アニメ作品の舞台となった場所へ実際に訪れる「聖地巡礼」。大好きな作品へのさらなる理解を可能にするディープな楽しみ方として、アニメファンの間で定着しつつあるそんな「聖地巡礼」ですが、その新しいカタチを埼玉県秩父市は提案します。

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©ANOHANA PROJECT

2011年に放送されたテレビアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(あの花)」。同作は2013年には劇場版が公開、2015年には実写ドラマが放送されるなど、非常に大きな注目を集めましたが、その「あの花」の舞台になったのが、埼玉県秩父市。特に新旧秩父橋は作品の象徴的なスポットとして認知されており、アニメ放送中はもちろん、放送が終わった現在も巡礼に訪れるファンが後を絶ちません。

聖地巡礼の新たなカタチ!埼玉秩父をピカピカにした40人のアニメファン

そんな秩父橋にて、このほど、ファン有志による清掃活動が行われました。一週間前という直前での開催アナウンスだったにも関わらず、県内外から集まったファンはなんと四十人以上。

集まったメンバーは秩父橋周辺での除草やごみ拾い、橋脚の落書きを消すなどの活動を行いました。

聖地巡礼の新たなカタチ!埼玉秩父をピカピカにした40人のアニメファン

ホームページやSNSを通じて活動を呼びかけたのは、秩父市観光課でした。
秩父橋の落書きはアニメ放送前からあったもので、現地に訪れたファンの間では「なんとかしたい」という声が多くあったそう。今回の活動はそうしたファンの声に、市と作品関係者が応えた形になります。

聖地巡礼の新たなカタチ!埼玉秩父をピカピカにした40人のアニメファン

「テレビアニメの放送終了から6年。ファンやアニメ関係者、行政の気持ちが動いた結果、ファンと共に素敵な活動ができた。

今までのイベントとは一歩違うステージで、みんなの気持ちが繋がったように思う」
活動をこう振り返るのは、企画立案に携わった秩父市役所産業観光部観光課の主幹・中島学さん。SNSの爆発的な普及は私たちの生活に様々な弊害をもたらしましたが、こうした時局のなかにあって、「繋がりやすさ」というSNSが持つ正の側面を活かした今回の活動が成功を収めたことに、中島さんは手ごたえをにじませています。

聖地巡礼の新たなカタチ!埼玉秩父をピカピカにした40人のアニメファン

企画段階での中島さんは「橋の塗装と除草作業をお願いできれば」と消極的に考えていましたが、当日集まったファンたちは自ら周辺の清掃活動を提案するなど非常に積極的。中島さんは聖地に対するファンの思い入れの強さに、改めて感動したと言います。「作品自体に新たな動きはないが、それでも秩父を聖地として訪れてくれるファンがいる。ファンの中で作品は生きているのに、聖地がとまるわけにはいかない。

聖地としてファンにお返しがしたい」当時の心境とともに、今後への決意を熱く語ってくれた中島さん、そして秩父市観光課は、こうした活動を以降も定期的に続けていく方針です。

作品の聖地をただ訪れるのではなく舞台の保存にも貢献する「聖地巡礼」の新しいカタチ。それは町の美化に繋がるだけでなく、ファンたちの交流の場ともなり、作品とそれに縁ある地域とをさらに盛り上げてゆくでしょう。
中島さんは最後に、今なお作品を応援し続けてくれるファンたちに向けてこう呼びかけます。「秩父市役所観光課として、自分が担当である限りは秩父市への地元愛、ファン達の作品への愛、聖地への思いを繋げていきたいと思っています。秩父へ来てくれれば私たちの今後の活動の励みにもなります。

ぜひ、秩父へ足を運んでください」

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