北海道・千歳市の名物店「東千歳バーベキュー」で豪快に鶏を焼く


数年前に北海道に旅行した際、道内に住む知り合いが車で連れて行ってくれたのが千歳市東丘にある「東千歳バーベキュー」という店だった。

カマボコ型の小屋の中、炭火で鶏を焼いて食べる店で、もうもうと立ち上る煙とそこで食べた鶏肉の旨さが鮮烈な記憶となって心に残り、それ以来、いつかまたあの店を訪ねてみたいと思って過ごした。

先日、ようやく念願がかなって「東千歳バーベキュー」を再訪することができた。そして、あらためて素晴らしい店だと思った。今回は、地元の人以外はあまり知らないかもしれないその魅力をできる限り伝えたいと思う。


無人駅を降りて国道をひたすら歩く


「東千歳バーベキュー」は、札幌中心部から車でおよそ1時間。空の玄関口である「新千歳空港」からは車で約20分ほどの距離にある。広い北海道の中にあっては交通の便が良い方かもしれない。が、これが電車で行こうと思うとなかなか大変なのである。JR札幌駅から1時間半ちょっとかけて室蘭本線の三川駅へ。そこからお店まで、徒歩で“40分”ほどかかる。

無人駅である三川駅から国道234号線に出て、とにかくただただ真っ直ぐ歩く。

取材日が平日の日中だったこともあってか、歩道を歩いているのは見渡す限り私だけだ。その横をゴツいトラックが飛び去るように走っていく。

途中、脇道にクマのはく製が無造作に売られているスペースが現れ、「北海道すぎる!」と思う。

幸い天気はよかったのだが、あまりに道が真っ直ぐだったので、途中で頭が少しぼーっとしてきた。

くじけかけた頃、ようやく「東千歳バーベキュー」の看板が!


横道を下っていくと、すぐ見えてくる建物が「東千歳バーベキュー」だ。

この雰囲気。排気口の下の黒いすす。味わい深さに胸が高鳴る。


シンプルな味付けなのにやたらウマイ


店内に入ると奥に向かって焼き台が2列伸びており、お客さんがベンチに座って鶏を焼いている。


メニューはシンプルで、「バーベキュー」が900円で「野菜炒め」が200円。あとはごはんとドリンク類のみである。

この店で言う「バーベキュー」は鶏肉のことで、半身で一人前となっている。

テーブル上のビンに入った塩コショウを豪快にかけて焼く。トングを渡されるので、あとは各自で好みの焼き加減に仕上げていくのだ。

飲み物は店内の冷蔵ケースからセルフスタイルで持ってきて飲む。前回、ここで飲んだ瓶ビールが明らかに今まで生きてきて飲んだビールの中で最良の味わいだった記憶がある。

うむ……。やっぱり他のどこで飲むビールとも違う気がする。

鶏肉が焼けるのを待つ間、「野菜炒め」を食べつつビールをグビグビ。この「野菜炒め」、キャベツともやしと軟骨を鶏の脂で炒めたもので、これもまた鶏肉同様、塩コショウ以外の味付けは加えないシンプルなものなのだが、やたらめったらおいしい。

これだけで一人で食べるには結構なボリュームである。

鶏肉を裏返しながらゆっくりと食事を楽しむ。こののんびりした空気感がたまらないのである。

皮がこんがりと焼き上がった鶏肉。

ぎしっと詰まった身からジューシーに旨みがあふれ出す。

塩加減も絶妙。本当にウマイものに余計な味付けはいらないのだ。

卓上には鶏を掴むためのペーパーが用意されているので、それを利用して、豪快にかぶりつくのがおすすめだ。



地元民に愛され、車の行列も


満足感に放心状態でいたところ、お昼時を過ぎ、ちょうどお客さんが途切れた。お仕事の邪魔にならぬよう、「東千歳バーベキュー」を切り盛りする横田さんご夫婦にお話を伺った。

お店の創業は1971年。今から46年前のことだ。お店の脇にある大きな池が冬場に凍結するのをスケートリンクとして活かし、営業をしていたという。そのスケートリンクの休憩用の飲食スペースとしてできたのが「東千歳バーベキュー」。創業時から鶏肉のバーベキュー専門で、それがスケートリンクが閉業した今でも残っているという形である。

建物はこれまでに何度か改装を行っているそうで、確かに私が前回に来た時は天井まですすで真っ黒だった印象があるのだが、取材時はかなり綺麗になっていた。

煙と炭火の熱によって焼き台が消耗してしまうのでそのメンテナンスも大変なのだとか。

網を乗せる部分には「セラミックブロック」という耐熱性の強いブロックを使用しているのだが、これが今はなかなか手に入りにくい貴重な建材だそうで、ここで使っているものは道内の建材店が廃業する間際に安く譲りうけたもの。「廃材の山の中からこのブロックだけを探し出して持ってくるのが本当に大変だった」という。

そんな歴史の積み重ねを感じる「東千歳バーベキュー」は、地元の人に長く愛されており、週末になると車が列をなすほど混むことも。「お客さんがみんなゆっくり食事していかれるので、回転が悪いんです(笑)」とのこと。確かにせっかくここに来たのなら目一杯のんびり楽しみたいもんなー!

店外にあるトイレにはレトロな雰囲気の看板が貼り付けてあるのだが、これは数年前まで使われていたもの。

風の強いある日、「看板が倒れてるよ!」とお客さんが飛び込んできて、外に出てみると別のお客さんが看板が風に飛ばされぬよう必死で守ってくれていたそうである。そんなところからもお店の愛されぶりが伝わってくるではないか。

車で来店するお客さんがほとんどで、私のように歩いてくる人はあまりいないそうなのだが、もし自家用車やレンタカー以外で来るなら、室蘭本線の追分駅前からタクシーに乗った方が便利だとのこと。追分駅は新千歳空港駅から30分ほどの距離なので、北海道外から空港を利用して行くのなら断然こちらがおすすめだ。

北海道に旅行に行く機会があったらぜひ「東千歳バーベキュー」もコースに入れて見て欲しい。北海道らしいダイナミックな食の楽しみが味わえるはずだ!
(スズキナオ)

店舗情報:
「東千歳バーベキュー」
住所:北海道千歳市東丘920
営業時間:10:30~19:00(ラストオーダー18:00)
定休日:水曜日
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