・上海マンション火災とは
2010年11月15日午後に、改修工事中の28階建てマンションで起こった大規模火災。
平日の日中に発生したことから、マンション内にいたのは定年退職した高齢者と、そこへ預けられていた幼い子どもが多く、58人が死亡、70人以上が負傷したと報じられた。
発生現場は上海市中心部であったため、繁華街やオフィス街にいた多くの市民が、立ち上る黒煙を直接目にすることとなり、火災の恐ろしさを深く胸に刻む事件となった。
マンションは今も、後世に教訓として残す目的で、建造物の骨組みに整備を施した状態で現地に残されている。
・ロンドン高層住宅火災との類似点
住人の不始末や放火等ではなく、改修工事中の事故が原因であることが推測され、火が外壁から建物全体に広がり、被害の規模を拡大させたという点において、今回のロンドンの火災と上海マンション火災は経緯が似ている。
当時上海では「これは明らかな人災だ」とされ、数多くの関係者が刑事責任を追及される結果となった。
また、16日に発行された光明日報は、上海の事例も提示しつつ、急速な都市化が進む中国においてもこれは他人事ではない、ロンドンからの「警告だ」と報じている。
さらに犠牲者の数は増えるのではとの見方もあるが、現時点においては、奇しくも上海と同数の58人の行方が確認できず、死亡が推定されると報じられているロンドンの火災。二度とこのような痛ましい事故が起こらないことを願うばかりだ。(編集担当:永井晶子)(写真は上海マンション火災発生から1ヶ月後の現地の様子:サーチナ編集部撮影)
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