1年で平均球速10キロアップ、驚異の育成新星に2軍監督も絶賛「たまらない」

ソフトバンク・長谷川宙輝【写真:福谷佑介】
2016年育成ドラフト2位入団の左腕・長谷川宙輝

2年ぶりにリーグ優勝を果たしたソフトバンクに、またしても将来が楽しみな新星候補がいる。背番号134。育成選手の長谷川宙輝投手。千賀滉大、石川柊太、甲斐拓也といった面々を輩出したソフトバンクの育成選手から、また大物誕生の気配が漂っている。

2016年の育成ドラフト2巡目の長谷川宙。東京の聖徳学園高校からソフトバンクに今季から入団した1年目ルーキーである。高校時代は西東京のドクターKと称され、2年生の秋には日本工大駒場戦で1試合20奪三振という驚異の三振数を記録したこともある左腕だ。

1年目の今季は3軍戦で15試合に投げて3勝4敗1セーブの成績を残し、9月19日のウエスタンリーグ・オリックス戦(舞洲サブ)で2軍戦デビュー。この試合では自己最速の149キロをマークし、センセーショナルなデビュー戦となった。



27日の同リーグ中日戦(タマスタ筑後)では、3度目の3軍戦登板。6回に2番手としてマウンドに上がると、先頭の赤坂を145キロで右飛。続く友永にはこの日最速の148キロのストレートを軸に、最後は縦に鋭く変化するスライダーで空振り三振。さらに三ツ俣からは147キロの真っ直ぐで見逃し三振を奪った。圧巻の投球内容に「自分は腕を振る投球スタイルで、それが今日は出来たと思います」と納得の表情を浮かべた。

ウエスタンリーグ3試合は全て中継ぎで登板。ストレートは常時140キロ台中盤をマークし、3回を投げて6個の三振を奪っている。高校時代の最速は144キロながら、アベレージは130キロ台。プロ入りから半年ほどで最速が5キロ、平均球速では10キロ近くアップした。長谷川自身も「自分でもビックリしています」と驚くほどの急成長を遂げている。



水上2軍監督も太鼓判「間違いなくいい素材」

それを支えたのが、プロに入って本格的に始めたというウエートトレーニング。高校時代はほとんどやっておらず、ソフトバンク入団を機に取り組み始めたという。入団時は72キロだった体重は75キロにアップ。「もともとお腹が出ていたんですけど、それもひっこんだ」と見た目にも大きく変化した。さらには「入来さん、田之上さんが見てくれて、感謝の気持ちがある。そういうところが自分を伸ばしてくれたと思う」と、周囲への感謝の気持ちが、努力に結びついている。

育成左腕の1年目での急成長には、周囲も驚くばかり。ウエスタンリーグでの3試合の登板を見た水上善雄2軍監督も「たまらないですね。間違いなくいい素材、1軍に通用する素材だと思います」と絶賛する。

「もともとは3年目の春くらいに支配下になるのが理想かなと思っていた。今は体をしっかり作るという目標がある。支配下にはもちろんなりたいですけど、少しずつやっていきたい」と語る長谷川宙だが、それよりも早い段階での支配下昇格も、十分に可能性を感じさせる。

千賀滉大、石川柊太、甲斐拓也といった育成出身者が1軍で戦力となっているソフトバンク。松本裕樹をはじめ、高橋純平、田中正義と過去3年のドラフト1位右腕に加え、左腕でも、今季1軍デビューを飾った笠谷俊介、2016年ドラフト2位の古谷優人と好素材がズラリ。筑後の地で研鑽を積むダイヤの原石たち。その中の1人。未来の“投手王国”、そして”左腕王国”を担うかもしれない存在として「長谷川宙輝」にも注目してもらいたい。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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