どうして頭から盆栽が生えた!?


香川といえば「うどん」が有名だが、実は「盆栽」も名産であることは、あまり知られていない。とくに高松市の鬼無町から国分寺町にかけての一帯が一大産地で、松盆栽の生産量は全国シェアの約8割占めるほど。

そんな香川の盆栽をPRすべく2016年から活動しているのが「ボンクラ」だ。
“盆栽と共に暮らす生活”を応援している頭から盆栽が生えたガールズユニットで、とにかく見た目のインパクトが強烈だ。
なぜ生やした!? 頭が盆栽型の香川発ガールズユニット「ボンクラ」

なぜ頭から盆栽が生えているのかと思ったら、「盆人(ぼんじん)」という盆栽の妖精が人間の言葉を使って盆栽を広めるために、女性のカラダに憑依した……という設定らしい。ボンクラは香川県の盆栽を日本や世界へ広める団体「盆人プロジェクト」の活動の一つ。「盆人」はこの活動のシンボルでもある。

そんなボンクラのメンバーがイベントPRのために東京にやってくると聞き、実際に会いにいってきた。なお、ボンクラのメンバーは香川県のモデルやレポーターで構成されており、この日やってきたのは、めぐみさんとゆうりさんの2人。
活動当初は4人だったが、最近、ボンクラの活動が忙しくなっているため、メンバーも少しずつ増えているそうだ。
なぜ生やした!? 頭が盆栽型の香川発ガールズユニット「ボンクラ」
ボンクラのめぐみさん(左)とゆうりさん(右)



髪型セットの所要時間は約10分


なぜ生やした!? 頭が盆栽型の香川発ガールズユニット「ボンクラ」

――まず、気になるのが、その髪型。いったいどうなっているの?
めぐみさん:盆栽型のカチューシャになっていて、盆栽の幹の部分に自分の髪の毛を巻き付けています。
ゆうりさん:10分くらいでセットできますよ。

――想像以上に早いんですね。ボンクラの活動内容は?
ゆうりさん:昨年はフランスのJAPAN EXPOでも盆栽をPRしました。
めぐみさん:国内ではイベントで「盆栽たいそう」を踊ったり、ガチャガチャのプラスチックケースのなかに盆栽をいれる「ガチャ盆」のワークショップを開いたり、インスタグラムで情報を発信したりしています。
若い人や子どもたちにも盆栽に親しんでほしいですね。
なぜ生やした!? 頭が盆栽型の香川発ガールズユニット「ボンクラ」
盆栽たいそうを踊ってくれた。踊りはYouTubeで見られる


――若いお2人にとって盆栽とは?
めぐみさん:生活のゆとりや癒やしになっています。
ゆうりさん:小さいなかに大自然をぎゅっと詰め込んだ世界観に魅力を感じています。

盆栽の見方は?


今回ボンクラがPRしにきたのは、2月8日~2月14日の期間、東京・伊勢丹新宿店本館5階で開催されている香川の伝統工芸品の展示販売会「香川の春のイロ カタチ」。伝統を受け継ぎながらも進化を続ける讃岐の手しごとを紹介するもので、もちろん松盆栽もある。

ところで、そもそも盆栽って何を基準に見ればいいのだろうか? 香川県盆栽生産振興協議会の会長である尾路悟さんに聞いた。

なぜ生やした!? 頭が盆栽型の香川発ガールズユニット「ボンクラ」
香川県盆栽生産振興協議会 会長 尾路悟さん

「本格的にやるのであれば見るポイントも重要ですが、私はまずは自分の感性に合うものを楽しみながら生活のなかにとりいれていくのが大切ではないかと思っています。そうしたなかで少しずつ本物の盆栽の見方や知識を得て、次の段階に進んでもらえたらうれしいですね。よく、“どちらがいいと思いますか?”とお客様に聞かれることもありますが、“お客様が気に入られたものがご縁があるものですよ”とお話しています」

イベントには1500円~70万円までさまざまなランクの盆栽が登場。盆栽の値段はおもに値段は古さや樹形、希少価値などで決まるそうだ。年月が経つにつれ、ツルツルしていた樹皮が割れて趣が出てくるが、置いて楽しめるようなものになるには20年はかかるとのこと。ちなみに盆栽は海外にも愛好家が多く、1月末にドイツで開催された園芸関係の見本市に尾路さんが参加したところ、盆栽と記念写真と撮る人が続出したとか。


「香川の春のイロ カタチ」では、ほかにも、香川名産の綿を草木染した糸でかがる「讃岐かがり手まり」や「香川漆器」「オリーブ染」などさまざまな工芸品が見られる。「讃岐かがり手まり」はさまざまな幾何学模様が局面にかがられ、なんともやさしい風合い。讃岐かがり手まり保存会代表の荒木永子さんによれば、近ごろはインテリアやギフトにする人も多いとのこと。
なぜ生やした!? 頭が盆栽型の香川発ガールズユニット「ボンクラ」
讃岐かがり手まり。イベントでは実演販売も

残念ながらイベントにはボンクラは来ないそうだが、美しい盆栽をはじめとする香川の伝統工芸の数々は一見の価値あり。盆栽好きもそうでない人も、ぜひ足を運んでみては。
(古屋江美子)