パイロットが「ピンクリボン肩章」を着ける意義とは JAL、乳がんに関する啓発活動で

JALは2004年より乳がんに関する啓発活動「ピンクリボンキャンペーン」に賛同し、毎年その活動を実施。今年からは新たにパイロットがピンクリボンの肩章を着用します。その発案者であるパイロットに経緯を聞きました。

3社共同のピンクリボンキャンペーン

 JAL(日本航空)は「ピンクリボンキャンペーン」をエスティー ローダー グループ(東京都千代田区)とサントリーフラワーズ(東京都港区)の3社共同で実施、その一環として2017年9月29日(金)、「ピンクリボンフライト」と題した旅客便を運航しました。


ピンクリボンの肩章を着けたパイロットとピンク色のスカーフを着用したCA(2017年9月29日、石津祐介撮影)。

 同キャンペーンは、乳がんに対する早期発見・啓発と医療を支援するために行われるもので、JALはこのキャンペーンの趣旨に賛同し、2004(平成16)年から啓発活動に協力しています。


挨拶する屋敷東京空港支店長。

配られた特製ラバーバンドと知識啓発カード。

乗客に特製ラバーバンドを配布するパイロット。

「ピンクリボンフライト」実施にあたり、JAL執行役員 屋敷和子東京空港支店長は「この10月は乳がんの知識啓発強化月間となっています。ご家庭や職場でも、このピンクリボンキャンペーンについて話していただければ嬉しいです」とあいさつ。そののち、
羽田午前11時15分発福岡行きのJAL315便へ搭乗する乗客に、ピンクリボンの肩章を着用したパイロットとピンク色のスカーフを着用した客室乗務員が「知識啓発カード」とピンクのラバーバンドを配布し、乳がんへの関心を呼び掛けました。

機長に聞く、キャンペーン参加への想い

 例年、「ピンクリボンキャンペーン」においては女性スタッフがピンク色のスカーフを着用するのみでしたが、今回はこのキャンペーンに賛同したパイロットもピンクリボンをデザインした肩章を着けています。キャンペーン期間の10月中は装着するとのことで、その発案者である續(つづき)機長に話を聞きました。


JAL運航本部 續 志郎機長。1994年入社。運航訓練部767訓練室 飛行訓練教官(2017年9月29日、石津祐介撮影)。

——パイロットもキャンペーンに積極的に参加しようと思ったきっかけはなんでしょうか?

 提案に至ったのは、ふたつの理由があります。ひとつは自分の肉親をガンで亡くしたこと。もうひとつは、私たちパイロットは安全運航が最大の責務ですが、その上でさらにお客さまや社会のためになる何かにチャレンジしたいと思ったからです。

——そのチャレンジが「ピンクリボンキャンペーン」への参加だったのでしょうか?

 私はアメリカの3大スポーツが好きでよくテレビ観戦をするのですが、この時期になると選手が皆、ピンク色のものを身に着けていることに気づきました。また海外のエアラインでは、同じように10月のこの時期になるとパイロットも「ピンクリボンキャンペーン」に参加していることを知りました。これは我々JALのパイロットもやらねばと思うようになりました。


キャンペーンを象徴するピンクリボンをデザインした運航乗務員の肩章。

ラバーバンドをつけたパイロット。

ピンクリボンフライトを見送るパイロットたち。

——それが、あのピンクリボンの肩章だったのでしょうか?

 客室乗務員はピンク色のスカーフを巻いていますが、私たちパイロットも何かできることはないかと思うようになりました。海外の空港で見かけるパイロットのスタイルを参考に、ピンクリボンの肩章を取り入れようと思いました。

パイロットがキャンペーンに参加する「意義」

——このキャンペーンに参加することが決まって、JALのパイロットの意識は変わりましたか?

 乳がんは、女性だけの問題だというのが世間一般の認識だと感じていますが、男性にももっと問題意識を持って欲しいという思いから、まだまだ“男性の職業”としてのイメージが強いパイロットが積極的に取り組むことで、より多くの方にこの運動をお知らせできるのではないかと思いました。この肩章を採用するにあたっては、社内の規則や規定などクリアにすべき課題は多かったのですが、関係部署の多くの人に賛同してもらうことができました。初めての取り組みでしたが、賛同者の輪はグループ各社に広がり、JALグループ各社のパイロット有志が10月からこの肩章や、ピンクリボンバッジを着けることになりました。取り組みを進める中で、「今までこのキャンペーンについてあまり知らなかったが、趣旨をきちんと理解できた」と話す仲間もおり、社内の認知度向上にも繋げられたのではないかと考えています。

——ピンクリボンの肩章を身に着けることが目指す目的はなんでしょうか?

 乳がんの話題は親しい人にもなかなか切り出しにくいと思いますので、ピンクのものを身に着ける事で話題のきっかけになって欲しいと。日本は諸外国に比べて乳がんの検診率が低いので、男性がより理解を深めれば検診率も上がると思っています。


「このキャンペーンをきっかけに男性も乳がんへの知識が高まればと思っています」と續機長(2017年9月29日、石津祐介撮影)。

※ ※ ※

 パイロットの「ピンクリボンキャンペーン」への参加は来年以降も継続する予定で、周囲の意見を取り入れながら展開していくとのことです。

 欧米では関心が高い「ピンクリボンキャンペーン」。まだまだ男性の乳がんへの関心が低い日本において、男性の憧れの職業のひとつである航空会社のパイロットがキャンペーンに参加することは、大きな意味があるのではないでしょうか。

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