GACKT 新曲は病で死にゆく恋人を守りたい、と悲痛な決意を歌うラブソング/インタビュー1

■GACKT/New Single『キミだけのボクでいるから』インタビュー(1/4)

GACKTが語る、『LAST VISUALIVE』の振り返りから、楽曲に込めた想い、ワールドツアーへの意気込みまで

病で死にゆく恋人を守りたい、と悲痛な決意を歌うラブソング「キミだけのボクでいるから」。『GACKT WORLD TOUR 2016「LAST VISUALIVE 最期ノ月 -LAST MOON- supported by Nestle」』のステージを思い起こすと、シンプルな白シャツ姿でこの曲を切々と歌唱したGACKTの姿が脳裏に浮かび上がって来る。
47枚目となるGACKTのこのニューシングルは、アルバム『LAST MOON』からのリカット。10月から放送がスタートしているアニメ『TRICKSTER(トリックスター)- 江戸川乱歩「少年探偵団」より -』(MX、読売テレビ、BS11)のオープニングテーマとなったのは、アニメ制作陣がGACKTとのコラボレーションを熱望したことが発端だという。作品の世界とリンクさせて制作された、全編アニメのミュージックビデオに登場するGACKTの姿もまた新鮮だ。『LAST VISUALIVE』の振り返りから、楽曲に込めた想い、ワールドツアーへの意気込みまでを語る、最新インタビュー。
(取材・文/大前多恵)

今はいろんなSNSツールがあってたしかに便利になったけど……でも、本当に大切なものって、手紙なんだろうね

――『LAST VISUALIVE』のファイナル(2016年7月3日/さいたまスーパーアリーナ)を観させていただきましたが、本当に素晴らしいステージで驚嘆しました。GACKTさんにしかつくれない、と圧倒される世界で……。


GACKT:そう言ってもらえるとうれしいね。あんなこと、誰もやりたくないよ(笑)。作業も多いし。

――常軌を逸していますよね。

GACKT:ホントに。ボクも、「よくここまでやったな」と我ながら思う(笑)。


――アルバム『LAST MOON』とライブを並行してつくられている、と事前にインタビューではお聞きしていましたが、アルバムだけでなく、これまでにGACKTさんがつくりあげて来られた世界、紡ぎ上げて来られたものすべてがミックスされていて。一言では言い表せない感慨と、喜怒哀楽すべての感情を味わうことができました。さぞやお疲れになっただろうと……。

GACKT:ははは! さぞやお疲れになりましたよ。ホント、びっくりしましたよ。ツアーの後半で体調壊したからね。
体調の悪さが全部肌に出ちゃって、最後は、腕にサポーターを巻いて出たり、身体をファンデーションで全部隠してやっていたけれど……あれはひどかったな。
GACKT 新曲は病で死にゆく恋人を守りたい、と悲痛な決意を歌うラブソング/インタビュー1

――でも、傍目にはとてもそんな状況だったとは信じられないほど、キレのあるダンスと歌唱でした。今回シングルカットされる「キミだけのボクでいるから」は、終盤の重要な場面で披露されましたよね。「P.S. I LOVE U」と対になる曲だったんだな、と。

GACKT:そう、アンサーソングなんだよね。厳密には、「キミだけのボクでいるから」のアンサーソングが「P.S.I LOVE U」、という形にはなるんだけど。
男の子からの女の子への気持ちを歌った「キミだけのボクでいるから」と、女の子の側からのその男の子に対する気持ちを歌った「P.S. I LOVE U」と。

――アルバム『LAST MOON』のインタビュー取材段階(※2016年2月)では、この曲だけ未だ存在していなかったですよね? 最後のピースとしてつくられた曲だったんでしょうか?

GACKT:最後のピースとして、というより、単純に仕上げに時間がかかったんだよ。他の楽曲よりも先に作業には入っていたんだけど、もうメロディーも歌詞も全部できているのに、アレンジが全然できなくて。実際はもっと長い曲だったんだけど、あまりにもまとまらなくて、たしか、リハーサルの最終日にできたんだよね。でも、そこまで粘った甲斐があったな、と思う。いい曲だと思うよ。

GACKT 新曲は病で死にゆく恋人を守りたい、と悲痛な決意を歌うラブソング/インタビュー1

――リズムやテンポには、「好き!」という気持ちが走り出していくような、迸る勢いを感じるのですが、かなりシリアスな状況に置かれているカップルですよね?

GACKT:そうだね。何もかも上手く行くと思っていたのに、突然彼女が病気になって、自分が思っていた未来とは違う未来に向かって行っている……その現実を直視できない、というか。でもそこから、やっと「自分がその子を守ろう」と心に決めて、その子のところへ向かうんだけど、結局間に合わなくて……。でも、いなくなったその女の子から手紙が届く、というところが「P.S. I LOVE U」に繋がっているんだ。儚いけどいい曲、というか、いいペアソングが書けたなあって思うよ。

――「P.S. I LOVE U」は、遺した恋人への想いを書き綴った手紙、という形式ですし、「キミだけのぼくでいるから」のミュージックビデオの冒頭でも、男性が万年筆で手紙をしたためています。
現代はLINEやメールといったツールが全盛ですが、あえて手紙というのが情緒を感じるな、と。そこは意図されたところですか?

GACKT:そうだね。手紙って、唯一その人の想いを文字に乗せることができるものだよね。例えば、文字の力強さだったり。

――滲んだり、筆跡が時には乱れたり。そこにも感情が乗る、ということですものね。

GACKT:そう。文字は所詮、同じフォントでしか伝えられないから、だからこそ絵文字などを使って(感情を)表現してるんだろうけど、それにしても、あまりにもデジタルな世の中だなって。でも、感情はデジタルにはならないからね。今はいろんなSNSツールがあってたしかに便利になったけど……でも、本当に大切なものって、手紙なんだろうね。

――記号では表しきれない部分が、手紙には乗りますよね。

GACKT:そうだね。乗せたいよね。

――インタビュー2へ

≪リリース情報≫
New Single
『キミだけのボクでいるから』
2016.11.23
XQMQ-1009 / ¥1,800(税抜)

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