パリスとも仲良しなのに……?

 “ミキティプロデュース”の大うそが波紋を広げそうだ。

 タレント藤本美貴がプロデュースした焼肉店『炭火焼肉 ホルモン美貴亭』(神奈川・大和市)で高校生16人が食中毒になった件で、藤本側は名前を使用させただけと弁明しているが、藤本プロデュースとして販売されていた関連商品までも、実は偽装表示であったことが判明した。

「藤本美貴プロデュースの食べる焼肉のタレ」

 ハッキリ藤本監修として売られていた商品が、店側によると「ロイヤリティーを支払う形で、当店で考案したモノに名前を使わせてもらっただけ」というのだ。

 藤本はこの商品について、自身のブログで何度も宣伝。昨年11月に「私プロデュースの新商品が出来上がりました」として写真付きで紹介しており、3月にはイベントで共演した韓国の歌手IUにもプレゼントしたことを明かしていた。

 『美貴亭』は昨年、藤本の誕生日である2月26日に横浜市にオープンし、その後4店舗まで拡大した焼肉店だが、いずれも店には全面的に藤本の写真が使用され、看板にもハッキリ「藤本美貴の焼肉店」と書かれていた。しかし、5月末に食中毒が起こると藤本は「私がイメージキャラクターを務めさせていただいております」と、プロデュースをイメージキャラと言い換えた上で「私の名前の付いたお店でこのような事故が起こってしまったことについては、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と、名前だけが使われたということを強調して謝罪した。

 実際、店側の告白でただの名義貸しだったことは証明されたているのだが、ミキティプロデュースだからと食事に行ったり、商品を買った人たちが大勢いたことは藤本のブログのコメントを見ても明らかで、“ミキティ考案”がうそだったことへのショックは計り知れない。

 何しろ“藤本プロデュース”に関しては焼肉店のみならず、つけまつ毛やエプロンなどといった他社の商品でも使われている売り文句だからだ。

 藤本美貴プロデュースと明記して販売している「乙女のエプロン」については、販売元に問い合わせたところ「担当者がいないので答えられない」とのことだったが、当然ながらこちらも名前だけ貸した疑惑は拭えなくなる。ただ、これまで多数のタレントプロデュース商品を扱ってきた都内の芸能プロ社長はこれに反論する。

「タレントがプロデュースしたという商品は名前だけ貸すのが通例。忙しいのにわざわざ商品開発にまで協力するメリットはない。だいたいタレントは売名行為が商売で、文字通り名前を売る仕事。

それの何が悪いのか。本気で製作に関わったと思うほうがおかしい。今後もプロデュース商品は売り続ける」

 これについて、食中毒の被害者である学生の父親に意見を伺ったところ「藤本さんに責任を問うつもりはないですが、子どもが有名人のお店だということで喜んで店に行ったのは事実。それを鵜呑みにした消費者が悪いというのは暴論でしょう。弁護士からは虚偽の宣伝文句によって販売することは詐欺罪に問われる可能性もあると聞いています。プロデュースをイメージキャラクターという言い方に変えたのも、問題があることを分かっているからでは?」と反論した。

 店の名前にまでタレント名を反映させている美貴亭、今後も継続してその名前を使うかどうか、店側は「検討中」だという。
(文=鈴木雅久)