祝『それが声優!』アニメ化決定!!

2015年2月スタートの「Go!プリンセスプリキュア」でキュアマーメイド(海藤みなみ)役を務める人気声優の浅野真澄(ペンネームは「あさのますみ」)が原作を書き、「週刊少年サンデー」で『ハヤテのごとく!』を連載中の畑健二郎が作画を担当。異色の豪華コンビが同人誌として制作している声優あるある4コマ漫画『それが声優!』

2011年冬のコミックマーケット81で第1巻を頒布して以来、コミケを中心にコンスタントに新刊を発表。WEBでの連載もスタートするなど、着々と作品の世界観やファンを広げてきました。
そして、ついにコミケ87最終日の今日、「それが声優!」のTVアニメ化決定が発表!
1巻からアニメ化を信じてきた筆者にとっても待望のニュースということで、早速、お二人に今の心境などをうかがいました!!

──TVアニメ化決定、おめでとうございます!
あさの&畑 ありがとうございます。
──今の率直なお気持ちを教えてください。
あさの こうして発表できるようになるまで、私はずっと半信半疑で。アニメ化の話って、途中でポシャっちゃうこともよくあるじゃないですか。

──そういう話は、よく聞きますね。
あさの 私、1話目のアフレコをしたのに、その作品が無くなったことすらあるので(笑)。
──それは、すごい話ですね!
あさの なので、ずっと喜び過ぎないようにしようと思っていました。でも、さすがに発表できるようになったら大丈夫だと思うので(笑)。ここまで長かったな、そして、とにかく嬉しいなという気持ちです。今の時点では、まだ設定などをチェックしている段階なので、早く動いているところを見たいです。

──畑さんは、どのようなお気持ちですか?
 僕にとっては、ある意味、(『ハヤテのごとく!』に続いて)2度目のアニメ化なのですが、出版社がアニメサイドとの間に入ってくれてアニメ化をするのと、完全に一から自分がかかわるのとでは、こんなに違うんだなという驚きが大きいです。原作者って、普通だとお膳立てが整ったところに呼ばれるので。
──早くから関わることになると、考えなきゃいけないこと、決めなきゃいけないことも多くなりますね。
あさの 「監督や脚本家は誰か良いですか?」といったことも聞かれたし。そもそも、最初はスポンサーがまだ100%は集まってなかったですからね(笑)。
 そうそう(笑)。

──「今、製作委員会のメンバー集めてますので」みたいな?
 ええ。製作委員会ができる前に、原作者が呼ばれるって、普通はないと思います(笑)。
──この取材の前もアニメ製作に関する会議だったそうですが、こういった会議に参加されるのは初めてですか?
 初めてではないですけど、『ハヤテ』とは関わり方が違う感じですね。普通は、原作者って、どうしてもお客さんみたいな立ち位置にいると思うので。今回は、アニメの制作メンバーの一員になっている感じがさらに強いです。
──アニメに関わる際の立場の違いということであれば、あさのさんの方がもっと違いは大きいのでは?
あさの そうかもしれないですね。
声優として私が関わったことがあるのは、アニメ作りの本当に一番最後の作業だけなので、「アニメってこんな風にできるんだ」ということにすごく驚きました。一つ一つが新鮮です。
──原作者としては普通のことでも、声優さんにはあり得ない状況ですよね。
あさの アフレコの時、監督や音響監督のところにいるたくさんの大人たちは誰だろうと思っていたんですけど、製作委員会の人たちなんだってことも分かったし(笑)。すごくありがたい経験をしています。

出版社の力は借りないで、TVアニメ化決定!

──アニメ化については、どの程度意識されていたのでしょうか? やはり、同人活動を始めた時からの野望でしたか?
あさの 私としては、「アニメ化」という野望はもちろんあったんですけど、アニメ化と一言で言っても、WEBアニメとか5分アニメとか、いろいろな形があるじゃないですか。
まさか、TVアニメという形で野望が叶うとは思っていなかったので、すごく嬉しかったです。それに、実は同人誌の1巻を出してすぐ、ドラマCD化しませんかというお話はいただいたんですね。
──そうだったのですか!
あさの でも、もしいつかアニメ化することになった時、ドラマCDからキャストが変わったりしたら切ないと思って……。
──どこかで聞いたような話ですね(笑)。
あさの ええ、アニメ化の時にキャストが変わってしまうという話を、『それが声優!』の中でも描いているんですよ。だから、そこは将来のために、血を吐く思いで、ドラマCD化の話をお断りしたんです。
いつかアニメになることを信じて……。念願がかなって良かったです。
──キャスト変更を避けたいという思いの強さが、普通の原作者よりも断然強いですね!
あさの あはは(笑)。
 僕は、アニメ化という事に関して言えば、夢ではなかったというか……目標という感じで。どうやったら、アニメ化できるだろうということを、ずっと考えていました。だから、TVアニメ化という形になったのは、とても嬉しいですね。
──一ノ瀬双葉、萌咲いちご、小花鈴という3人の新人声優の物語としてスタートした『それが声優!』ですが、同人誌の他にWEBでの連載も始まり、登場キャラクターも増えてきました。同時に世界観も広がって来ていると思うのですが、そこはやはりアニメ化を意識していたのですか?
あさの まず、少しでも多くの人に読んでいただきたいという気持ちがあって。WEBを始めたのも、やっぱり無料で読めると、そこからいろいろな人が入ってくれるからなんです。そうやって間口を広げていって、いつかアニメ化できればという気持ちでした。
──畑さんは、「週刊少年サンデー」で『ハヤテのごとく!』を連載しながら、同人誌と、WEBの『それが声優!』も描いているわけですよね。さらに、アニメ化の準備も……。
 かなり大変ではあります(笑)。あ、大変と言えば、この場で一つ強調して伝えておきたいことがあるんですけど!
──はい、なんですか?
 今回のアニメ化決定に至るまで、出版社の力は一切借りてないんです!
──そうなんですか!?
 はい。まっ〜〜〜〜〜〜たく、借りてません! というのも、実際にどういう過程を経れば、(漫画が)アニメになるんだろうということを、自分で経験して知りたいという気持ちが僕の中にあったんです。だから、自分たちだけでアニメ会社の人と交渉したり、話したりして、その結果、こうしてTVアニメ化できたんです。
あさの そうなんですよ。
 まあ、この先は、宣伝で小学館の力を借りることもあるとは思うんですけど(笑)。
あさの あはは(笑)。
 ここまでは借りてないですよ! というのは強く言っておきたいです(笑)。
──俺ら、めっちゃ頑張ったと(笑)。
 そう(笑)。ぶっちゃけ、僕の個人的な知り合いから伝手を辿って、アニメ会社さんに「この漫画をアニメ化しませんか」と持っていって、ここまで来たんです。
──持ち込みをしたのですか?
あさの 自分で同人誌を梱包して、送ったりもしたんですよね?
 全部、自分たちで頑張りました。
──その頑張りがTVアニメ化という最高の形で実ったわけですね。放送などは、まだ少し先だと思いますが、今はどんなことが楽しみですか?
あさの 実際の声優が作った声優の話なので、それがどれくらい世の中に伝わるのかな、楽しんでもらえるのかなという部分は、楽しみであり、怖くもありというのが正直な今の気持ちです。基本的にお話はフィクションですけど、作中で起きている出来事自体は現実に即したものなので、声優ファンの人、声優になりたい人、あと、アニメが好きな人にも、楽しんで頂けるんじゃないかなと思ってはいるのですが……。
 実は、アニメ化の話が具体的に動き出したのって、約1年以上前なんですよね。それだけ長い時間をかけて作っているので、クオリティには期待できると思っています。というか、期待したいです!(笑)。
(丸本大輔)

<プロフィール>
浅野真澄●あさの・ますみ。1999年に声優デビュー。「一騎当千」(孫策伯符役)、「ハヤテのごとく! 」(朝風理沙役)などさまざまな作品で活躍。2007年には、『ちいさなボタン、プッチ』で、第13回おひさま大賞の童話部門最優秀賞を獲得。同作品にて絵本作家デビューを果たした。小説家、作詞家としても活動中。

畑健二郎●はた・けんじろう。2002年、『神様にRocket Punch!!』で漫画家デビュー。2003年には、『海の勇者ライフセイバーズ』で連載デビューも果たした。2004年から『週刊少年サンデー』で連載スタートした『ハヤテのごとく!』が大ヒット。現在、単行本は42巻まで発売され、TVアニメ化、劇場アニメ化、OVA化もされている。

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