「うそちん」「詐欺ちん」「顔ドロボー」……。これらは今、SNS上で呼ばれている「ざわちん」の呼称だ。

由来はほかでもない、彼女の代名詞だった「ものまねメーク」画像が“加工”され、“合成”されているのではないかという「疑惑」からきている。

 こうした彼女への誹謗中傷が、単なるひがみでも臆測でもないとする決定的証拠が、最近になって白日の下にさらされた。その証拠は2つあり、それぞれ専門家が分析に関わっている。まずは、1つ目から取り上げていきたい。

■検証1:画像関連の技術者が独自鑑定「合成は120%黒」
 まずは今年3月18日、女性ユーザーが投稿する大手コミュニティサイトにアップされた、この資料画像。ユーザーたちが、「ざわちんのものまねメーク写真は合成ではないか」と議論を交わす中、キャリア15年という画像関連の技術者がSNS上に現れ、独自に調べた検証結果をアップした。
それぞれ「色相・彩度」「光の当たり方」など、さまざまな観点からざわちんの画像を解析している。例えば、こんな報告が寄せられている。一部を抜粋しよう。

 以上の検証は正直なところ、素人にはかなり専門的すぎるきらいがあり、一読しただけでは理解できない。だが、それでも、ざわちんのものまねメークは「合成である」と結論づけているのは容易にわかる。

 例えば1にある武井咲の画像。
この「眼球」は、別の画像から切り取って合成した、という一文が綴られている。この解析を行った技術者は、武井のみならず、本田翼、坂口健太郎、大島優子、吉高由里子、新垣結衣、綾野剛などの「ものまねメーク」も検証し、いずれも「合成は120%黒」と断定したという。

 ユーザーはこの結果に驚きながらも、疑惑が確信に変わったことで、さらに、ざわちんへの不信感を高め、マスコミに記事化を求めたが、技術者が個人名を明かせないこと、またざわちんの、記事としてのバリュー(価値)の低さなどから、どこも取り合ってくれなかったという。

 また、この検証を知ったざわちん本人も「一般人の捏造を信じないで」とTwitterのフォロワーに“注意喚起”。結局、うやむやに終わりそうになったという。



 マスコミへの売り込みが失敗に終わり、ざわちん騒動がうやむやに終わりそうになると、大手コミュニティサイトに集うユーザーたちは、30代・自営業のA子さんを中心にさらに結束。
ざわちんの真実を確かめるべく、3月20日、専門機関に検証を依頼した。応じてくれたのが、東京都内にある画像解析の会社「Consulting mimi」だ。ここは交通事故の車の鑑定や、裁判所に提出する鑑定書の発行、さらには夫と性行為中の女性が、妻が疑っている浮気相手と同一人物かを特定するなど、難易度の高い責任ある解析を専門に行っている。

 同社の担当者は、ざわちんの自撮りものまねメーク画像のほぼ全てを見てから、解析対象にふさわしい1枚を選んだという。だがその間、合成かレタッチ(写真の修整作業)加工が施されていない写真を探す方が難しいというほど、ほとんどの画像は「黒」だと証言。しかも初見で、ローラのものまねメークはマスク部分と目の部分は別画像による合成だと判断した。
ちなみに、ざわちんが、“斜視”のタレントの目までも、こともなげに再現していることに強い違和感を抱いたという。

〇解析写真はMEGBABYものまねメークに決定

 その中で、「なるべく正面を向いているもの」「指紋と同じように個々の形が如実に現れる耳が出ているもの」「画像がキレイなもの」といった条件のもと、解析すべき写真を1枚探し出した。それが、人気モデルのMEGBABYのものまねメークをしているカット。彼女とざわちんは、昨年9月に行われたハワイのイベントで知り合い、もともとMEGBABYによく似ていると言われていたざわちんは、イベント後の同月10日付のオフィシャルブログでMEGBABYのものまねメーク写真を投稿していたのだ(タイトル「どっちがMEGBABYさんだっ?」)。

 だが、同社は1枚につき6万4,800円の解析料がかかるため、A子さんをはじめとするユーザーたちは4月、コミュニティサイト上でカンパを募り、30人以上から集めた資金で解析を依頼した。その結果、3カ月後の7月末に報告がもたらされたという。
まずはこちらの写真を見てほしい。

 2人の女性が仲良く隣り合わせで写る写真。ざわちんは先のブログで、向かって右(以下同)が本物のMEGBABYで、マスクをしている左の女性が自分だと語っている。だが鑑定結果は、ざわちんの主張を根底から覆すものだった。

 解析会社「Consulting mimi」が、今回代表として依頼したA子さんに宛てた鑑定結果メールの本文を掲載するが、同社の要望によりそのままの掲載は不可となったため、抜粋して書き起こす。

・この画像は、背景、左側の人物、右側の人物、3つを合成処理したものである
・2人の女性は同一人物である可能性が高く、同一人物の別の画像を2枚用意して合成している
・緑の矢印で示した右側の女性の髪の毛の色濃度が通常ではありえないほど高くなっているのはレタッチ加工によるもの
・黄色い矢印で示した部分の暗い背景は、全体的な背景とは別の素材
・赤い矢印で示した左側の女性の耳は、他の画像から女性の耳を合成処理したもの

 つまり主立った点を挙げると、写真の左右の人物はどちらもMEGBABYで、別々の写真から切り取って並べた合成写真であるという。
つまり、左の女性は“ものまねメーク”を施した、ざわちんでもなんでもないということだ。ただ、ざわちんは、この2人の女性が別々の人間であるということを見せたかったために、左の女性の右耳だけ、別人の耳を貼り合わせたという。

 ではマスクも合成なのだろうか? もし左もMEGBABY本人であるのなら、マスクをつけた状態の顔写真を用意しなければならないが……。これに関し、今回実際に取材に答えてくれたコミュニティサイトのユーザー・B子さん(30代・会社員)に聞くと、

「マスクについては、Consulting mimiさんいわく、この1枚では合成かどうか証明できないそうです。なので、一応左の人物がマスクをして写真を撮った、というふうに今回は考える、とのことです。MEGBABYの協力がないと、この画像を作るのは難しい、とも言っていました。ただ、見てわかるかと思いますが、マスクのひもが耳たぶの裏からではなく、手前から出てるという不思議な点もあるし、レタッチを繰り返したことでボヤボヤになってしまっているので、この1枚ではなんとも言えません。これはあくまで私たちの臆測ですが、MEGBABYにはマスクをしてもらった写真と、マスクをしてない写真の両パターンを何枚も撮らせてもらい、後でざわちんが合成した、と考えることもできるかな、と思っています」

 こうした数々の追及が迫っているにもかかわらず、平然とものまねメーク写真を投稿し続ける強心臓のざわちん。彼女のマスクの下の口が真実を語るのはいつになるのだろうか?