現代版・「子どものホントの好物」に迫る
これまで会った子どものほとんどが好きだったのが、イカのするめだったりするんです。
ハンバーグ、カレー、ラーメン、玉子焼き、オムライス、スパゲッティ……。
「子どもの好物」と聞いて連想するのは、みんなだいたいこんなところではないか。


ところが、自分が子どもを持ってみて、今の子どもの好物がずいぶん変わっているのだということに、衝撃を受けた。

保育園に子どもを通わせているママ同士、仕事の都合で夕方以降、お互いの家に、子どもを預けたり預かったりすることがあるのだが、「オムライスのケチャップのごはんが苦手……」とか言われたり、みんなが大好きなはずのカレーも「ちょっと辛い」「甘すぎる」「ウチの味と違う!」などなど、なかなか「全員の好物ど真ん中」が見つからない。
もちろんどこの家でも「出してもらったものはできるだけ全部食べるんだよ!」などと子どもに言っているだろうし、自分が預かるときも「苦手なものも、ちょっとずつでいいから、食べなさい」と注意はするけれど……。
子どもみんなが好きなものって、何なんだ?

周りのママたちや学生時代の友人たち、姉や姉の友人、保育士さんなどに聞いて、見えてきたのは、こんな意外な結果だった。
 ・ドロドロ系……納豆はほとんどの子が好き。めかぶやオクラ、トロロなどを好む子も
 ・昔からの定番系……やっぱりハンバーグ、ラーメン、唐揚げ、ポテトは大多数が好きなよう
 ・イクラ……マグロ好きな子も多いが、刺身や寿司が苦手な子も、イクラだけはなぜか大好物
 ・つまみ系……シシャモ、枝豆、そしてなぜか韓国海苔とレンコンチップスは、ほとんどの子が好き。
また、ケーキなど甘いお菓子よりも、さきいかのほうが好きという子は、実は多い
 ・チュルチュル系……春雨、白滝、こんにゃくなどはだいたいの子が好き
 ・ごはんのおとも系……明太子や梅干が大好きという子もけっこういる(女の子に多い)
 ・きっちり和食系……味噌汁、漬物、ひじき、肉じゃがなど、「和食」が好きな子も多い
 ・珍味系……塩辛、キムチなどが好きな子も

ちなみに、外食の人気は、やっぱり「回転寿司」と「焼肉」が二分しているよう。

それにしても、ざっと見る限り、今の子どもたちの好物って、かなりシブイ。なぜこんなにも変わってしまったのかと聞くと、ある保育士さんはこう言っていた。
「いまは保育園や学校の給食も、ごはんの日、和食などが多いから、食べ慣れているってことはあるでしょうね。それに、外食の機会も多いから、つまみなども抵抗がないのだろうし」

また、ある医師も言う。
「つまみ系をいろいろ食べるのは、栄養バランスが良いから、子どもにも悪くないですよ」

試しに、子どもの保育園の給食の献立を見たら、確かに、ほうとう、煮物、魚のおろし煮、青菜とえのき茸のあえもの、豆腐とひじきのつくね、れんこん炒め煮、じゃこごはんなど、シブくて体に良さそうな「和食」「つまみ系」がズラズラ並んでいた。


そういえば、子どもの通う保育園には、月に1回行われる誕生日会で、誕生月の子どもだけ食べられる「希望メニュー」がある。それは、「ケチャップライス」と「カレー味のごはん」、「わかめごはん」の3種から選べるのだが、ほとんどの子がわかめごはんを希望すると聞いたこともある。

子どもにも「和食」がブームなのですか。
(田幸和歌子)