る男性のことを、好きになっちゃうんじゃないかって。しかも、あゆの周りはイエスマンばっかりだから、あゆに対してでも、ガンガン物申しそうなマロの言葉が、響いたんじゃない?

B “ノリのいい明るいイケメンヤンキー”ってところも、あゆの好みだと思う。長瀬もそんな雰囲気だよね。でもそうなると、そのあとの外国人2人は何だったんだ? 「歌姫である私が、名も知れていない一般人と結婚する」っていうドラマ性を重視したの? まぁ、日本には、あゆにグイグイ行けるような一般人男性はなかなかいないだろうし、あゆ自身が西洋人コンプレックスをこじらせてる部分もあるから、外国人と結婚したのかもね。

A 紀香発想に近いものを感じるね。あゆはなんでもドラマ性を大事にするから、結婚もそうだったのかも。でも、自分で創り出した美談なのに、結局スピード離婚という面白い結末を迎えてるという。次にあゆが結婚するとしたら、みんな「いつ離婚するんだろう」って楽しみにすると思うよ。もしうまくいっちゃったら物足りなさを感じそう。

C それか、若い男を養子にしたらいいんじゃない? 美人でしかもお金持ちなんだから、あゆに養ってもらいたい男は大勢いると思う。

B いいね! あゆって、年下の男を可愛がるのが好きじゃん。AAAの浦田直也を、弟みたいに溺愛しているし。でもあれは、あゆが浦田に甘えているって感じだろうけど。みんなに囲まれてチヤホヤされるのが好きだから、若い男をいっぱいいっぱい囲えばいいと思う!

C ステキ、そんなあゆ! “マダムになったあゆ”を想像したら、これからが楽しみになってきた!

■あゆは芸能界にしがみついて生きていく

A これからのあゆは、どうなっていくだろうね。昨年は『しゃべくり007』『今夜くらべてみました』(ともに日本テレビ系)に出演していたけど、もう出ない気がする。ほかの出演者たちは、「あの大スター・あゆが来てくれた!」ってテンションで持ち上げていたけど、あまりにバラエティ番組に露出しすぎると、ディーバ感が保てないしね。

B そうだね。でも、引退しろっていう人も多いよ。ネットでは「安室奈美恵の引き際は素晴らしい」「あゆもそうしろ」っていわれているけど、あれは安室なりの美学じゃん。あゆは芸能界で、自分の理想像にどこまでもしがみついていった方がいいと思う。あゆって、“自分で作った物語の主役”として生きていると思うんだけど、その物語を周りから称賛され続けないと満足しないでしょ。その場を失ったら寂しくて死んじゃうんじゃないか心配。私はあゆがどんなババアになっていくか見届けたいよ。

C 私も。あゆは自意識のバケモノだから、そこで右往左往している姿をずっと見ていきたい。でも、そもそもあゆって、「慕っていた女性が亡くなり、その人のために活動を続けている説」があるよね。だから、何か活動に対して信念があると思うんだけど、CDが売れなくなってきているから、今のツアーが終わった後にアルバム制作に入るかどうかが、今後の歌手人生の分岐点になる気がする。

A 前回のアルバム『MADE IN JAPAN』は3万枚くらい売れてた。工藤静香みたいに「3,000枚も売れない」レベルの落ちぶれ方はしていないから、歌手活動は続けてくれるといいんだけど。あゆってさ、自意識のバケモノでありながら、自分が世間からネガティブに見られていたとしても、一切言い訳しない。そこが、一本筋が通っているなって思う。でも、周囲の目を気にしているのかすらわからないときもあるから、不思議な存在だよね。

C だからこそ妄想が膨らんで楽しいんだけど(笑)、不思議すぎるゆえに、心はジョイントできないね。

B そう、共感はまったくできない(笑)。空港芸とか、宣伝のために離婚発表の時期を決めるとか、注目を集めるためにゾッとするようなことを平気でするクールな一面もあるし。

C そうなんだよね。でも、だからまた動きがあったら何かしてくれるはず! それを楽しみにウォッチを続けるわ。