世間を震撼させた、安室奈美恵実母殺害事件
そこから遡ること12日。信じがたいニュースが流れました。当時人気絶頂だった安室奈美恵の実母が、義理の叔父によって殺害されたというのです。
事件が起こったのは、1999年3月17日午前10時40分頃。
犯人である叔父はというとその後、近くの山中で服毒自殺。犯行に至った動機が不明なため、様々な憶測を呼び、マスコミの報道合戦を加熱させました。
メディアの視線は当然、安室にも向けられます。
沈黙を破り、TVの舞台に姿を現した安室奈美恵
そうした過程を経て、事件から12日後の3月29日。『HEY×3』にてTV復帰を果たすのです。後に語るところで本人はこの2週間あまりの期間に「引退も考えた」とのこと。
安室が舞台に登場したとき、割れんばかりの拍手が巻き起こります。「がんばれー!」などの声援や、応援のメッセージを掲げたプラカードも目立ちました。
壇上で迎えるダウンタウンにも、さすがに緊張の雰囲気が滲み出ていました。当然です。
安室に見せた、ダウンタウンの優しさ
安室に対し開口一番、松本は「いやーこれは絡みづらい!」と言って、浜田も同調していたと記憶します。
後に語り伝えられるところでは本番前、松本が安室へ「俺が助けたるからな。絶対に辞めたらあかんで」などと激励したとされています。信憑性は定かではありませんが、それくらいのフォローをしていないと、安易にできない接し方ではないでしょうか。
それに、安室は『HEY×3』出場記録1位の54回を誇る、ダウンタウンとって、立ち上げから共に同番組を盛り上げてきた、いわば、同志のような存在。3人によるこの時の短いやり取りの中には、何か信頼関係のようなものが感じ取れました。
その日を境に、力強くキャリアの再スタートをきり、現在も第一線で活躍する安室奈美恵。彼女のプロ根性、そして、ダウンタウンの優しさ。それらを存分に見せ付けられた、心に残るワンシーンが、今から17年も前にあったのです。
(こじへい)
※イメージ画像はamazonよりnamie amuro LIVE STYLE 2014 (DVD2枚組) (豪華盤)