中華まん1日80個を売り上げる名古屋のライブハウス


冬のコンビニメニューの代表格といえば、「中華まん」が出てくるのではないでしょうか? 今では通年で置いてあるものの、ふかふかの生地に、あつあつの具が入った中華まんは、やっぱり冬に食べたくなるもの。

名古屋に、この中華まんを1日でコンビニよりも売り上げてしまうことがあるという、「ライブハウス」があるんです。なんと、その数は1日で80個!どうして中華まんを売ることにしたのか、そのライブハウスに話を伺ってきました。

中華まんをやるには大変な道のりが待っていた


中華まん1日80個を売り上げる名古屋のライブハウス


今回、話を伺ってきたのは、名古屋にあるライブハウス「HOLIDAY NEXT NAGOYA(ホリデイネクスト ナゴヤ)」。名前が大きく書かれた赤い壁の外観がインパクトがありますね。

中華まん1日80個を売り上げる名古屋のライブハウス


早速中に入ってみると、ごく普通のライブハウスのロビー…。伺った日はライブがある日で、出演バンドの物販席が設置されていました。

中華まん1日80個を売り上げる名古屋のライブハウス


そして、ドリンクカウンターを見ると…。

中華まん1日80個を売り上げる名古屋のライブハウス


どーん!と置かれた中華まん用の保温器。これ、コンビニで見かけるやつですね!まさかライブハウスでこれを見ることになろうとは…。

中華まん1日80個を売り上げる名古屋のライブハウス


ちょうど肉まんはふかふかにしあがったタイミングで、とても美味しそうです。それにしても、なんでライブハウスに中華まんを置くことにしたのでしょうか?

浅川「うちのライブハウスでは、バンドだけじゃなく地下アイドルのコンサートもやるのですが、そこに通っているお客さんに『中華まんがあったらいいのに』と言われたのがきっかけでした」

クレイジー鈴木「私はここのスタッフなんですが、お客さんが『中華まんにメイド喫茶みたいにデコレーションしてくれたら、絶対に買う』と言われたので、それならやってみよう!となりました(笑)」

中華まん1日80個を売り上げる名古屋のライブハウス


と、語ってくれたのは「HOLIDAY NEXT」の店長の浅川さん(左)とスタッフのクレイジー鈴木(右)さん。

浅川「じゃあ、さっそく入れてみよう!と思い立ったものの、理想の形でお店で出すにはいろいろなハードルがありました。まずは、中華まん用の 保温器ですね。レンジで温めても確かにいいんですが、どうしてもそれはやりたくなくて(笑)形から入りたかったので、コンビニに置いてあるのと同じ機械を探したんです。とにかく、形は大事にしたかったので」

中華まんを入れようとなってから、毎日のように取りつかれたようにネットで保温器の情報を調べていたそう。そんなに大変なんですか?

浅川「あの機械は、普通に買うと約20万もするんです。それはかなりキツイので、中古でいいから安いのを!と思って必死で探しました。安いのを見つけたと思ったら、送料を入れたら結局すごく高くなったりして」

鈴木「毎日、ヤフオクやメルカリをチェックしてました。空き時間があればずっと。そこでたまたま見つけたのが、送料込みで2万円以内だったんです。それで即買いました」

こうやって保温機をやっとみつけたものの、もう一つのハードルが…。

浅川「中華まんをどうやって仕入れるのかが問題でした。あまり高くても売れないので、うちでは200円で販売したいと考えてて。

どうしようか…とずっと考えていた時に、いい出会いがありまして。うちはライブハウスなんで、いろんなバンドマンが出入りしているんですね。そこで実家がコンビニだというバンドマンを見つけて、彼に協力してもらって、なんとか仕入れることができました。」

やっと仕入れ方法を見つけて、ライブハウスに中華まんが導入されたのが2017年の11月頃だったそう。

鈴木「大変な思いをしてやっと中華まんを理想の形で入れることができて、とてもうれしかったですね」


最高1日80個を売り上げた日も


紆余曲折あったものの、計画をしてから約1か月で中華まんを開始。浅川さんのTwitterアカウントには「本日の中華まん」という形で、その日に置いてある中華まんのラインナップがツイートされます。




浅川「基本的なラインナップはあんまん、肉まん、ピザまんという形ですね。あとは、つい最近チョコまんを入れました。一番売れるのはピザまんですね」

中華まんの保温器を見てみると「楽屋お届けサービス」のプレートが。これはどんなサービスなんでしょうか?

中華まん1日80個を売り上げる名古屋のライブハウス


浅川「そのままです(笑)お客さんが注文した中華まんを楽屋のバンドマンやアイドルたちにお届けするサービスです。中華まんを販売するときに、薄い袋にいれますよね。この袋にメッセージとかを書いて直接お届けできるというのがポイントです」

おおお、それだと自分のメッセージをほかほかの中華まんとともに推しにお届けてできるということなのですね?それはファンにはうれしいところですね!

鈴木「この楽屋お届けサービスはすごい好評なんですよ。すごい日は1日80個を売り上げたこともあります。ただ、あまり男性は使わなくて、ほとんどバンギャ(バンドが好きなファンのこと)ですね」

浅川「正直、ほかのコンビニよりも1日の売り上げが多い日もあるくらいです(笑)」

一人のバンドマンに最高7個の差し入れがあったこともあるそう。胃袋の問題で、これ以上は無理だったようです(笑)


今後もほかのライブハウスにないことをしていきたい


中華まん1日80個を売り上げる名古屋のライブハウス


中華まんを販売し、ほかのライブハウスとはちょっと違うことをしてきた「HOLIDAY NEXT」ですが、今後はどんな計画を立てているのでしょうか。

浅川「高級なソフトクリームを入れたいと考えたこともあるんですよね。結構真剣に考えて、いろいろ調べたのですが予算的に無理でした(笑)以前かき氷もやったんですが、これはいまいちでしたね。

ほかにも、大みそかには年越しそばを出すんですが、本格的な手打ちにしようかという話も出ました(笑)これも計画倒れになりましたが(笑)

ライブハウスって実は飲食店なんです。だから、せっかく食べ物も出せるのだから、今後もそういった計画は立てていきたいと思っています。ほかのライブハウスにはない、うち独自のことを今後もできたらなと思っています」

いちライブハウスなのに、コンビニよりも中華まんを売り上げてしまうという「HOLIDAY NEXT NAGOYA」の、今後の展開を楽しみにしたいところですね。


HOLIDAY NEXT NAGOYA
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄3-23-32 HOLIDAY NEXT NAGOYA
http://live-ban.com/next/