韓国の高校で教師によるセクハラ行為が横行している事実が発覚し、波紋を広げている。ある学校では、全女子生徒の約3分の1に当たる72人がセクハラを受けたというのだ。



 問題となっているのは、京畿道(キョンギド)の農業高校の教師・A(52)とB(42)だ。

 Aは昨年4月から計31人の女子生徒に、授業中に自身の尻をマッサージさせたほか、自身も女子生徒たちの体にタッチを繰り返したという。一方Bは、2015年3月から7月にかけて、廊下ですれ違った女子生徒の尻を触った疑いがもたれている。Bの魔の手にかかった女子生徒は判明しているだけで55人に上る。

 学校側が全女子生徒204人を対象に調査した結果、72人がセクハラを受けた経験があることが判明。うち14人は、問題のAとB両方からセクハラを受けたと主張している。


 Aが校内の風紀を取り締まる生活安全部長を務めていたことは、さらなる非難の的となった。

 韓国ネット民の間では、「こいつらが裁かれるのは当然として、見て見ぬふりを通した校長と教頭もクビにすべき」「こんな人間が生徒をどう導くのか……」などと、怒りの声が上がっている。

 この事件が発覚したのは7月下旬だったが、両容疑者が児童・青少年の性保護に関する法律違反および児童福祉法違反などの疑いで逮捕されたのは8月26日になってからだった。これだけ時間がかかったのは、Aが早い段階で容疑を認めたのに対し、Bはかたくなに否認していたからである。

 さらに同校では、両容疑者以外にも5人の教師にセクハラや暴言などの疑いが持ち上がっており、学校側がこうした行為を黙認していた事実も浮き彫りになった。5人は行政処分となったが、この学校にまともな教師はいないのかと心配になるほど、不祥事のオンパレードである。


 だが、教師による女子高生に対する大量セクハラ事件は、この学校だけではない。実は、今年7月からたった1カ月の間だけ見ても相次いでいる。

 全羅北道(チョルラプクド)の高校では、体育教師が35人の女子生徒を教務室に呼び出し、セクハラを行っていたことが発覚。釜山(プサン)の高校では、男性教師4人が21人の女子生徒をセクハラしたとの疑惑が浮上し、現在調査が行われている。

 これらの事件に共通するのは、被害者が多数存在し、人目をはばからず行われていたという点だ。専門家たちは「被害者が多数いるという事実は、教師がセクハラを性犯罪と認識していなかったということ。
また同時に、教師という立場を利用していたのでは?」と指摘している。

 韓国で相次ぐ、教師による女子生徒への醜聞。「教職は“聖職”である」というのは幻想のようだ。
(文=S-KOREA)