顔出しNGゲストの赤裸々な話を「人形劇」というモザイクで包み込む『ねほりんぱほりん』。元薬物中毒者や芸能スクープ記者、痴漢えん罪経験者、ナンパ教室に通う男など様々なゲストから、地上波で聞けるギリギリの話を2匹のモグラ(山里亮太&YOU)が掘って掘って掘りまくってきた。
今年3月に惜しまれつつ終了したものの、この10月からシーズン2がスタート。さっそくモグラのお二人に、再開の喜びなどを聞いてきました!
「僕らはラッキー」ここはオアシス
── シーズン2が始まると聞いて、第一印象はいかがでしたか?
山里:やっぱり帰ってきたかと。終わったときに、普段しゃべりかけてくれないような人たちもみんな「いやー残念だったんだよー」「また帰ってくるよね」ってずっと言われてたんで、やっぱりこんだけみんなが言ってくれるもんは帰ってくるんだなと。まあシーズン1で多分ハードルは上がりきったと思うんですよ。そのハードルを果たして越えていくことができるのかという、不安も同時に覚えましたね。はい。
YOU:右に同じく。
山里:燃費がいい(笑) でも思いましたもんね。ホントに。
YOU:そうなんです。
山里:いやだって、シーズン1が終わったときに、僕ら普通だったら「悲しい」ってなるはずなんですけど、いやこれは、終わるべきだって思いましたもんね。
YOU:一回ね、うん。
山里:このクオリティをずっとやってくのは、違うと。
YOU:そういうことです。
山里:YOUさんの思うこと全部わかるんだ僕は。合ってますよねYOUさん?
YOU:もちろん!
── 『週刊ザテレビジョン』(2017年5月5日号)では、「復活してほしい番組」第2位にランクインしていました。
山里:1位は?
── 『笑っていいとも』です。
YOU:そりゃそうだ。
山里:そこに続いてるってすごい。ホントどの現場でも、表方裏方全員に言われるんですよ。あれいい番組やってんねーって。カンニング竹山さんからも「あれだけは必ず見る」って言われたりとか。YOUさんと言ってんのが、「ラッキーだったなー」って。
── ネット上の反応とかも見られますか?
山里:ホント、お褒めの言葉しかない。
YOU:珍しいね……。
山里:そうです、僕にお褒めの言葉が来るって本当に珍しいんで。ありがたいです。オアシスです。
鹿児島空港で芸能スクープカメラマンとバッタリ!
── シーズン1でも様々なゲストが登場しましたよね。特番で再登場する方もいました。
YOU:元薬物中毒者の方は定期的に会わないと。
山里:僕らカウンセリングだと思ってますから。
YOU:会いたいですね。(※元薬物中毒者の女性は『あけましてねほりんぱほりん』(2017/1/1放送)『夏の終わりのねほりんぱほりん』(2017/9/1放送)に登場し、定期的に近況を報告している)
山里:元国会議員秘書の方もすごかったですね。
YOU:あの方、あの後お手紙かなんか来たんじゃないかな。
山里:しっかりしてるわ〜。あ!YOUさん僕ね、この前たまたま会ったんですよ、芸能スクープカメラマンに! 鹿児島空港で!
YOU:やー!むかつくー!(※2016/1/3放送で登場した芸能スクープカメラマン。芸能人のスクープを徹底的においかける執念にYOUさんは「死んでくれないか!」と発言)
山里:飛行機待ってたら、「どうも」って来て。で、言われたんですよ。「昨日は鹿児島中央の屋台村で、ずいぶん派手に遊んでましたね」って。
YOU:あはは(笑)
山里:「え!? 撮った?」「撮りました」「記事になる?」「なりません」……そりゃそうです、ベロベロになって母ちゃんと飲んでたんですもん(笑)母ちゃんと母ちゃんの友達と。
YOU:いい写真が撮れてたらもらいなさい!
山里:あのときYOUさんが「死んで!」って言ってたけど、まだ生きてましたよ。
YOU:ぐうの音もでなかったね、最後ね。「僕らは事実を写真に撮っているだけです」って言われたら。そうだね……って。
山里:僕ら、むっちゃケンカする気満々でしたけど、「ぐう……」って言って終わりましたもんね。
YOU:そういやキスしてんのはこっちの都合だし。
山里:別に捏造じゃなかったですからね……。
YOUさんが台本を見ないからできること
── シーズン2になって、パワーアップした部分というのはありますか?
山里:YOUさんはね、いい意味で全く変わらないです。
YOU:そうですね。三日ぐらい前に台本が届いて、熟読して……。
山里:してないでしょ!だってYOUさん毎回、「始まってんの?」「今日誰?」って言うじゃないですか。○○ですよって言うと、「ふーん」って(笑)
YOU:この人がちゃんとね、舵取りをしてくれるっていうのがあるので。私はもう、いち視聴者として声をお届けしようと。ま、アンカーに近い……。
山里:自由なアンカーなんで。「ちょっと一個先にきいていい?」って大オチ聞くときありますからね。
YOU:順番を打ち合わせしてないから……(笑)
山里:YOUさんは興味を持ったところで質問するんですよ。ゲストも「あ、そこを聞いてくれると思わなかった」と嬉しそうにしゃべり始めて、そこがハネたりもする。ちょっと変わった人だと、共感ってのは実は邪魔になっちゃう可能性もあるんです。でも共感の形が、YOUさんオリジナルの共感の仕方なんで、「単純に変な人」って終わらせないで済むことができたりするんですよ。それはやっぱこの番組の新しいところで、いいなって思いますね。
YOU:ちゃんとしゃべれるね〜。
山里:ありがとうございます。代弁しているだけでございます。
── 「ブタのぬいぐるみ」という仕組みはあるにせよ、ゲストの方があそこまで赤裸々に話してくれるのは、なぜなんでしょう?
山里:『ねほりんぱほりん』って、来る人みんな異様に信用してくれるんですよ。モザイクやシルエットとかは「ひょっとしたら」って怖さがあるかもしれないですけど、このシステムは圧倒的信頼度があって。まぁ〜みんなブレーキ踏まずいってくれるんで。それはほんといいなーと思います。
YOU:ゲストの方は、他の人とちょっと違うことに関して、自分で認めてる部分がおありなのかもしれませんね。経験だったり思考だったり……。割とみなさん、お話しする気持ちがあるというか。もちろん、スタッフさんがゲストの方と充分コミュニケーションしていただけるからだけど、いざとなると、みんなふぁーっと色々しゃべっていただけるので。
山里:僕らホントはケンカしたい、怒ってやりたいくらいの気持ちでいくんだけども、向こうが誠心誠意全部言ってくれるから、嫌なやつじゃないし、いいやつだなみたいな。
YOU:薬物、やっちゃおうかな……みたいな。
山里:やっちゃおうかなは違うんですけど。
YOU:実際会うと、愛情が生まれるんですよ。なんかね、なんとかしてあげたいみたいな。
山里:ホントこれ、YOUさんの「なんとかしてあげたい」の気持ちから出てくる、お悩み相談になる瞬間があるんですよ。ゲストの方も、悩みを解決してもらった瞬間に、もっといろんなことを話して、もっと自分の中に答えを出して帰りたいって火がついちゃう。バーってYOUさんと盛り上がって、すごい本音がぶつかりあってて、そこもいいとこだなって思いますね。
YOU:楽しい。
山里:元薬物中毒者の方も取り上げたときも、普通に「どうなの?」と。いま絶対バレない、誰もいない、ここに薬あります、どうする? って聞いたら「やっちゃう」って。
YOU:すごい正直に話してくれるんですよね。
今夜10月4日23時からEテレで放送がはじまる『ねほりんぱほりん』。初回のテーマは「少年院に入っていた人」。山里さん自ら「上がりきったハードルを軽々越えてきた」と語るシーズン2、インタビューは後編に続きます!
(井上マサキ)