台風中継の「パンチラ」拡散ツイートに女性が不快感「日本で生きていたくない」
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たとえ公の場で見えたものだとしても、女性の意図せずめくれてしまったスカートや、のぞいてしまった下着を“エロ”扱いするのはいかがなものか――。不快感を表明した女性が、なぜか逆に批判される事態となってしまっている。


下着画像の拡散に「マジ無理」


台風シーズンの中、あるTwitterユーザーは、これまで台風中継に写り込んだ、強風でスカートがめくれる女性たちの画像を投稿した。当該ツイートは、「エロいパンチラ」として拡散されていったが、ある女性Twitterユーザーは「日本で生きていたくないもうマジ無理」「女性は人間なのそういうこと言わないで」と厳しく批判。すると女性に対して、「テレビに映ったものなのに」「男が女性を性的な目線で見るのは当たり前」といった批判が殺到する事態となった。

さらに「日本が嫌なら出ていけ」といった過激な言葉や、「あなたみたいな人間が盗撮される可能性なんてない」といった見当はずれの中傷までぶつけられている。

女性に対する批判の多くは、「男の性欲は仕方ないものなのに、それを批判するなんて横暴だ」というニュアンスのものだ。しかし、彼女はあくまで、テレビに偶然映ったものにしても、それをエロティックなものとしてわざわざ拡散させる行為に嫌悪感を抱いたことを強調している。つまり、性欲それ自体ではなく、性欲の表明仕方に不快感を覚えているようだ。
女性の感覚に賛同する人々も多く、「個人で収集するならともかく、拡散させるのは別」「自分も男性ですが、不愉快に感じる」といった声が寄せられている。

SNSは“公共の場”か否か


この問題の奥には、SNSをどこまで“公共の場”として捉えるかという意識の差があるように思われる。おそらく下着画像を拡散させたTwitterユーザーも、女性の同僚もいる職場で堂々と「台風の日はパンチラが見られる」と画像を広げることはしないだろう。趣味の合う人々に向けたジョークのつもりで投稿したはずだ。

同様のことは、すっかりネット上では定番になった“ロリコン”ネタにも言えるかもしれない。Twitterでは、アカウント名に「ロリコン」と付けるユーザーは少なくないが、彼らの雰囲気は、社会的に許されない性的嗜好を持つ人間が自由に発言できる場をネット上に見出したというよりは、ただ仲間内でウケるためのジョークとしてロリコンを選んだというようなものだ。
とはいえ、彼らが繰り出す「近所の小学校で~」といった“ネタ”ツイートは、小さな子供を抱える親が目にしたならば不安を覚えるものだろう。実際に2014年、あるクリエイターが「全裸で水浴びしている女児の写真を撮った」とツイートしたところ、批判が殺到して、撮影したというのはあくまで架空の“ネタ”話だったとして謝罪している。

SNSを仲間内で盛り上がれる場所、リアルでは言えないような本音も言っていい場所として捉える人間にとっては、先述の女性による“公の場で拡散させるべきではない”という主張はピンと来ず、ただ“当たり前の感覚を非難された”と感じるのかもしれない。SNS上でセーフとする発言のレベルは人それぞれだろうが、とはいえ人によって意識の差はかなり著しいようだ。

(HEW)