古今東西、世の中には、さまざまなフェチや性癖が存在するが、アイドル界で最近注目、話題を集めているのが"噛みフェチ"だ。

 耳慣れない言葉で、いまいち理解できない人も多いかと思うが、むろん"会話が噛み合う相手に快感を覚える"や"会話中に噛む人を見て興奮する"といった意味では決してなく、言葉そのままに"相手に噛みつく"ことによって快感や満足を覚えるというもので、ここにきてなぜか、このフェチを告白するアイドルや女性芸能人が急増中なのだ。



「"噛みフェチ"で、最近話題を呼んだのが、ドラマ『学校のカイダン』(日本テレビ系)の主演で人気上昇中の広瀬すず(16)の告白でしょう。ブログで唐突に『最近のマイブームはお姉ちゃんの腕を噛む事』と告白し、大きな反響を呼ぶことに。言わずもがな、彼女のお姉ちゃんは同じ若手女優として活躍中の広瀬アリス(20)であり、この美人姉妹の知られざる日常の告白に、ファンのみならず、多くの人間が衝撃を受けることとなりました(笑)」(芸能ライター)

 彼女に言わせると、「とりあえずお腹がすきすぎたら噛みたくなる」とのことで、ネットを中心に「そんな理由で噛まれるお姉ちゃんがかわいそう」などという声も聞かれたが、3月4日放送の『PON!』(日本テレビ系)でインタビューを受けた広瀬アリスの口から飛び出したのが、「(毎日、お互い)体を噛み合って...。(肩のあたり触りながら)噛んでくるんで私も噛み返す(笑)」という事実。要は、負けじと姉のほうも噛んでいるということが明らかになり、さらなる衝撃をファンに与えました。

「ただ実は、噛みフェチを告白したのは、彼女らに始まったことじゃないんです。
たとえば、今年1月12日に放送された『ヒミツの恋バナナ』(TBS系)では、タレントの熊田曜子(32)、『Popteen』(角川春樹事務所)の人気モデルの平尾優美花(21)、『JELLY』(ぶんか社)の人気モデルの高橋茉莉(21)らが噛みフェチであることを告白しています。特に熊田は"ダンナの内ももを噛む"と表明し、『冬の時期は隠れているからよけいに、見えるとすごく噛みたくなる』といった生々しい内容で、出演者や視聴者を唖然とさせました。

 また、ハロプロ系の人気ユニット『Juice=Juice』のメンバーの宮崎由加(20)と植村あかり(16)は、昨年9月、出演したライブで"互いに噛み合う仲"であることを激白。植村が『この下腕?のところ(を噛んでくる)。この前は二の腕も噛んできて』と言えば、宮崎も『すごいスベスベなんですよ。親の愛情表現というか、甘噛みです。
それに、あーりん(植村)も噛んでくるんですよ!』などと応酬。なんとも楽しげなフェチ告白に、ファンの間では絶句や唖然を通り越して、『これが本当の噛みングアウト!』などと評判になりました」(前出同)

 肩、下腕、二の腕、内ももなど、噛む部位が各自見事に異なっているのが興味深い。だが、なぜ噛みフェチを告白する女性芸能人が増えているのだろう。エロ事情に精通しているライター兼編集者のブライアン飯野氏に聞いてみた。

「"好きな相手を噛む"という性癖は決して特異なものではないでしょう。恋愛感情までは抱かなくとも、女性は手つなぎや頬寄せなど、スキンシップが日常茶飯事ですし、それの一環なのでは? 仮にこれが、相手かまわず誰にでも噛むようになったら問題でしょうが、特定の相手にのみ行なうというのは、女の子同士のじゃれあいですし、健全な行為だと思いますよ」

 グループアイドル全盛の昨今、実は探せばまだまだいるかもしれない。
心理学者のかのフロイトの説によると、噛み癖はよくも悪くも"幼児性の表れ"という見方もあるようだが、アイドルとして異性へのそれを示唆する告白は確かに大問題だが、同性同士のそれは、むしろ親密さをアピールするという意味でも男の影がないという意味でも、アイドルとファン双方にとって微笑ましい行為と呼べるのかもしれない。だが、あまり強く噛み過ぎて、痕が残るようならばまた別問題が発生してしまうのだが...。
(文=織田祐二/『グラビアアイドル「幻想」論』著者)