6月27日、同じ場所で行われた2つのイベントの評判は天地の差があった。ふかわりょうには「最高」の声が上がり、ダレノガレ明美には「ガッカリ」の声が飛んだのだ。



 午後、タワーレコード渋谷店でフロアを別にして、ほぼ同時間帯に開催されたイベントは、3階がふかわのCD『life is music 3』(SPACE SHOWER MUSIC)の発売記念サイン会だった。ふかわが司会を務める情報番組『5時に夢中!』(TOKYO MX)での宣伝効果もあって、偏りのない老若男女の幅広いファンが並び、中には番組にゲスト出演した縁からか、女芸人・平野ノラの姿もあった。

 番組では個性派ゲストを相手に苦戦するふかわだが、さすがファンの相手は手慣れたもの。おとなしそうなファンには、自ら「どこから来たんですか?」と声をかけて緊張をほぐし、サインもひとりひとりの名前をきちんと聞いて書き入れる丁寧な対応。こうしたイベントでは撮影禁止が通例だが、カメラを向けるファンには「ちょっとみんな勝手に撮ってるけどさ!」と一瞬、場内を緊張させ、その後にニコリ。

「……もっといっぱい撮ってくださいね!」

 ドッと笑い声が溢れた。
その後も、ふかわは並んだファンを退屈させないよう、サインしながらときどき声をかける気配りを見せた。男性ファンからは「ふかわさん、最高!」の声も飛んだ。

 しかし、この非常によい雰囲気とは対照的だったのが、地下1階で行われたダレノガレ明美のフォトエッセイ本『I'll give you my all』(宝島社)の発売記念サイン会だった。もともと4階で開催予定のところ、主催者都合で地下に変更になる段取りの悪さから始まったため、遅刻してのスタート。並んだファンの大半は若い女性が中心で、制服姿の女子高生も多数。冷房が効いていない中、待っていたファンたちは汗だく。
開始予定を約10分すぎでダレノガレがようやく登場。「きれい!」と歓声が上がったが、冒頭のトークは本の制作にまつわる苦労話が手短に話され、反応はイマイチ。すぐにファンの質疑応答に入ったが、ダレノガレの回答がダラダラしていて、ゆるい進行に。

 さらにサインをする際「あたし、漢字が書けないんで」と名前入れを嫌がる始末。スタッフが慌てて「イベントチケットの裏にご自分の名前を書いておいてください」とアナウンスしたが、この日、参加者は受付するのに2度も名前を書いており「3度目だよ」と不満の声も上がった。明らかにふかわの方と比べて列の消費も遅く、最後尾は開始から90分以上も待たされた。


 当然、撮影は禁止だったが、ハート型のサングラスをかけた異様なスーツ姿の男性が、これを無視して撮影。スタッフに制止されかかると「結婚してください!」と大声を上げ、連行されていった。

 このハプニングにもダレノガレは見て見ぬふり。現場を和ますような素振りは見られず「ダレノガレちゃん好きだったけど、なんかガッカリ」と20代女性。フォトエッセイのセールスは好調のようだったが、意外なところでタレントスキルと運営側の采配が明暗を分けていた印象だ。
(文=ハイセーヤスダ)