年間交通死亡事故者数が20万人を超えるともいわれる中国だが、これはドライバーだけに責任があるわけではないようだ。中国メディアの今日頭条は11月29日付で、中国人は後部座席でシートベルトを着用しないと指摘しており、また、なぜシートベルトの着用に対する意識が低いのかという理由についても説明している。


 記事は、現在の中国において運転席や助手席でシートベルトを着用しない人は少なくなっているが、それでも多くの人が「後部座席は比較的安全なため、シートベルトを着用する必要がない」という認識を持っていると指摘。

 しかし、そうした認識は間違いであると指摘、その事例として前駐仏大使であり外交学院の院長でもあった呉建民氏が2016年6月18日に交通事故に遭い、後部座席でシートベルトを着用していなかったために、前の座席に頭部・頚部をぶつけて死亡するという出来事を紹介した。

 記事は、この出来事は中国で高等教育を受けた有識者であっても、後部座席でシートベルトを着用することの重要性を理解していないことを示していると主張。また、有識者たちによるこの誤った認識が、中国における後部座席でのシートベルト着用を軽視する傾向を生じさせている直接の原因となっていると主張した。

 また、中国のアニメ、バラエティ番組、映画などでは、後部座席はおろか運転席でさえシートベルトを着用せずに自動車を運転する描写があると指摘し、これも中国人にシートベルト着用についての誤った認識を広める原因だと指摘した。

 一方で記事は、日本のアニメでは自動車を運転する人物はみなシートベルトを着用していると指摘、「男性の主人公でさえシートベルトを着用している」と称賛。
記事は日本人の真面目さは「本当に恐ろしいと感じさせるレベル」だと絶賛した。

 日本の代表的なアニメ番組の1つにサザエさんがあるが、後部座席に座っている人物もしっかりシートベルトを着用しているシーンがある。記事は、日本人が「シートベルトは命を保護する重要な道具である」という正しい認識を有しており、またアニメなどテレビ番組の影響力の大きさを通じて、シートベルト着用の大切さを視聴者に伝えているという点を非常に高く評価している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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