どんなキャラクターにもなりきる「カメレオン俳優」ことクリスチャン・ベールが、映画『Backseat(原題)』で元アメリカ副大統領ディック・チェイニー氏を演じることになった。その準備・役作りとして体重をかなり増やしたクリスチャンが、海外で参加した映画祭にて『Variety』の取材に応じ、体重を一気に増やす方法をこう語った。
「今回は大量のパイを食べまくっているんだ。」
そして眉の色はブリーチして抜いており、髪も短くカットしたため本人とは信じがたい外見になっているのだ。そんな彼がこれまで役作りのために見せた激変ぶりを、いくつかご紹介したい。
■『アメリカン・サイコ』(2000年)
体重の増減など外見を変えて見せる必要は無かったものの、この映画で快楽殺人を繰り返すエリートを演じたクリスチャンは、その「素の性格」と「うわべだけの部分」を演じ分けるべく、細部にまでかなりのこだわりを見せたという。
■『マシニスト』(2004年)
眠れない男を演じるべく、パッとみただけでは本人とは分からぬほど体重を落とし映画ファンとメディアを驚かせた。当時の体重は50キロ台だったと言われ、浮き出した骨や病的な表情がおおいに話題となった。
■『バットマン ビギンズ』(2005年)
この映画に出演すべく、クリスチャンは30キロ以上も体重を増やし筋肉隆々なボディ作りに成功。しかも贅肉ではなく筋肉増量により体を大きくした彼は、完璧に“ブルース・ウェイン / バットマン”になりきった。
■『アメリカン・ハッスル』(2013年)
中年男になりきるべく、クリスチャンは約20キロも体重を増やし頭をバーコード状に。
しかしこのような体重の大幅な増減は、体に相当大きなダメージを与えるのだ。『CBS News』は「体重の急激な変動が2型糖尿病の原因につながる可能性もある」とかつて報じており、同じく役作りで何度も減量・増量を繰り返した俳優トム・ハンクスは2013年に2型糖尿病を患っていることを告白していた。クリスチャンも役作りで体を壊さないように…と言いたいところだが、彼やジャレッド・レト、マシュー・マコノヒーといった体当たり演技を得意とするトップ俳優達は、「なりきれないキャラクターは演じない」というスタンスで撮影に挑む。時には共演者や監督も驚きショックを受けてしまうというが、マシュー曰く「何だってやるさ、与えてもらった役になりきるためならね」。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)