日本にラグビーブームを巻き起こした五郎丸歩選手が、香水をフロデュースしたという。しかも今年の4月に続いて2度目だとか。
商品名はズバリ、「ビー ルーティーン」。4月発売の第一弾は5か月で2万本という、香水業界でも異例の大ヒット。二弾目は10月17日に発売されたばかりだとか。しかもいずれも、「五郎丸選手を象徴する『集中力』をキーワードに、常に『集中』を求められるビジネスマン向けに開発した香水」だという。香水には普段あまり縁がない筆者だが、気になる2つの商品の香りを嗅ぎに行ってきた。

訪れたのは台東区・ウエニ貿易。
時計、ファッション雑貨、アクセサリー、フレグランスなどの各種ブランドを取り扱う専門商社だ。海外ブランド品の輸入卸においては業界ナンバーワンのシェアを誇るという。
ラグビー・五郎丸選手プロデュース“香水”「ビー ルーティーン」の香りを嗅ぎに行ってきた
フレグランスでは「サムライ」「ジャガー」「グレ」の総代理店を務める


案内された先は、クライアントやバイヤーなどに、開発した香水を説明するショールーム。
一角には、「フレグランスバー」なる場所も。
ラグビー・五郎丸選手プロデュース“香水”「ビー ルーティーン」の香りを嗅ぎに行ってきた
実際に気になった香りを味わえるという こんなバーが街にあったらいいかも

と、奥には五郎丸選手のポスターとともに、お目当ての商品が陳列されていた!
ラグビー・五郎丸選手プロデュース“香水”「ビー ルーティーン」の香りを嗅ぎに行ってきた


打ち合わせのテーブルにも、さり気なく置かれている!早く嗅ぎたい!
ラグビー・五郎丸選手プロデュース“香水”「ビー ルーティーン」の香りを嗅ぎに行ってきた

今回商品を説明していただいたのは、「ウエニ貿易 コスメティック事業部」の橋本麻衣さん。まずはそもそもなぜ五郎丸選手にオファーしたのか、その起用理由から聞いた。


五郎丸選手を起用した理由


「もともとは、スポーツ選手とコラボした香水をブロデュースしたかったということが始まりでした。サッカー選手や野球選手など何人かの方々の名前が候補にあがったのですが、意外性を狙いたいということで五郎丸選手にオファーさせていただきました。それまで五郎丸選手自身、フレグランスのユーザーというわけではなかったのですが、汗をかいたときにつける香水には興味があるということでOKをいただきました」(橋本さん)

ただ、せっかく五郎丸選手を起用したのだから、普通の香水を作ったのでは「面白み」に欠ける。そのときに出てきたキーワードが「集中力」だった。彼が試合中、両手を合わせて祈るおなじみのポーズが集中力を高めるために行っていることはあまりにも有名だが、ウエニ貿易としても、「薬事法の兼ね合いで、作った香水が集中力を高めるとまでは断言できないものの」、それをコンセプトにした香水作りができないかと考えたのだという。ターゲットも、五郎丸選手と同世代の20代後半から30代のビジネスマンと想定。常に集中力が求められる彼らが、日常で使えるものを目指したという。


二人三脚で開発する日々


そこから、まだ海外生活中だった五郎丸選手と一緒に開発に取り組む日々が始まった。

まず香料のメインは「レモン」に据えたという。爽やかな香りが脳の前頭葉に働きかけて集中力を高めるという研究結果が大学教授から発表されており、また、ほかの治験でもそうした症例が報告されていることから選ばれた。

そのレモンを基調に、複数の香料を調香してできた10種類の香りを、エージェントを介して五郎丸選手に海外に送り、実際に嗅いでもらった。

五郎丸選手からも要望を受けて香りを調整。再度送ってやり取りしながら、結果的に1つに選定した。

トップ・ミドル・ラスト 香水が香る3つの順番


勉強不足の筆者は知らなかったが、1つの香水でも、時間が経つにつれて香りの変化があるという。つけた瞬間に立ちのぼる香りと、しばらくして鼻をくすぐる香り、最後に味わえる香りと計3回あり、それぞれ「トップ」「ミドル」「ラスト」と表現するそうだ。


4月に発売された第一弾商品「ビー ルーティーン オードトワレ」は、「トップ」がレモン・ベルガモット・グリーンアコード・バジル。30分ほどで出てくる「ミドル」がホワイトフローラル。2時間後くらいまで残る「ラスト」がムスクとウッディだという。
ラグビー・五郎丸選手プロデュース“香水”「ビー ルーティーン」の香りを嗅ぎに行ってきた
ボトルは、気持ちを落ち着かせる「青」を基調とした色 ボトルのデザインなども五郎丸選手と話し合いながら完成までに1年費やした


いよいよ集中力が高まる!?香水を嗅いでみる


そしていよいよ、嗅がせてもらうことに。ビンのフタを取り、リトマス試験紙のような紙に噴霧して香ります。橋本さんのお薦めは、足首や膝の裏、ひじなどにそっとつけるか、噴霧した中に体ごと入るなどして、さり気なく香りが伝わるようにすると良いとのことでした。

ここからは筆者の感想を綴っておく。
「食レポ」ならぬ「香レポ」だ。

「いわゆる、あの鼻にムンとつくようなイヤな感じでは全然ない。レモンのフレッシュな香りがふぁと立ち込めて、でもそれだけではなく、きちんと香水として成り立っている。ただ、ダンディーな大人の男性というより、爽やかなビジネスマンが気軽につけられる、『普段づかい』にぴったり。もちろん集中力も湧きそう。頑張る力が途切れたら、これを嗅いでまたグッと乗り切れそう」

……伝わっただろうか。



第二弾も香ってみた


続いて17日に発売されたばかりの第二弾「ビー ルーティーン エンハンスネイビー オードトワレ」もいってみます。リリース資料によると、今回は最初に立ちのぼる「トップ」として、レモンに加えて「グレープフルーツ」「ピンクペッパー」も入れてあるという。さらに「すがすがしくアクティブに香る、スパイシーシトラス」と書いてあるが……。


ラグビー・五郎丸選手プロデュース“香水”「ビー ルーティーン」の香りを嗅ぎに行ってきた
ボトルの青色も第一弾より香りの濃さを表すため、若干濃いめ 

第二弾の香りは…
「レモンの香りはそのままに、ピンクペッパーが入っていることで、第一弾より、鼻のくすぐり方が鮮やか。パッと目の前が開けて、グッと気合が入る感じ。商談や打ち合わせなどでも相手がつけていても気にならない、『香るとうれしい』一品」といったところ。橋本さんも話していたが、フレグランスにそこまで関心のない人もつけられるアイテムだ。

橋本さん曰く、出来上がった商品は五郎丸選手も普段から使っているほか、周りの方々にも薦めてプレゼントしているという。試合のキックが決まったら、いつものポーズだけではなく、この香水のお陰かも!?

まとめ


集中が期待できるとされるこの商品。筆者も原稿を書くスピードも若干上がった(ような気がする)。

第一弾、第二弾とも全国のバラエティショップや家電量販店、ディスカウントストアで発売されているという。お問い合わせは「ウエニ貿易」(03-5815-5707(9:30~17:30、土日祝日除く)まで。