90年代、多くのバラエティ番組が誕生した。現在も続く長寿番組がある一方で、もちろん短命に終わった番組も数多い。


KinKi Kids司会の短命番組とは


短命に終わった番組のひとつが1996年10月にスタートした『まけたらアカン!』(フジテレビ系)だ。
司会は当時若手のジャニーズアイドルとして売り出し中だった、メジャーデビュー前のKinKi Kidsである。

『まけたらアカン!』は途中から番組内容が大きく変わったことでも知られる。
放送当初にメインだった企画は、KinKi Kidsが剛チームと光一チームに分かれ、テーマに沿ったVTRを出し、審査員の投票によって勝敗を決めるというもの。タイトルに沿ったオーソドックスな内容と言えよう。

女子高生の「早着替え選手権」も


だが、視聴率がふるわなかったのか、途中からテコ入れされてガラリと内容を一新。
その時、フィーチャーされたのは女子高生だった。
当時は援助交際が社会問題化した一方で、女子高生発信のルーズソックス、ガングロ、"チョベリバ"に代表される若者言葉などに注目が集まっていた。

テコ入れ後の目玉となったのが「女子高生人前早着替え選手権」であった。この企画は当時話題となっていた、女子高生がコインロッカーに私服を預けて登校し、放課後に制服から私服に着替えて遊びに行く様子から発想を得たのだろう。流行を取り入れたとも言えるが、その内容は“エロ”要素が全開だった。

ルールは簡単。剛チーム、光一チームにそれぞれ3人の女子高生が登場し、1人目が制服から私服に、2人目が私服から1人目が脱いだ制服に、3人目が制服から2人目が脱いだ私服に着替える。
そして、3人目が脱いだ制服を先にハンガーにかけたチームが勝利となる。

女子高生が着替える様子は「熱湯コマーシャル」の生着替えのような仕切りがあるわけではなく、そのまま放送されていた。月曜夜7時の内容とは思えない過激さである。

ほかにも水着の女性が登場し、胸を強調した上体そらしを行ったり、体の柔らかさを競ったりと、露骨な“エロ”で視聴率を稼ごうとする企画が多く放送された。

彼女たちと同世代だった当時のKinKi Kidsは、MC経験が少なかったこともあり、これらの“エロ”に対して戸惑う様子が頻繁にテレビに映し出されていた。
そうしたことも影響してか番組は迷走を続け、放送開始からわずか5カ月後の97年2月末に打ち切られてしまった。