暴行された高校講師は「情けない」と尾木ママ 学校教育に警察を介入させるべきか?
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福岡市東区の私立博多高校で、男子生徒が授業中に男性講師を蹴るなど暴行して逮捕された。この一連の騒動を受けて、尾木ママこと教育評論家の尾木直樹さんは、「情けない」と男性講師側を批判。
また、タレントの武井壮さんは「きちんと法で裁かないといけない」と主張しており、ワイドショーでもさまざまな意見が上がっている。

尾木直樹さんは講師側の非を指摘


博多高校では9月28日の授業中、1年生の生徒が新任教員を暴行する事案が発生。この様子を撮影した動画がSNSに投稿されたことで大炎上し、問題の生徒は傷害容疑で逮捕された。

多くのワイドショーでも取り上げられた事件だが、尾木直樹さんは10月2日放送のフジテレビ系「直撃LIVE グッディ!」で、「本当に情けない。何をやっているのかと思う」と男性講師に対してコメント。男性講師が暴行を受けている際に動画内で他生徒から笑い声が上がっていたことについて、「怒ると笑われてしまうのは、怒りの表現方法がある意味下手ということ。すぐに授業を止めて、『何をやっているんだ。
暴力はおかしい。先生も十分じゃないけど……』と話せば、生徒はわかりますよ」と語り、講師側にもやりようがあったのではないかとの見方を示した。

「直撃LIVE グッディ!」では「話せばわかる」と発言していたが、かといって尾木さんは、生徒に対して非暴力を貫くべきとの考えでもないらしい。10月1日に更新したブログでは、「教師は体罰禁止されているため何も手出しが出来ない??のは問題じゃないのか?」とも問題提起している。

武井壮さんは逮捕措置に賛同


お笑い芸人の小籔千豊さんは、3日放送のフジテレビ系「バイキング」で、「先生たちに権限を与えてこなかったので、こういうふうになっている」と主張。「先生にもどつく権利を少し与えた方がいい。職員室に呼び出して(生徒を)ボコボコにしてもいいと僕は思う」と語っている。


また、武井壮さんは、2日放送のTOKYO MX「バラいろダンディ」で、「明らかな暴行だから、生徒と先生の関係を超えてしまっている」とコメント。「厳しい措置をしていった方がいいと思う。そのために少年法とかがあるし、『こういうことをしたら逮捕されて断罪される』っていうことがもっと世に出ないと、いつまでもこれをやり続けられる。親も先生もそれを言えない時代なんだから、きちんと法で裁かないと。抑止力になればいいと思う」と逮捕措置に賛同した。なお、体罰については「力で押さえつけても、今度は先生が責められることになる。
子供はケガをしたり」と否定的な見方を示した。


体罰を認めるのは“学校”で対処しようとするからこそ?


上記三者の意見を大別すると、武井さんだけ立場が違うと言えるのではないか。それは体罰に賛成していないというだけではなく、武井さんは教育の場に“法”を介入させることを推奨しているからだ。尾木さんと小籔さんがある程度体罰を認めている様子なのは、それだけ問題のある生徒に学校空間で対応しようとしているからだろう。

警察の介入をめぐり、かねてより教育現場で議論されているのが、「警察に引き渡すことは、問題のある生徒を学校が見放したことにならないか?」ということだ。現場の限界は確かに存在する。
しかし、そういった青少年を正しい方向に導くのが教育というものではないのか――。そのようなジレンマの中、学校教育は行われている。近年では、警察に引き渡すことが単純に教育からの排除となってしまないよう、学校と警察の連携の仕方があらためて模索されているようだ。

“教育”と“法”の関係について考える機会としてはうってつけと言える今回の騒動だったが、残念ながら現在、博多高校が掲出した謝罪文が過去に他校が発表した謝罪文と酷似しているという指摘があったため、ネット上の話題はすっかりそちらに移ってしまっている。

( HEW)