毒舌・有吉が思わず「達者すぎる......(笑)」と吹き出してしまう場面があった。それは、4月22日放送分『アメトーーク!!』(テレビ朝日)「立ちトーーク5」の回で、他の出演者のトークを引き継ぐかたちで、フットボールアワー後藤がスムーズに自分の話を始めたときのこと。

 「達者に越したことないじゃないですか(笑)」と、指摘された後藤本人は苦笑していたが、この「突出したしゃべりのうまさ」が逆にアダとなっているのか、全国でのレギュラー番組を持てず、「なかなか売れない」ということは、過去にも『やりすぎコージー』などでネタにされてきた。

 フットボールアワーといえば、2003年の「M-1グランプリ勝者であり、「M-1」決勝進出100%(4回出場中、4回決勝進出)という、言わずと知れた「漫才のうまいコンビ」。コントにも定評がある。

 だが、同時に「岩尾・ブサイク」という大きすぎる武器を持つ相方の存在により、相対的に「イケメンのほう」になってしまっていた後藤。

 最近は、後藤が単独で『人志松本の○○な話』(フジテレビ)などで活躍する機会も増え、そのトーク力が再評価されているけれど、そもそも遅すぎる評価とも思える。

 強いキャラクターの相方の存在により、実力が注目されづらいという意味では、南海キャンディーズの山里にも少し似ているが、そもそもなぜこれまであまり売れなかったのか。

あるバラエティ関係者は言う。

「フットボールアワーの後藤は、器用さがメリットであり、デメリット。テレビ局的にはいま非常に『好感度』を気にしているので、しゃべりのうまい人よりも、オードリー春日のようにキャラクターのあるほうが受け入れられる傾向があります。たとえば、陣内智則など、1度ネガティブなイメージが定着すると、なかなか出られなくなったりしますよね。フットボールアワーの場合、実力的にはブラマヨともあまり変わらないのに、ブラマヨみたいに売れないのは、『親近感』『好感度』の違いだと思います。自分たちの欠点を笑いにかえるブラマヨは、観ている側が気持ちよくなって、親近感を覚えますが、後藤はしゃべりもツッコミもうまくて、キツい印象がどうしてもあるのでしょう」

 最近、後藤がピンで活躍しつつある理由は......「ひな壇では、コンビの片方だけ出たほうが機能しやすい場合もあって、ほとんどしゃべらない岩尾さんより、後藤さんのほうが機能しやすいというのが一つ。

また、後藤さんというキャラがようやくテレビで生かされるようになり、芸人同士の交友関係やコンビネーションによって、MCのフォローやゲストへのツッコミなど、器用にこなせる人材として便利だという、制作側の事情もあると思います」

 加えて、事務所側の方針もあるのでは? という。

「たとえば、オリラジは事務所がかつては『MCで』『コンビで』という方針だったのに、今はそうでなくなっているように、フットボールアワーも『二人で』という事務所側の方針が崩れてきたのかも」

 ところで、全国的には「実力のわりに売れない」印象があったフットボールアワー。関西では、どうなのか。お笑いに詳しい関西のライターは言う。

「フットボールアワーはもともと関西では異常な人気を誇る夕方のバラエティ番組『ちちんぷいぷい』(MBS)で商店街を巡るコーナーを持っていたりして、すごく面白かったんですよ。関西では『人気』というよりも、『手の中ではスタンダードな漫才ができる』『安心してみれる』と評価の高いコンビで、M-1とって人気出るのかなーと思ったんですが......。

でも、最近あんまり見かけないと思ったら、東にいっちゃったねーという印象ですね。同じように中川家もいっとき『ローカル出ないねー』と言ってたけど、最近また帰ってきた気がするので、そのうち(フットボールアワーも)帰ってくるかなーと」

 「東にいっちゃった」ときから、おそらくかなり時間が経つフットボールアワー。彼らの実力が全国で本当に発揮されるのは、これからだ。
(サイゾー公式携帯サイト「サイゾー裏チャンネル」より)



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