先日、井上和香が自身のブログを更新し、「実は入院してました」と明かした。

かつてはグラビアアイドルとして一斉を風靡した井上であるが、彼女の母親が「四谷怪談」のお岩さん役としても知られた元大映ニューフェイスの女優、故・嵯峨京子だったことは意外に知られていない。


井上和香の母は元女優


1950年代から1970年代、日本映画全盛期には各社が自社作品で映画デビューする俳優を、「○○ニューフェイス」と称して競って売り出していた時期がある。
嵯峨はそんな日本映画のニューフェイスのひとり。当時は映画業界最大手に数えられる大映からデビューした“大映ニューフェイス”だった。

活躍のフィールドはおもに時代劇。なかでも、嵯峨の存在を世に広く知らしめることになったのは四谷怪談の“お岩さん”役だ。日本の怪談を代表する、知らぬ者はいない名キャラクターである。


四谷怪談とは夫が自分の不貞を隠すため、自分の妻・岩を毒殺。そんな夫を呪い殺す……というのがあらすじ。毒で苦しみながら死に、夫を呪う“お岩さん”を演じた嵯峨の鬼気迫る姿は、多くの視聴者の心をとらえた。

その後、惜しまれつつも35歳で芸能界を引退。引退後は夫とともに小料理屋を営んでいた。

そして娘の井上も2012年に映画監督の飯塚健と結婚し、2015年には女子を出産し、母となっている。
退院した今、再び様々な場で活躍することに期待したい。
(せんじゅかける)

※文中の画像はamazonより井上和香 2009年カレンダー