ロックバンドGLAYが、6月1日に予定していた韓国ソウルでの公演を中止することが明らかになった。バンドのオフィシャルサイトによると、「諸般の事情を踏まえ協議・調整を重ねた結果、中止させていただく事となりました」とのこと。

J-POPアーティストの韓国公演といえば、先月もきゃりーぱみゅぱみゅの公演中止が発表されたばかり。GLAYにいったい、何が起こったのか?

「きゃりーの公演中止は、自身のブログに掲載された初日の出をイメージした画像が『旭日旗を連想させる』と韓国のネットユーザーらの反発を買ったことが原因とみられていましたが、GLAYの場合はそうした日韓関係の問題ではなさそうです。緊迫化する北朝鮮情勢を憂慮して安全策を取ったものだと考えるのが妥当でしょう。そもそもGLAYはアジアでの人気が高く、日韓関係の悪化した状況でも現地で公演に対する反発なんて特になかったですからね」(音楽誌編集者)

 実際、韓国公演が決定した際、現地のネットユーザーらの反応も「わぉ!!!!! 韓国に来る?????? ありがとう!! 待ってます!!!!」「10年以上待ってました! 韓国へいらっしゃい」「耐えて耐えて期待していた韓国公演!」などと、歓迎ムードに包まれていたほど。

「GLAYとアジア各国との関わりは古く、2001年に彼らが福岡で開催した大規模ライブイベント『GLAY EXPO』で、韓国のバンド紫雨林(ジャウリム)や香港の歌手ニコラス・ツェーなど、アジアの人気アーティストらを招いてステージで共演しているんです。そのとき、招聘されたアーティストのファンたちも『GLAY EXPO』にアジア各国から駆けつけたのですが、ステージ上でGLAYのメンバーたちがアジアのファンを前に『次は、あなたたちの国へ行きます』と現地でのライブを約束したんです。

韓国のネットユーザーの書き込みに『10年以上待っていた』とか『耐えて耐えて期待していた』とあるのは、そういう経緯があるから。だから、今回の公演中止は日韓関係の悪化が原因とは、やっぱり考えづらい」(同)

 韓国ファンにとっては、“10年来の約束”も北朝鮮のミサイル騒動でほごにされた格好となってしまったわけだが、安全面を考えれば致し方のないところだろう。ファンのためにも、早期にライブが実現されることを祈りたい。