カップに雨が降り注ぐ?「雲下コーヒー」を飲んでみた


京都の二条城近くにあるカフェ「Alpha(アルファ)」に「雲下コーヒー」なる衝撃的なビジュアルのメニューがあると知り、飲みに行ってきました! 「鉢植デザート」という植木鉢にしか見えないスイーツとセットで注文する人が多いらしく、ご覧の通り、絵本の世界を思わせるドリーミーさ。熱々のコーヒーの上に、真っ白な綿菓子の雲がぽっかり浮かんでおり、コーヒーの熱で綿菓子が溶け出して甘~い雨を降らせる……という仕掛けとなっている。


蒸気の熱で溶け出し、まるで雨のよう


カップに雨が降り注ぐ?「雲下コーヒー」を飲んでみた

15秒くらいでどんどん綿菓子が溶け出してくるので、カメラを準備してから待つことをおすすめします!

カップに雨が降り注ぐ?「雲下コーヒー」を飲んでみた

まるで、降り注ぐ雨のよう、カップの上に、不思議で美しい光景が広がる。綿菓子って、蒸気の熱でこんなふうに溶けるものなんですね……。なお、コーヒーのほかに「雲下豆乳ミルクティー」「雲下抹茶オレ」「雲下豆乳コーヒー」などさまざまなバージョンがある。ホットではなく冷たい飲み物がいい!という方には、「雲下イチゴミルク」「雲下バナナミルク」などのコールドドリンクも(こちらはジョッキグラスで提供されるのだが、泡のような綿菓子がこんもりとのせられ、インパクトあり)。


カップに雨が降り注ぐ?「雲下コーヒー」を飲んでみた

1/3ほど溶けてきたところ。オーナーのリュウさんによると、「綿菓子を全部を溶かしても微糖くらいの甘さなので、お好みで砂糖やミルクを加えて好みの味にして楽しんでください」とのこと。ふだんはブラック派の私も、せっかくなので全部の綿菓子を溶かしてから味わってみました!

なお、鉢植デザートのリアルな土は、ココアクッキーを砕いたもの、上に生えているのはミントである。
中にはバナナやアイス、チョコソースなどが入っており、ミニサイズのバナナパフェといった感じのテイスト。スコップ状のスプーンでざくざく中身を掘り出しながら食べるので、気分はまるでガーデナー!? 少し苦みのあるコーヒーとよく合い、野外でピクニックを楽しんでいる気持ちになれるおいしい組み合わせでございました……。


インスタグラムで人気に火


「Alpha(アルファ)」は2015年のオープンで、この「雲下コーヒー」はオープン当時からの看板メニュー。オーナーのリュウさんは中国人で、留学生として来日し、子ども服の会社に勤めた後、この店をオープンしたのだそう。
「開業するにあたって周囲に相談したところ、せっかくオープンしてもクローズするカフェも多いなか、何かここでしか味わえない、特色のあるドリンクやスイーツがないと厳しいのではないかということで考えました。そこで思いついたのが、綿菓子って大人になってからは意外と食べないものだな、って。
いろいろ試作していたところ、温かい飲み物の蒸気でゆっくり溶けるということがわかって、見た目の可愛らしさも追求しながら、このスタイルが生まれたんです」

ちなみに、リュウさんが中国人であることからフードメニューにはお粥や点心があるのだが、オープンして半年ほどはそちらを注文する人が大半で、「雲下コーヒー」や「鉢植デザート」を注文する人はほとんどいなかったらしい。
「鉢植デザートはメニューブックのデザインの一部だと思っている人が多く、実際に注文できるスイーツだと気付かない人も多かったようです(笑)。でも、半年後くらいにインスタグラムから火がつき、さまざまなメディアのかたが取材に来てくださるようになりました」

なお、「鉢植デザート」は3年ほど前に中国や台湾でブームを巻き起こしたスイーツをヒントにしたもので、現地では「盆栽スイーツ」的な呼び名で親しまれていたらしい。調べてみたところ、小石に見立てたマシュマロを土表面に散りばめてみたり、お店によっていろんなバージョンがあるようだ。
「日本ではまだ同じようなデザートがないので、紹介してみたらおもしろいかな、と。植木鉢型の容器、スコップ型スプーンを現地で仕入れてきました」

どう見ても芽吹いたばかりの鉢植えにしか見えないので、これはかわいい!おもしろい!日本にないものを京都で食べられる!というのもアイデアですよね。
なお、容器とスコップは持ち帰りはできないのでご注意を(笑)。

カップに雨が降り注ぐ?「雲下コーヒー」を飲んでみた

アンティークの木馬などがあしらわれた、手作り感のある店内。壁には中国の美人画なども飾ってあり、無国籍な雰囲気。お客さんは20~40代までの女性が中心で、入口付近には作家もののアクセサリーコーナーも。「二條若狭屋」など有名和菓子店も近隣にあるので、観光で二条城を訪れる機会があればお茶しに訪れてみてはいかがだろう。
(まめこ)