JR全線の普通列車などが1日乗り降り自由になる「青春18きっぷ」。このきっぷは水色のものが一般的ですが、一部に赤いものも存在。

鉄道ファンから「赤券」と呼ばれ珍重されているそのきっぷの発売が、2016年12月で終了します。

JR全線の普通列車が1日乗り降り自由

 一部のJR駅で販売されてきた赤い「青春18きっぷ」の取り扱いが、2016年12月をもって終了することがわかりました。

「青春18きっぷ」は、JR全線の普通・快速列車(普通車自由席)とBRT(バス高速輸送システム)、JR西日本宮島フェリーへ自由に乗り降りできるきっぷです。値段は5日(5人)分で1万1850円。「1人で5日」や「5人で1日」などといった組み合わせで使えます。

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「赤券」と呼ばれる「青春18きっぷ」。
あらかじめ印刷された券面に、日付や発行駅名などが加えられ販売される。

 このきっぷは、発券端末や券売機でその都度印字する水色のものが一般的ですが、それら機器がないJR西日本やJR四国の一部の駅では、券面内容があらかじめ印刷された赤い「青春18きっぷ」を販売。鉄道ファンから「赤券」と呼ばれる、“知る人ぞ知る”存在になっていました。この「赤券」のように、あらかじめ印刷されたきっぷは「常備券」といいます。

「赤券」発売終了の理由は? 最後の販売駅は富山県から愛媛県まで

 赤い常備券タイプの「青春18きっぷ」、その発売を終了する理由は、JR西日本によると「『青春18きっぷ』の常備券を販売する駅では、ほかの割引きっぷを販売しておらず、『青春18きっぷ』の常備券についても今回で販売を終了することにしました」とのこと。またJR四国は、「これまで『青春18きっぷ』の機械発券ができなかった駅でも、係員の端末で発券できるようになったため」といいます。

 2016年12月で発売が最後になる赤い「青春18きっぷ」、その販売駅は以下のとおりです。

●JR西日本
・富山県:戸出
・石川県:高松
・福井県:丸岡、春江、森田、南条、今庄、九頭竜湖
・滋賀県:マキノ、新旭、近江高島、北小松、近江舞子、比良、志賀、蓬莱、手原、石部、甲西、甲南
・京都府:JR藤森、桃山、新田、玉水、長池、山城青谷、大住、千代川、八木
・大阪府:東佐野
・兵庫県:有年、西相生、坂越、仁豊野、黒井
・奈良県:吉野口

●JR四国
・香川県:高松、端岡、高瀬、引田
・愛媛県:伊予市
・徳島県:板野、勝瑞、佐古、石井、鴨島、南小松島、羽ノ浦、牟岐
・高知県:旭、伊野、佐川

 販売期間は通常の「青春18きっぷ」と同様、2016年12月1日(木)から12月31日(土)まで。利用期間は、2016年12月10日(土)から2017年1月10日(火)までです。

 両社とも、常備券の購入について枚数制限を設ける場合があるとしており、JR四国は発売当日の状況により、1人5枚までにする場合があるそうです。なお、各駅とも常備券の販売は売り切れ次第終了。2017年春以降における「青春18きっぷ」の発売は現時点では未定ですが、発売されることになっても、常備券は用意されません。

【写真】5枚組だった昔の「青春18きっぷ」

珍しい赤の「青春18きっぷ」、2016年12月で発売終了

「青春18きっぷ」は現在、5日(5人)分で1枚だが、かつて1人1日有効のきっぷ5枚組で発売されていた時代がある。