今月1日(米・現地時間)にラスベガスで起きた銃乱射事件。少なくとも死者58人、負傷者は500人超にも上る狂気の惨劇であった。
しかしここにきて、標的にされたのは会場の聴衆だけではなかったことが明らかになった。犯人が更なる大惨事を目論んでいた可能性が浮上してきた。米メディア『Radar Online』『Las vegas review-journal』などが伝えている。

事件が起きたのはラスベガスの中心部で開催されていた「ルート91ハーベスト・カントリーミュージック・フェスティバル」の野外音楽会場。犯人のスティーブン・パドック(64)は当時、「マンダレイ・ベイ・ホテル」の32階に宿泊しており、ガラス窓を破りそこからコンサート会場に向けて自動小銃を乱射した。

会場には約22,000人の聴衆がおり、連打する銃声の音で一斉に悲鳴があがった。
銃弾を受けその場に崩れるように倒れる者、それをかばう者、必死で逃げ惑う者、会場は一瞬にして地獄絵図と化した。パドック容疑者は警察が駆け付けた際に銃で自身を撃ち自殺している。

その後、メディアはこぞって当時の状況を写真や動画で報じたが、その中にはホテルの外観写真がありパドック容疑者が銃を発砲するために割ったとみられる32階付近の2か所の窓がうかがえる。『Radar Online』では、一方の窓からはコンサート会場を狙っているが、もう一方の東に面した窓からはコンサート会場ではない物を狙ったと伝えている。

東に面した窓の2000フィート(約600メートル)先には白い円柱型の燃料タンクが2つあり、パドック容疑者はその1つに銃弾を2発当てている。これはマッカラン国際空港の敷地内にある航空用のジェット燃料タンクであった。


一部のメディアはタンクの燃料に銃弾を撃ち込んで大爆発を起こそうとしたのではと推測しているが、FBIスポークスマンのサンドラ・ブレア氏は「進行中の捜査に関してコメントは出来ない」と詳細を発表することを拒否した。

タンクに撃ち込まれた銃弾2発のうち、1発はタンクの壁を貫通しているが大事には至らなかったとのことだ。現在はこの壁も修復されており、マッカラン国際空港のスポークスマンであるクリス・ジョーンズ氏は「空港の燃料供給を損なうようなことは起きていない。きちんと機能している」と述べた。

またコロラド州航空コンサルタントのマイク・ボイド氏も「発火しにくいよう設計されている燃料タンクを機関銃で爆破することは出来ない。それが成功すると考えていたとしたら、それはまったくプロとは言い難い“アマチュア・テロリスト”と言えるでしょう」と語っている。


画像は『Radar Online 2017年10月5日付「Las Vegas Shooter Targeted Secret Government Planes In Addition To Victims」』『Las Vegas Review-Journal 2017年10月4日付「Las Vegas Strip shooter targeted aviation fuel tanks, source says」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)