肌、ボディライン、そして表情もいきいきと美しい女性たちが「ベジタリアンですか?」と尋ねられることも多いアメリカ。今はそれをさらに厳格化させ、乳製品、卵も摂らないというヴィーガン食も人気を呼んでいる。
また家族にもそれを強く勧める女性も多いことから、子供が巻き添えを食う形で栄養不足に陥るケースももちろんある。このほどペンシルベニア州で…。

ヴィーガン家庭で親が食に対する徹底したこだわりを見せた場合、成長期の子供にとっては大切なたんぱく質供給源となるはずの肉、魚、乳、卵といったものが食卓に並ぶことはない。そんな中で育つ子はどうしても小柄で鉄分やビタミンBといった重要な栄養が不足してしまうため、アメリカではそれを虐待と位置づけて親から強制的に引き離すケースも増えている。このほどペンシルベニア州では、33歳のエリザベス・ホークという母親が逮捕されたことを『Philly.com』などが報じた。

「自分やわが息子が何を食べようとこちらの勝手。
私はヴィーガンであることを誇りに思っています。甘いものやジャンクフードを与える方がよほど害ですよ。息子の皮膚が荒れているのはアレルギーによるものです。」

こう言って逮捕に抵抗したエリザベスだが、息子はまだ生後11か月。彼女が自分の思いを主張すればするほど、それは家族の健康を願ってというより、むしろ「ヴィーガンを続けなければわが子が病気になる」という強迫観念にかられていることを感じさせるものであった。「こんな母親には任せておけない」と顔色も悪いその赤ちゃんを強制的にエリザベスから引き離したのは、別居生活を送ってきた夫のジェリー・ホークさん。彼は坊やを地元の児童・青少年サービスに連れていき、ウェストバージニア州の病院での検査や必要な治療を経て今はジェリーさんのもとで暮らしている。


『CBS News』の取材にジェリーさんの姉ブランディ・ホークさんは、「甥の体にはひどい蕁麻疹のようなものが出ており、いつも元気がなく、運動機能の面ではバランス感の悪さを感じます。何しろエリザベスはフルーツとナッツしか与えない上、水分と日光があれば生きていけるなどと非常識なことを言うのですから」と痛烈に批判している。

エリザベスのような考え方の母親が存在することを懸念する専門家たちは、異口同音に「成長期の子供は十分なカロリーと栄養バランスを考えた食事を摂ることが大切です。偏った食生活や栄養不足は深刻な成長障害をもたらし、幼いだけに皮膚の発疹を侮れば敗血症をも引き起こしかねません」と警告する。わが子の成長を妨げ、生命を危険にさらしたとみなされているエリザベスには11月14日の出廷が命じられている。

出典:http://www.cbsnews.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)