加藤ミリヤ 『Utopia』ツアー千秋楽 「愛の塊が見える場所が私のライブ」/レポート

 

■加藤ミリヤ/【Utopia Tour 2017】ライブレポート
2017.09.18 東京国際フォーラム ホールA
(※画像5点)

今年4月にアルバム『Utopia』をリリースした加藤ミリヤが、6月から始まった全国ツアー『Utopia Tour 2017』のファイナル公演を9月18日、東京国際フォーラム ホールAで開催した。今回のツアーの目玉のひとつだった各会場限定ソングや、アンコールで登場した清水翔太とのデュエット「Love Forever」を含め、この日はメドレーを入れると全31曲を2時間半にわたって披露。さまざまな曲調を奏でる変幻自在のバンド演奏と統制の取れたダンスパフォーマンス、そこにミリヤ渾身の歌声が加わった完成度の高いステージで全国から集まったファンに忘れられない興奮と大きな感動を届けた。

「私はもっと強くなる。」そんなメッセージが刻まれたオープニングフィルムが流れたあと、本編はメロウダンサーなアルバムのタイトル曲「Utopia」からスタート。セットの中央上部では、神話や教典、啓示書などで見かけるような幾何学模様をモチーフにしたデザインがライトアップされ、スピリチュアルな音と光で観客をあっという間に別世界へと引き込んでいく。

近年の彼女のライブは、全体をいくつかのセクションに分けて構成して進行していくのが恒例化。各セクションでは時折メドレーを挟みながら楽曲をミックスCDのように繋いで展開し、セクションの合間にはライブ会場でしか聞けないトラックを使用した映像や、バンドメンバー/ダンサーを紹介するパートを切れ目なく挟んで場面転換し、全体で大きなうねり、ひとつの流れをつくっていくのが特徴となっている。

今回、本編は5つのセクションに分かれていたのだが、それぞれにはざっくりとしたテーマがあったように思う。アルバムタイトル曲で始まり、途中で『Utopia』収録曲のメドレーも披露されたオープニングセクションのテーマはミリヤの願う理想/希望といったところだろう。サビに“赤い光”という言葉が出てくる「Utopia」を1曲目に置き、 “赤いリップスティック”と歌う「リップスティック」でこのセクションを締めたところには、「赤」をテーマカラーにしているミリヤのこだわりも感じられた。

人生を旅に例えた「旅人」から始まり、過去のダンサブルな曲のメドレーを繰り出して、デビュー曲の「夜空」で閉じた2つめのセクションのテーマは、タイムトラベル。過去にR&Bもヒップホップも歌ってきたミリヤだが、今回の過去曲メドレーはレゲエ調のナンバーで固められており、そこにはレゲエ調のレイドバックしたビートがひとつのトレンドになっている昨今のUSヒップホップ/R&Bへの意識もあったのではないだろうか。

セット全体に歌詞が次々と浮かび上がる演出で見せた「少女時代」から始まるセクションは、自分探しやアイデンティティーの発露、愛のリビドーがテーマ。本当の自分や生きる理由を探し追い求めていく藻掻きや苦しみを、迫力に満ちた演奏と激情的な歌唱でドラマティックに畳みかけていく様はミリヤの真骨頂だ。

ライブ中盤のハイライトといえるのが、このセクションラストの「神様」。この曲ではステージ上のLED画面にドクドクと鼓動する心臓が映し出され、演奏終了と同時にステージ全体から赤色のライトが放射。その赤が鮮血がほとばしるような真っ赤な色だったのが印象的だった。

最新シングル「どこまでも ~How Far I’ll Go~」から幕を開けた次のセクションに一貫するモチーフは自然。「どこまでも ~How Far I’ll Go~」は海を舞台にしたディズニー映画『モアナと伝説の海』の日本版エンドソングだし、続く「HEART BEAT」は陸上競技が花形であるコカコーラのロンドン五輪キャンペーンソング。「DESIRE」の歌詞には“夏の風”や“太陽”といった言葉が出てくるし、ラストの「RAINBOW」は文字通り、虹。そんな自然の雄大さや力強さ、開放感を描いた歌の連続でラストスパートを盛り上げた。

そのあとのMCでは「こうしてファイナルを迎えているのが夢みたいで嬉しい」と言い、今回のツアーを通して辿り着いたメッセージはやっぱり愛だったと打ち明けた。そして「愛は私たちが生まれてきた証だし、生きてる意味だし、だから私は歌う。それをこれからも、ものすごく強い気持ちで、やっていこうと思っています」と思いを伝え、「愛の塊が見える場所が私のライブだと改めて思うし、私が歌える場所をみなさんが与えてくれるおかげで私は今ここに立っています。本当にありがとうございます」と感謝を告げると、会場から温かい拍手が沸き起こった。

その拍手に感極まったミリヤは、「だからどうかみなさん、愛を嫌いにならないで、愛を信じて、愛のために生きていきましょう」と涙声でメッセージ。そして「みんなこんな自分に生まれてきて良かったな、最高な幸せを今感じてるなっていう日々が少しでも多くみんなに訪れてほしい。心の中がいっぱいいっぱい愛で満たされる日々が訪れてほしい」と続け、「愛する人のために歌います」と次曲「最高なしあわせ」の演奏へと入った。

その「最高なしあわせ」と、ミリヤが実母に向けて書いた「素晴らしき人生」を歌った最後のセクションのテーマは、愛が育む幸せ。もともと壮大なスケールの「素晴らしき人生」をライブ仕立てで力強さを増したバンド演奏をバックに堂々と歌い上げ、会場に清らかな愛のパワーを充満させてライブ本編は幕を閉じた。

この日のMCで「自分の価値観で自分のことを愛せて、自分自身も誰かのことをすごく愛せる……そういう愛の中にいられる場所がユートピア」だと語り、「今までは歌うことがあまりにも当たり前で深く考えたことがなかったかもしれないけど、ツアーを回ってみんなに会って、そのユートピアはここだ、自分がいるべき場所はここだってすごく強く感じられた」「だから絶対一生歌いたい、死ぬまで歌いたいと思えた、私にとってすごく大切なとても意味のあるツアーになりました」と振り返ったミリヤ。ライブの最後には今年12月にビルボードライブ大阪と東京で『Christmas Premium Live -歌の会 2017-』を開催することを発表。愛の深さと大きさを再び知った彼女が次に表現する愛はどんなものになるのか、まずはそのステージが楽しみだ。
(取材・文/猪又 孝)

≪セットリスト≫
1. Utopia
2. Me
3. EMOTION
4. Album『Utopia』収録曲メドレー
BE~永遠~Let Me In~幻
5. リップスティック
Interlude 1
6. 旅人
7. 過去曲メドレー1
FUTURE CHECKA~Last summer~このままずっと朝まで~ジョウネツ~
8. 夜空
Dancer Introduction
9. 少女時代
10. 過去曲メドレー2
TOKYO STAR~TOUGH~SAYONARAベイベー~STYLE
11. Triangle
12. Roman
13. 神様
Band Introduction
14. どこまでも~How far I'll go~
15. HEART BEAT
16. DESIRE
17. RAINBOW
18. 最高なしあわせ
19. 素晴らしき人生
<ENCORE>
1. Love Forever(加藤ミリヤ×清水翔太)
2. I miss you

≪ライブ情報≫
【加藤ミリヤ Christmas Premium Live -歌の会2017-】
2017年12月11日(月)ビルボードライブ大阪
2017年12月18日(月)ビルボードライブ東京
※各2公演

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