中国メディアは7日、菅義偉官房長官が同日午後に中国海軍軍艦が日本人1人を混乱の続くイエメンのソコトラ島からオマーンへ移送したことに対し、日本政府として中国側に謝意を伝えたと報じた。

 中国で同ニュースが伝えられると微博(ウェイボー、中国版ツイッター)には書き込みが続々と寄せられている。
反日的な意見もあるが、「いいね」が圧倒的に多いのは「当然のこと」、「大したことではない」といった書き込みだ。

 代表的な微博のひとつである新浪微博(シンラン・ウェイボー)で日本時間8日午前9時現在、最も多くの「いいね」を獲得したのは、「数十年前にもあなたたちを家に送った。現在、1人を送るのは当然ながら大したことではない」とのコメントだ。

 中国国民党政府は第二次世界大戦終了後、日本人の送還事業に取り組んだ。特に、遼寧省葫蘆島市からの、旧満州国在留者ら100万人以上が対象となった「葫蘆島日僑大遣返(葫蘆島在留日本人大送還)」は特に知られている。実際には日本人引き上げの際には悲惨きわまる事態も発生したが、「イエメンからの日本人脱出」に寄せた中国人の書き込みは、「日本とは政治的対立はあるが、人道的支援は惜しまない」との気持ちのあらわれと考えてよいだろう。


 他にも、「遠慮は無用。われわれは中国人なのだから」、「人道主義救助に国境はない」、「小さなこと。お礼は無用です」、「大国の度量だよ」との書き込みも多い。いずれにしろ、日本人に対する人道支援を「誇り」と感じる意見だ。

 「日本の海上保安庁も中国人を救出したからね」、「08地震(四川大地震)の時には、日本もずいぶん人を派遣してくれたからね」などとする書き込みもある。いずれも「人道的支援は当然」との見方だ。


 さらに、「日本は中国の“宅配便”を高く評価したんだ!」とのコメントも寄せられた。日本側として謝意を示すのは当然ではあるが、中国人も日本の感謝を素直に評価したと理解できる。

 「日本人が叫んだ:釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)は中国のものです!  船長:乗船しなさい!」との書き込みもある。他愛のない“ジョーク”ではあるが、中国のネット民が日本との出来事を考える際には、どうしても「尖閣諸島問題」が意識にあがり、さらに当局も常に、何らかの形で同問題を意識しているとの見方を示したものと考えてよい。

 反日的な書き込みもあるが、それほど多くの「いいね」は集まっていない。逆に「中日は永遠に親善。
2度と戦わない。これが両国人民の心であるはずだ」といった書き込みの方が、数は多くはないが「いいね」を多く集めている。(編集担当:如月隼人)(写真はイエメンの略地図。右下に見えるのが、中国海軍軍艦に救助された日本人が滞在していたソコトラ島。123RF提供)


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