GACKT ボクのコンサートは長いのに、観ると一瞬で終わる。それって人生と一緒だよね/インタビュー2

■GACKT/New Single『キミだけのボクでいるから』インタビュー(2/4)

――インタビュー1より

(アニメーションのMVを観て)表に出ないアーティストっていいなあ、と思ったかな(笑)

――『LAST VISUALIVE』では、教経と義経の間で交わされた愛も描かれていて、あの2曲は、2人の愛にたむけたようにも思えましたが……?

GACKT:いや、そこまでは。それはもう、観た人の感情に任せればいいとは思うんだけど。
『LAST VISUALIVE』においては、この曲は、現代における曲だと思うんだよね。結局、あの『LAST VISUALIVE』で何が言いたいか?というと、過去にあった物語や過去にあった悲しい出来事って、形を変えても尚、現在にもこんなふうに残っているんだよね、ということ。『LAST VISUALIVE』だけじゃなくて、ボクがつくるコンサートは、長いはずなのに観てみると一瞬で終わると思うんだけど、それって、人生と一緒だと思うんだよね。すごく長いようで、振り返ってみると一瞬。あっという間に過ぎて行く。そういうもんなんじゃないの?って。
だから、観に来た人は、(描かれている過去の物語の)あまりの儚さに泣いたりするけど、「でも、それって物語じゃないぜ? みんなの人生と同じだぜ?」って。そこから何を考えて何を感じて行動するかは、自分で考えたら?というのが、ボクのつくる世界観の“余白”っていうのかな? ボクは別に「答えはこうでした。だからこうしなさい」というもんじゃないな、と。「ここからは自分で考えて、やらなきゃいけないことをやったら?」っていうだけだよね。
GACKT ボクのコンサートは長いのに、観ると一瞬で終わる。それって人生と一緒だよね/インタビュー2

――『LAST VISUALIVE』では、白シャツ姿で「キミだけのボクでいるから」を歌っていらっしゃいましたが、全編アニメーションのこの曲のMVでキャラクター化されたGACKTさんも、同じく白シャツを着てらっしゃいました。そこはリンクさせているのですか?

GACKT:この曲は『TRICKTSTER』というアニメの主題歌にもなっているから、このMVは全部『TRICKSTER』の制作チームに任せてるんだよね。
『TRICKTSTER』のキャラクターに何かコネクトできるような面白いMVをつくりましょう、ということで、ああいう仕掛けになっているんだ。

――『TRICKSTER』 のオープニングテーマは、アニメ制作陣からの熱望だったとか。そのオファーを受けてどう思われましたか?

GACKT:「その気持ちに応えたいな」と思ったね。ボクらはいわゆるメガレコード会社に所属しているわけじゃなく自主レーベルだから、なかなかそういう話は回って来ないんだよ。まあ、この時代に自主というのは別に特別ではないけれども、だからと言って、その自主レコードの連中がアニメの主題歌を獲る、ということはあまりないことだから、そうやって指名してくれるのはうれしいよね。
GACKT ボクのコンサートは長いのに、観ると一瞬で終わる。それって人生と一緒だよね/インタビュー2

――MVをご覧になって、特に印象深かった場面はどこですか?

GACKT:印象深かったというか、こういう表現で、表に出ないアーティストっていいなあ、と思ったかな(笑)。
声だけで、自分は一切表に出さないっていう。それもありかもな?って。

――ユニークなご感想ですね(笑)。鳥籠の中にいる女性に逢いたくて男性がジャンプして、自分の足元が崩れてしまいながらも、命がけで跳んでいく……その表現がすごくドラマティックだな、と感じました。

GACKT:ははは! あれはアニメだからこそできる表現だよね。

――実写では無理ですもんね(笑)。
GACKTさんは、アニメには怪人二十面相役で声優としてご出演されました。役をどのように解釈なさいましたか?

GACKT:まあ、非常に冷たいキャラクターだよね。それでいて、善と悪では片付けられない彼の心の歪みというか、心の冷たさ、みたいなものは表現として面白いな、と思ったかな。
GACKT ボクのコンサートは長いのに、観ると一瞬で終わる。それって人生と一緒だよね/インタビュー2

――声のお芝居はこれまでもなさっていますが、お好きですか?

GACKT:好きだよ。「どっちが好き?」と言われたら、実際に演技をするよりも、声優のほうが昔から好き。

――どういうところが魅力なのでしょうか?

GACKT:声のほうが、一つ一つの言葉に対しての説得力を乗せて、届けることができるから。
演技でそれをやっちゃうと、クサい芝居になるしね。やっぱり、リアルとアンリアルの差だと思うんだよ。リアルな世界は、あまりにも一つ一つのセリフが立ち過ぎてしまうと、セリフ的になっちゃって逆に嘘くさく聞こえる。だけど、アンリアルの世界は、逆にセリフに魂が入ってないと、成立しない。そこの違いはあるよね。

――インタビュー3へ


≪リリース情報≫
New Single
『キミだけのボクでいるから』
2016.11.23
XQMQ-1009 / ¥1,800(税抜)

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